ちょいと衝撃的な話になってしまった。
もっとも、そんなに大きな意味はない話だが、私としては避けて欲しかった方向にPS3が進んでしまうようだ。
2010年4月1日1(木)に提供が予定されているPlayStation3システムソフトウェア ver3.21にて、新型PS3(CECH-2000シリーズ)を除く従来モデルのPS3に搭載されていた「他のシステムのインストール」に関する機能を削除するとの事。
従来はLinuxなどの他OSをインストールしてPCのように利用できる環境が準備されていたのだが、とうとうこの機能そのものを白紙にする事を決定した様子。
これで、PS3は名実ともにBlu-rayを視聴可能なゲーム機に成り下がったわけで、他システムへの道は完全に閉ざされてしまった。
確かに画像の新型は、他システムのインストール機能は削除されてしまっていて、旧型のPS3しかその機能を利用する事ができなかった。
何れはこの機能も消えていくのだろうと思ったが、意外と早い決断だったなと感じる。
そもそもPS3が発表された時にはゲーム機の枠には収まらない事を明言していたのだが、結果としてゲーム機に落ち着いてしまい、魅力的な機能がどんどん剥奪されていった。
今でも初期型に搭載されていた機能で惜しいと思っている機能がSACD再生機能で、ドライブが非対応になり、結局初期型以外では削除されてしまった。このSACD再生機能は、Cell B.E.の処理能力を駆使し、正規のSACD再生プレーヤーよりも高音質な再生環境を実現していた。
SACDプレーヤーは、安いものでも10万円近くしていた事を考えると、初期型PS3は格安で最高級の音質を実現できるプレーヤーとなっていたのだが、これは逆に言えばSACD普及の足がかりになったかもしれない機能。それが二代目からは無くなったワケだが、今でも残念で仕方がない機能である。
そして今度は他システムのインストールができなくなったワケであり、これでPS3でできる事はBlu-rayの再生とゲーム、まぁあとはインターネットだけになってしまった。
これではハイエンドなハードウェアを搭載していても、出来ることはXbox360とさほど変わらない事になってしまい、ハードウェアとしての魅力はさらに下回ったと言える。
たしかに大部分の人が利用しないシステムである、他システムのインストール機能は、なくなっても仕方のない話かもしれない。
しかし、PS3の生みの親とも言える久夛良木氏は、今のPS3の姿を見て斬新と思ったりはしないと思う。
当初のPS3の魂はすでにそこになく、結果として利益のためにタダのゲームに成り下げたのが今のPS3と言える。
だからこそ私は思うのである。
PS3はCell B.E.のSPUを7基稼働させているのだが、8基稼働可能な上位機種を出してくれはしないだろうか?
そしてその上位機種にはSACD再生機能を搭載して、当初のPS3が目指した姿に一歩近づいてくれないだろうか?
他システムのインストール機能はついていればラッキーだが、これは管理の問題で難しいというのであれば、なくてもいい。その代わり、torne機能を内包して、録画した動画をBD-Rに書き出し可能にしてくれれば、需要はあるような気がする。
そうすればデジタル家電としてはかなりの魅力があるハードウェアになると思うのだが…。
そんなハードが欲しいという人は、多分私だけではないだろう。
検討して欲しいところだが…無理だろうなぁ…。