ATOK Passportに入ってたら自動更新。
コスト削減できた?
従来パッケージで購入していたATOKを、月額サービスのATOK Passportに切り替えて使用しているが、結果としてそれで良かったと思っている。
パッケージで購入するメリットは、パッケージを購入してしまえばあとは費用がかからない、という事とプレミアム版で購入すれば最新辞書がついてくるという事だが、毎年のようにATOKを更新しているようであれば、その時点でパッケージで購入する意味もなくなり、また、毎年パッケージにバンドルされる電子辞書も内容が変わるというものでもないため、結果としてATOK Passportにした事でムダがなくなるというメリットが出た。
これで年間1/3の費用を削減できたワケだから、今の段階ではこの方法が私にとって良かったという事になるが、電子辞書である広辞苑等の版数が上がったときは、また状況が変わるため、完全にコスト削減できたと言い切るには、まだ早いかも知れない。
さらにデキルようになった
今年更新したATOK 2016は、従来のATOK 2015から比べてもまた賢くなった。
人間の行動を予測する…という面で言えば、既に行きすぎではないかとさえ思えてくる。
今回のATOK 2016は、作業中ウィンドウ上の単語を参考にして最適な変換候補を表示させるという機能を搭載してきた。これを“ATOKインサイト機能”というそうだが、作業中ウィンドウのみならず、バックグラウンドで開いているウィンドウ内の単語すら参照して変換候補の優先度を決めてくる。
つまり、無関係なウィンドウは開いてないだろう的な発想の機能である。
…これ、人によっては変換効率落ちそうな気もするが。
また、これはタッチタイプで入力する人ならわかる話だが、時々ホームポジションがずれてしまい、まるで違う文字を入力してしまった、というケースに対する機能なのだが、その入力をリカバーする機能が搭載された。機能的には“ATOKタイプコレクト”という機能になるそうだが、ATOK 2015と比較して2倍の入力補正になったらしい。
さらにこの誤変換という面でいえば、確定してしまった直後に文字列をBackSpaceキーで削除するなどすれば学習内容を取り消せるという機能も搭載された。この学習内容の取り消しは次回入力の時に何気に便利になる為、有り難い機能と私は思っている。
電子辞書を直接扱う
私がATOKを使用していて一番便利に感じているのは、電子辞書を即座に利用出来るという事であった。変換候補の文字の意味をその場ですぐに辞書で調べられる事の便利さは、物書きにとっては非常に便利なもので、言い回しを変えたい時などの指標の一つにもなる。言い回しを変える場合だけなら、類推変換という手もあるが、ここに類語辞典を入れていると、さらに類語辞典を使っての類推変換ができるというのも便利だ。
だが、仮に類推変換でなかったとしても、辞書がその場ですぐに使えるメリットは計り知れない。
ただこの電子辞書だが、従来はほとんどが変換候補文字を調べる時にしか使えなかった。
GoogleなどのサービスでWebページ上の文字を検索する機能などはあるが、時にはオフライン上のドキュメント文字を調べたいときもあるわけで、そうなったとき、折角電子辞書をPCにインストールしているのにそれが使えないというのは不便である。
しかし、ATOK 2016はそこに切り込んできた。“ATOKイミクル”という機能を搭載し、選択した文字に対してインストールしている電子辞書を利用出来るようにしたのである。
さらに、何も文字を選択していない時は、文字入力できる状態でATOKイミクルが立ち上がり、その場ですぐに意味を調べられる。
調べ物が多い人は実に使える機能ではないかと思う。
気分をリフレッシュ
ATOKを利用していると、他IMEを使用している時から比べればずっと快適に文字入力はできるのだが、それでも長時間にわたって入力していくと、徐々にタイプミスも目立ってくる。
これは単純に人間側の疲労が原因だったりするわけだが、連続して文字を入力している時間や入力文字数、入力ミスの回数などからユーザーの疲労を独自に測定、休憩すべきタイミングを知らせてくれる機能としてATOK 2016には“リフレッシュナビ”という機能が搭載された。
まぁ…一つの指標でしかない機能ではあるが、自分がどれだけタイプミスをしているか、指がどれぐらいの距離を移動したのかなどを数値化してくれる為、参考にはなる。
私は冬の時期になると急激にタイプミスが増えるのだが、長期にデータを採っていけば、もっと違った側面が見えてくるかも知れない。
普通の人はここまで日本語入力に拘る事はないかもしれない。
PCというデバイスからスマートフォンやタブレットにデバイスが変わってきたりすると、それはそれでまた入力スタイルが変わるかもしれない。
そうした中で、私のように未だにPCを使った入力をしていて、それによる更なる入力精度向上を考えたとき、私はもう日本語であるならばATOKを除外する意味がないとすら思っている。
一つの完成したカタチがそこにある。
そう思うワケである。
ただ、ATOKにもできない事はある。
それは手書き入力である。
手書き入力はMetaMoJiのmazecが優秀だと思っているが、MetaMoJiはATOKの創始者が作った会社だけに、その思想は共通したものだ。
どちらを使っても問題ないが、キーボード入力を極めようとするならATOKだ。コレを超えるものはない、と自信を持って断言できる。
使い続けてきたからこそ、そう思える核心がある。