瑞起のX68000Zだが、どうやらオリジナルと同じ展開になるようだ。
コナミも許諾した模様
瑞起がkibidangoで展開しているクラウドファンディング「X68000Z」だが、既に2億5,000万円ほどの新規調達が可能になり、予想を大幅に超える結果を出している。
当初は瑞起が考えるX68000Zを製造し販売する企画だったようだが、情報を開示するなり、周辺の反響がとんでもない事になり、計画を一端元に戻し、クラウドファンディングという形でファンと共に作り上げていくという方向に舵を切った。
この辺りの話をYouTubeで生配信したようで、今まで不明とされてきた事が徐々に見えてくるようになった。
X68000と言えば、当時を知るものならまず最初に出てくるのは「グラディウス」というタイトルではないかと思う。
というのも、この「グラディウス」をアーケード版とほぼ同等に再現する事でそのマシンパワーを見せつけたのだから、イメージとしては当時相当に強烈だったと言える。
今回のクラウドファンディングによる「X68000 Z LIMITED EDITION EARLY ACCESS KIT」でも、このグラディウスというタイトルは付属する事が確定した。
ちゃんとコナミの許諾も得ているという。
これが完全再現されて、X68000の復刻というのは、一つの儀式みたいなものではないかと思う。
さらに高度なものを付属
そして今回の「X68000 Z LIMITED EDITION EARLY ACCESS KIT」には、さらにX68000を完全再現したと証明する為なのか「超連射68k」というX68000の性能を使い切った感のあるタイトルも付属される事となった。
この「超連射68k」は同人ソフトではあるものの、処理的には非常に高度な事をしているタイトルで、X68000が利用できるスプライト128枚の実に4倍のスプライトを「スプライトダブラ」という手法で実現しているタイトルである。ある意味、オリジナルを超える仕組みをX68000のソフトウェア上で実現しているワケだが、X68000Zにこの超連射68kが付属するという事は、そのハードを超えるソフトウェア処理をX68000Zも再現できる、という事を示している事になる。
そういう、かつてX68000の処理を限界まで極めようとしたプログラムですら、X68000Zは再現できると言う事を示すには、超連射68kというタイトルは最適だと言えるかも知れない。
できる事、できない事
X68000Zでできる事とできない事が今後の焦点になっていく事は間違いないが、現時点では何ができて、何ができないか、という事に関しては詳しくはわからないというのが現状である。
それは技術的に可能かどうか、という事だけでなく、権利的に可能かどうか、という事も含めての話だが、確実に判っている事が非常に少ない。
確実に判っている事で明確に言える事が、5インチフロッピーディスクドライブを準備するという事のようで、これは瑞起も検討してみたが無理だった、という事らしい。
既に部品も生産されていないという事ではないかと思うが、この事で一つ見えてくるのは、各ユーザー達が保管していた5インチフロッピーディスクをX68000Zで読込み利用するという事ができない、という事である。
何かしらの形でディスクイメージを準備できれば、イメージを取り込む事は出来るかも知れないが、物理的に存在する資産をそのまま使う事はできないようだ。
X68000Zへの期待の一つに、X68000の従来の資産の再活用というものがあるが、フロッピーディスクドライブの実現が不可能ならば、各個人ができる事はかなり限られるのではないかと思う。
徐々に姿が現れてきたX68000Zだが、その内容については今後しばらくはずっと未定という状況が続きそうな感じではありそうだ。
ただ、それもハードウェア的な話ではなく、ソフトウェア的な話であり、エミュレーション部分でどこまで対応するか、という事の話へと帰結する。
最終的には、ヘビーな有志たちが力業で何とかしてしまうような気がしないでもないが、かつての名機の再現だけに、可能な限りオリジナルに近づけられるようなものになっていくといいなと思っている。
瑞起 X68000 Z公式サイト
https://www.zuiki.co.jp/products/x68000z/
kibidango X68000 Z支援サイト
https://kibidango.com/2285