欧州委員会が、米Intelに対し独占禁止法違反の罪で10億6,000万ユーロ(約1,400億円)の罰金を科す判決を下した。
この独占禁止法の話は、かなり前から各国で言われていたことで、内容からするとIntelがPCメーカーや小売業者にリベートを提供し、ライバル会社を市場から締め出そうとした、というものである。
当然の事だが、ライバル会社とはAMDの事で、現在x86互換CPUでほぼ唯一Intelに対抗している半導体メーカーである。
Intelは、Centrinoなどのチップセットを含めたブランドを確立し、そのブランドをPCベンダーが製品に採用した時には宣伝費の一部を支援するなどの策を実施していたわけだが、それが独占禁止法に触れた…という事である。
おそらく、この行為そのものは見方からすればグレーゾーンの事なのだろうと思うが、その行為があからさまだった事がより強く黒く染め上げた結果となったのではないかと思われる。
まぁ、これをやられたAMD側からすれば、世界規模で締め出しを食らったわけだから、黙っていられるわけもなく、米国や欧州で訴訟を起こそうという気にもなるだろう。
今回、欧州委員会がAMDの訴訟に対し正当なものと判定したワケだが、当然Intelは即日に異議申立てを行った。
おそらく泥仕合になるだろう事は往々にして想像できるが、Intelの行動を完全に正当化してしまうと、巨額の予算を投入したものが市場を制するという、ある意味競争社会の終焉を意味してしまう。
Intelの製品がこの世でもっとも優れていて他と比較して勝負にならないほどのコストパフォーマンスを持っていたとするならば市場の圧倒的優位は揺るがないだろうが、Core2プラットフォームは明らかにAMDのAthlon XPの方向に転換した結果であり、Intelが唯一という事はない事は証明されている。その状況であってもIntelの圧倒的優位が揺るがないのであれば、やはり販売という部分でほぼ独占状態を作り上げたその方法に問題があるのだろうし、何かしらの形でそれらを抑止する方向に向かわないといけない。
個人的には3社が均等に争ってくれるとありがたいと思っている。
IntelとAMD、そして今もっとも考えられるのがNVIDIAだ。
CPUとGPUの融合がこの先進めば、私の希望も叶うのかもしれない。
AMD派の私としては喜ぶべき事かと言うと、そうでもなかったり。
CPUを代表するチップの業界は競争する事で発展して来たのは疑いようのない事だし。
販売面で差を付けられていたAMDがこれを機に王者Intelに接近して、より競争が激化すれば面白いですね。
どちらかを堕とすのでは無く、どちらも高め合う好敵手になって欲しいもんです(現実的じゃありませんが)。
…その結果、ユーザーが付いて行けなくなるかも知れませんがw
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Intelがここで罰金を受けたとしても、大きな影響にはならないでしょう。
市場だっていきなりの方向転換はないだろうし。
AMDがいきなり有利、そこまでいかなくても互角になる…という事もないでしょう。
それは、AMDが今大きな壁にぶつかっいるからです。
自社をファブレスとした事で、分割した製造メーカーがx86互換チップのライセンスを持っていないという事がAMDの躍進を妨げる事になりそうです。
AMDはまずそこを解決しないとIntelと互角に勝負できないのではないかと…
ライセンスがらみの問題はむずかしい話になりますな。
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