事務機器メーカーであるキングジムが開発するテキスト入力に特化したデバイス。
ポメラDM250
キングジムが昔から発売しているテキスト入力専用機器が「ポメラ」である。
昔は、折りたたみキーボードを搭載し、もっとコンパクトな筐体だったが、今は厚みは薄くなったものの、サイズそのものは随分と大きくなり、キーボードは折りたたまないスタイルになったほぼ限界サイズの横幅を持つ筐体となった。
ポメラは基本的にはテキスト入力しかできない、というのが機能的な特徴と言えるが、昨今はネットワークに繋がるようになり、スマホを経由してテキストのやり取りができるようなシステムに進化した。
このようなスタイルに進化したのは、前機種である「DM200」からであり、機能が制限されたテキスト入力マシンという印象は敬称しつつも、少しずつ進化している、と言えなくもない。
ただ…やはり実際に使うとなると、ホントにテキストを打つぐらいしかできない機器なので、ユーザーは限定してしまう。
ブロガーと呼ばれる人でも、昔から文章によるブログを書く人しか対象にならないし、あとは物書き(小説家含む)ぐらいしか、対象となり得る人が今ではいないように思える。
というのも、今では動画のブログ、つまりV-Logの方が主力になりつつあるし、タブレットやスマホでもテキスト入力が出来る時代。さらにスマホなどでは音声入力でのテキスト作成も可能な時代である。
こんな世の中で、キーボードでテキストのみを打ち続けるというデバイスが発売される、という事そのものに、私は敬意を表す…キングジムのpomera DM250は、そういう奇跡的なデバイスだと思う。
ATOK搭載
ただ、テキスト入力の中で特筆すべきなのは、ポメラは日本語入力システムとして「ATOK for pomera」というポメラ専用のATOKを標準搭載している、という事。
ATOKはジャストシステムが開発する日本語入力システムだが、こいつの日本語変換精度は恐ろしい程で、あらゆる要望に応える懐の広さがある。
Windows版ではサブスクリプションで提供されていて、私も契約して使用しているが、私はもうATOKを手放す事ができなくなっている。
こんなATOKだが、何と言っても校正支援機能がとても強力で、読みや仮名遣いの誤りを指摘したりするのは当たり前、誤用の指摘や確定アンドゥの連続使用などもサポートしているので、とても文章作成がしやすい。
そうしたATOKを標準搭載しているというのが、このテキストマシンの最大のポイントではないかと思う。
テキストを扱う人は、その行為そのものにモバイルを求めた時、その先にポメラという選択肢がある事は覚えて置いても良いかも知れない。
Bluetoothキーボード
今回の「DM250」は、前機種からある機能として「Bluetoothキーボード」として外部機器の入力デバイスとして利用する事ができる。
キーボードそのものは、もともとテキスト入力に特化したデバイスなので、実に考えられたレイアウトであるし、使い勝手は悪くない。
そうしたマシンを持ちつつも、iPadなどのタブレット端末に、Bluetoothキーボードとして接続できる事で、タブレットの使い方にも変化を持たせられる。
バッテリー駆動時間は最大24時間としているので、そうしたタブレットの入力端末として使用するとしても、バッテリーは十二分な容量があると言えるので、組合せ利用はアリではないかと思う。
ただ…価格が60,280円と高いので、この為だけに購入する、という事はあり得ない話。単体で利用する上でのオマケ機能としてBluetoothキーボード化があると考えないと、割に合わないと言える。
キングジム、いつまで頑張れる?
正直、私はもうポメラの新型は出てこないと思っていた。
世の中、スマートフォンやタブレット機器がここまで出回るってしまうと、そうしたデバイスは既にPCの置き換えになっていて、ポメラのような機能限定デバイスの存在を消し去ってしまえる存在になってしまっている。
それだけに、ポメラの新型が出るという話を聞いた時「本気かよ?」と自分で思ってしまった。
私はポメラに否定的ではなく、むしろ肯定的ですらあるのだが、流石に世の中の流れをみて考えれば、新型が登場するのは考えにくい世の中だと思う。
それが7月29日に発売されるという発表があったというから驚き以外の何物でも無い。
キングジム、何考えてんだよ、と思う反面、がんばってくれ、と切に願わずにはいられない。
キングジム pomera DM250
https://www.kingjim.co.jp/pomera/dm250/