RODEの名コンデンサマイクの新型が発売される。
NT1-A
実は私も使用している、RODEの名コンデンサマイクがある。
名コンデンサマイクといっても、コストパフォーマンスに優れるという事の方が意味として大きく、性能だけで言えば、さらに上位に製品が控えているので、あくまでも初級配信者から中級配信者までが利用するという意味で名コンデンサマイクと言える製品かもしれない。
ただ、だからといって配信しかできないとかそういう事ではない。ちゃんと楽曲の収録にだって使えるし、性能も決して悪いわけではない。
そんな汎用性の高いマイクが、RODEのNT1-Aというマイクである。
私も配信できる環境を作ろうと購入し、その事を当Blogで記事にもした。
このNT1-Aだが、マイクそのものに設定を変更したりするボタンなどが搭載されているわけではない。純粋に収録する機能のみを持ち合わせるマイクで、それ故に簡単という意味では確かに初心者用とも言える。
上位機種にNT2-Aというマイクも存在していて、指向性の切替えやローカットスイッチなどがマイクに搭載されている。価格も5万円を超えるマイクなので、初心者が使うマイクとしては高い部類に入る。まぁ、プロが使用する機材で考えれば、低価格帯マイクという位置付けにはなるが。
それでも、私としては性能的にはNT1-Aでも十分すぎると思っている。
その事を反映してか、NT1-Aキットという、ショックマウント、ポップガード、XLRケーブルなどがセットになったキットも発売されている。
と、この製品はこれはこれで良いのだが、こんな高性能なNT1-Aだが、第5世代の新型がついに発売される事となった。
NT1(第5世代)
3月23日に、国内では銀一という販社より「NT1(第5世代)」が発売される。
最大の特徴はXLR端子とUSB-C端子の両方を搭載しているというところで、カラーはシルバー、ブラックの2色、価格は46,200円で販売される。
従来のアナログ接続であるXLR端子による接続に加え、PCに直接USB Type-C接続できるため、マイクの下部端面には2つの接続端子が存在している。
USB Type-Cで接続する場合は、WindowsはRODEカスタムASIOドライバのインストールが必要だが1台のPCに最大8台まで接続でき、マルチトラック録音が可能になる。
ハードウェア面では、ラージダイアフラムコンデンサマイクとしては世界初という32bit floatデジタル出力機能を搭載し、音割れしないのが特徴だという。
他にも超低ノイズ・ハイゲインのRevolution Preamp、192kHzまで対応したADコンバーターも搭載しているのも特徴と言える。
回路設計図の見直しでコンデンサマイクとしては非常に低いセルフノイズの4dBAを達成し、142dB SPLという最大入力音圧という特徴もある。
また内蔵DPSによるAPHEXオーディオプロセッシングで、コンプレッサー、ハイパスフィルター、ノイズ除去をはじめとしたエフェクトなどが利用可能で、これらは専用アプリ「RODE Connect」「RODE Central」内のVoxLabエディターを使うことで設定できる。
またこうしたアプリを使用する事で、各種パラメータの微調整もできるというか、もはやマイクの枠を超え始めたと言えるかも知れない。
ミキサーいらず
正確にいうとミキサーいらずというわけではないのだが、このNT1(第5世代)をUSB Type-Cで直接接続して使用する分には、Webミーティングなどでの利用ではミキサー機材は不要と言える。
もちろん、そうした用途で使うにはマイクとスピーカーが必要になるが、それらはミーティングツールで切替える事になると思うので、違和感なく接続デバイスを選んで使用出来るだろう。
コンデンサマイクなので、音はかなりキッチリ綺麗に拾ってくれると思うので、周辺が騒がしい環境では使いづらいが、そうでなければクリアな音で相手に声を届ける事ができるだろう。
また、前述したように、カスタムASIOドライバを使う事で複数のマイクを接続してマルチトラック録音が出来るとなれば、DAWソフトやOBSなどで複数の音源をそれぞれのマイクで拾って録音、配信が可能になる。
今までハードウェアでミキサーを用意していた人などはそのハードのミキサーが不要になると言えるワケで、PCさえあればいろいろな事が可能になる時代にまた一つ近づいた、と言えるかも知れない。
こうなるとマザーボードに多数のUSB端子が存在するAsRockのLive Mixerというマザーボードなどは、こうしたデバイスとは相性がものすごく良いのかもしれない。
ただLive MixerはUSB Type-A端子がほとんどなので、今回のマイクでは運用がそのままという訳にはいかないかもしれないが、今後はPCに多数のUSB端子が存在して、全てをPCが設定、コントロールしていく時代になるのではないかと思う。
…いや、もうその動きはあるのだが。