AMDの次世代CPUとGPUはこの秋に正式発表される事が判明した。ある意味、予定通り。
公式Twitterで
AMDが公式Twitterで次期CPUである「Zen3」を10月8日に、次期GPUである「RDNA2」は10月28日に正式発表すると予告した。
A new era of leadership performance across computing and graphics is coming. The journey begins on October 8. pic.twitter.com/58I288iN30
— AMD (@AMD) September 9, 2020
It’s going to be an exciting fall for gamers… time to start a new journey with @AMDRyzen Zen3 and @Radeon RDNA2 pic.twitter.com/O9SXvLo4y0
— Lisa Su (@LisaSu) September 9, 2020
前々から、噂でも秋には正式発表するだろうと言われていただけに、順当に発表するのだな、という、ある意味驚きも何もない話ではあるが、これでIntelの次世代と真っ向勝負する準備は整った、という事を示しているように見える。
Intelも9月3日に第11世代のCoreシリーズ「Tiger Lake」と新プラットフォーム「Intel Evo platform」を発表し、内蔵GPUにXeシリーズを搭載した新CPUを情報公開したが、「Tiger Lake」はあくまでもモバイル用途のもので、今回のAMDの「Zen3」とは多少方向性の異なるものとなる。
だが、AMDからするとこの「Zen3」を中核としたモバイル用のAPUも投入していくだろうと考えられるので、まずは基本となる「Zen3」アーキテクチャを世に送り出す事が重要と考えていても不思議ではない。
「Zen3」だが、CPUを内蔵する最小単位であるCCXの構成が変わるとされている。
「Zen2」まではCCXとして構成する中には最大で4CPUが内蔵されていたが「Zen3」では最大8CPUと倍化する。しかもそのCCX内のコア数を1コアから8コアまで柔軟に増減できるようで、従来6コア仕様だった製品はCCXを1基で構成でき、8コアの製品でもCCXを1基で構成するこ都ができるうよになる。
さらにL3キャッシュはこのCCXに付随するものになるので、L3キャッシュを増量した製品の場合は、あえてCCXの数を増やしてDisableとするCPUを調整すれば、望みの数のCPUを実現しつつL3キャッシュを増量したモデルを作る事ができる。
さらに、デスクトップ向けのハイエンドクラスは、10コア、12コア、14コア、16コアと、実際に製造されるかはわからないものの、CPUの数を微妙に調整したモデルも理論的には可能になる。
これによって、より柔軟にマルチコア製品を展開できるようにした背景には、Intel製CPUと柔軟に戦っていける状態を作りだそうという意図からかもしれない(ホントのところはわからない)。
RDNA2はまだよくわからない
いろいろな情報が漏れてくるZen3と異なり、GPUであるRDNA2の情報は未だよくわからない。
次世代のRDNA2は、おそらくRadeon RX 6000シリーズになると思われるが、現時点ではEngineering Sampleと見られるカード写真がVideoCardzに投稿されている。
VideoCardz
https://videocardz.com/newz/alleged-amd-radeon-rx-6000-engineering-sample-spotted
この写真によると、GPUに巨大なサイドフローのファンが取り付けられていてちょっと驚くが、製品版ではもっと小型のファンへと切り替えられるだろう。
問題はソコではなく、メモリチップを見てみると、Samsungの16Gbitのチップが3+3+2の計8枚搭載されている事がわかる。計算上16GBのVRAMが搭載される事がここから予測されるが、それはおそらく多数ある1つのグレードの話だろう。
また、搭載されている電源コネクタは、少なくとも2つ存在し、そのウチの1つは8pinと考えられる。
NVIDIAのGeForce RTX 3000シリーズも大電力消費カードになる事が予想されているが、Radeon RX 6000シリーズも、それなりに電力を消費するカードになるような感じではある。
しかしながら、このRadeon RX 6000シリーズのコアたるRDNA2は、Xbox Series XやPlayStation5に搭載されるGPUと同じアーキテクチャなので、性能次第では相当に電力を削減できる事は間違いない。
そういう意味では、製品バリエーションで最適なカードを選びやすいのはGeForceよりもRadeonになるかもしれない。
もっとも、GeForceもエントリークラスは出してくるだろうから、最終的には発売する製品でベンチマークをとってみないとわからない話ではあるが。
どうなる? Fluid Motion
Zen3が思ったより早く登場する事となり、私のメインPCの切り替えにおける予定がまたしてもアップデートする事になる。
今のままだと、次はZen3を選択する事になるかもしれない。それはそれで良いのだが、組み合わせるGPUに関しては迷う事になりそうだ。
理由は、RDNA2アーキテクチャでFluid Motionが活かされる保証がないという事。個人的にはレイトレーシングよりFluid Motionを活かして欲しいとすら思っているのだが、日本にしか需要がない、という事らしいので、どんどん淘汰されていくのではないかと思う。
個人的には、フレームを自動生成する機能をGPUで実現するというのは、ゲーム以外でもGPUを活かす方法としてとても良い使い方だと思っているのだが、どうしてもGPUの主力的使用方法がゲームになってしまうので、これら機能の意義すら薄くなってしまうのは残念でしかたがない。
RDNA2でも、おそらく実現できる機能と思われるので、できればFluid Motionをこのまま残して活かして欲しいと思うのだが…NVIDIAと差別化しようよ(爆)