先日、4gamer.netでも記事になったX68000ミニ。非常に気になる。
瑞起が開発しているのか?
株式会社瑞起とは、メガドライブミニ、PCエンジンmini、EGRET II miniなどを開発もした事のある製造メーカーだが、その瑞起がTwitterでコメントを出した。
🫅弊社はやります❗️詳細は後日📢
#68の日 pic.twitter.com/jU5gE2sG8R— 株式会社 瑞起(ZUIKI Inc.) (@ZUIKIInc) June 8, 2022
そしてその後に続きとしてマウスとキーボードも映っている画像コメントを追加で出した。
#68の日 の続き
マウス🐭とキーボード⌨️もっ❗️#X68000 pic.twitter.com/U4lgmLhHka— 株式会社 瑞起(ZUIKI Inc.) (@ZUIKIInc) August 5, 2022
言うまでも無く、かのSHARPの名機「X68000」のミニ筐体で、エミュレータで動作させてしまおうという製品を発売する、と期待されるものである。
私個人としてもとても嬉しいニュースだし、本当に発売されるとしたらぜひとも盛り込んで欲しい要素も沢山ある。
これらTwitterのつぶやきには、期待している人達のコメントが多数寄せられているが、それらはどれも欲しい、という意気込みが伝わってくるし、あの機能も欲しい、この機能も欲しい、という要望に溢れている。
瑞起がもし本当にX68000ミニを発売するとしたら、おそらくはARMコアでのエミュレータになるだろうが、ソフトウェアによるエミュレータでは、MIDIの制御もできたりと、ほとんどの事が可能になっている事から、人々の期待はとてもハードルが高い。
また、外装にしても、現時点ではグレーと黒の初期筐体が確認できるが、XVI筐体を望む声も多い。
おそらく、今まで数々のミニ筐体機を作ってきたと思うが、今までの中で一番コアな層が待ち望んでいる製品になるのではないかと思う。
SX-Windowをぜひ
個人的には、従来のミニ筐体のような製品でなく、OSを起動させるところからの製品にして欲しいと望んでいる人は多いのではないかと思う。
中にはko-windowが動いて欲しいなんて声もある。つまり、X68000の標準であるhuman-68k以外のOSでの動作すら期待されているわけで、この辺りがアーケード機やコンシューマ機のミニ版と大きく異なる部分と言える。
私としては、イマドキのOSとしてhuman-68kの上で動作するSX-Windowがうごていくれるといいなと思っているし、できればゲームなどもSX-Window上からフォルダを開いて実行、というスタイルにして欲しいと思っている。
また、ハードウェアとして外部機器との接続をUSBなどで出来る様にして欲しい。Twitterでの要望が多いのは、5インチFDドライブを接続できるようにして欲しいという声もあれば、MIDI機器を接続できるようにして欲しいという声もある。
私もMIDI機器との接続はぜひとも頑張って欲しいところではある。
ただ、よく考えてみると、これらが現実となった場合、瑞起はエミュレータで動作するPC(レトロだけど)を発売するという事であり、そうなると製品としては、過去にHAL研究所から発売された「PasocomMini MZ-80C」や「PasocomMini PC-8001」と同じような製品を発売する、という事になる。
エミュレータではあるが、当時X68000でできた事をいろいろ実現できるものとして発売されたなら、一世を風靡するエミュレータPCになるだろう。
心配なのは…
どんな体裁でも買う、という人もいるだろう。
罠かもしれないと判っていても買う人もいるだろう。
だが、その根底には期待を裏切らないでくれ、と願う人が大多数であろう製品が、このX68000ミニではないかと思う。
私が一番心配なのは、瑞起というメーカーがX68000のゲームを再現できるミニハードとしてのみ本製品を企画していないか? という事である。
X68000は、確かに当時のアーケードゲームを再現できるだけのハードウェア性能を持っていたし、仮にアーケードシステムより劣る性能だったとしても、それをプログラミング技術で補ってきた製品である。
だから、当然ほとんどの人はゲームマシンとしての意味合いを強く感じるところはあるとは思うが、X68000はパソコンだからこそ意味がある、という部分も存在する。
それは、現在のソフトウェア開発を担う管理職の人達や、勤続年数のとても長い経験豊かなプログラマーたちは、このX68000のプログラミングを覚えた人が多いという事。
当時、プログラムを覚えるならX68000が最適とまで言われていた時代があり、X-BASICはCコンパイラを通す事でC言語にする事ができたBASIC言語だった(多少言葉に語弊があるかもしれない)。
だからX68000は開発者を育ててきたパソコンという側面がある。そういう歴史のあるパソコンであるから、安易にゲームパソコンとしてのみエミュレータハードを発売してしまうと、ユーザーを幻滅させてしまう可能性が高い。
前述したように、OSから起動させたい、という要望があり、外部機器との接続すらも期待しているところからも、それがよく分かると言える。
なので、個人的には瑞起は随分と難しいところを攻めたな、という気もしている。
かつての憧れのマシンを再現する事の意味はとても大きいと同時に、扱いがとても難しいのである。
ただ、これを形にしようという試みは大歓迎である。悪い結果に繋がらなければ良いとも思うが、まずは形にしてくれようとしているスタイルは評価されるべき事だと思う。