HDRに対応するビデオカードと液晶モニタが揃ったので試してみた。
FF14、HDR化へ
Windows11において、全ての見た目がHDR化されるかというとそうでもない。結果的にはコンテンツ側からHDRに対応していないと、HDRとして表示されることはないのだが、私の環境も液晶モニタ、ビデオカードが共にHDRに対応する状況となったので、早速機能として有効化し、HDRコンテンツは可能な限りHDRで表示するようにしている。
ところが、現時点で私のPCの使い方だと、HDRで表示できるものが限られてしまい、普段使いではあまりHDRの恩恵を受ける事がない。
Amazon Prime Videoなどで手軽にHDR動画を観る事ができれば一番よいのだが、どうもPCで4K動画を見たりHDR動画を見るのは、そのままでは見る事ができないのか、情報があまり出てこない。いろいろと調べてはいるが、未だ解決に至っていない。
その他のコンテンツでも、HDR映像をサッと見るという手軽なものが見つからないので、未だ動画コンテンツでHDRというものは未確認なのだが、ゲームにおいて、HDRに対応したコンテンツサービスを享受していたので、それでHDRの美しさを実感するに至った。
そのコンテンツというのがFF14で、標準設定では自動でHDR化されるよう設定されているようだ。
何時ものようにFF14を起動すると、ログインするまではいつも通りなのだが、ログインするとそこからFF14本体が起動、Windowsが自動でHDR信号を受取ったとポップアップ情報を出してきて、設定するか聞いてくる。自動なので、設定しなくてもそのままFF14コンテンツをHDR表示してくれる。
鮮やかさ、ハンパない
で、FF14が起動すると、そこにはHDR化されたタイトル画面が大々的に表示される。
今は「ENDWALKER」のタイトルがバーンと表示されるが、その文字の色にも深みがあり、背後に映る星の光が、SDR時とは明らかに異なるほど、煌びやかに映し出される。
ゲームに完全にログインしても、その深みのある色合いが続く。色の階調が格段に増えた感じに見え、鮮やかさがいつもと全く異なることに気づく。
そのままプレイして、コンテンツファインダーからレベルルーレットを申請、第三者とIDに入ると、そこからまた違った感動が押し寄せる。
戦闘が始まると、そこで表示されるエフェクトの輝きが何時もと全く異なるのである。
鮮やかさ、煌びやかさが違うだけで、こんなにも違って見えるのか、というぐらい違って見える。
IDの景色もHDR化されているので、いつもと没入感が全く違う。全くもって驚きである。
欠点もある
このように、HDR表示の凄まじさを実感はしたのだが、同時に今までと同じ負荷でこのような映像が得られているのか? という疑問も浮かんだ。
そこで、表示しているFPSを計測してみると、通常ならWQHD表示で120fpsに張り付くところ、93~109fps程度にフレームレートが落ち込んでいることが判った。
おそらく、HDRの処理によって、コマ落ちが生じているのだろう事は容易に想像が出来た。
それでも90fps以上は出ているので、基本が60fpsで作られているFF14ではこれでも十分な表示と言えるが、HDR化は思った以上に負荷が大きいと言える。
で、思ったのが、入れ替えたGPUはGeForce RTX 3070 Tiだったが、ひょっとしたらRTX 3080程度は必要だったのかも知れない、という事。
もちろん、そうなると消費電力がバカみたいに大きくなるワケで、TDPは300Wを超えてしまうのだが、少なくともWQHD表示でHDRに対応させつつ120fpsを実現するには、RTX 3080レペルが必要だという事である。
まぁ、60fpsでよければRTX 3070程度でも問題はないのだろうが、それ以上のフレームレートを実現しつつHDRとなると現実は厳しいという事だろう。
というわけで、HDRの良さを体感しつつ、思ったほどHDRに適応したコンテンツがないという実情も目の当たりにした。
今後、HDRに対応したものはもっと増えていくとは思うが、テレビでは2018年からHDRがスタートし、4年後の今でもPCではHDRが浸透しきっていない現状がある。
普及するまでにはもっと時間がかかるという事かもしれないが、普及させる為にはコンテンツを多く増やさないといけないのも事実なので、今後のコンテンツの広がりを期待したい。