Radeon RX 6900XTが12月8日より発売される。1,499ドルのライバルをどこまで追い詰める事ができるのか?
RDNA2の最上位
AMDからRadeon RX 6900XTがいよいよ発売される。おそらく、弾数が少なすぎて、なかなか入手は難しいかもしれないが、とりあえずは正式発売である。
日本円ではAsRockから税別で129,800円との事なので、以前から言われていた大凡の予想価格どおりの提供になりそうである。
80基のコンピュートユニット、5,120基のストリーミングプロセッサ、320基のテクスチャユニット、80基のレイアクセラレータ、128MBのInfinity Cacheを備えた製品で、VRAMは16Gbps動作のGDDR6メモリを16GB搭載している。
メモリ帯域幅は256bitとハイエンドとしては決して広い帯域を持っているわけではないのだが、それを補うのがInfinity Cacheである。
このスペックでTBP(Total Board Powe)は300wとライバルであるGeForce RTX 3090よりは500ドルほど安い価格で提供されるのだから、お買い得感は高い。
但し、本当にそう感じるかどうかは、GeForce RTX 3090との性能が拮抗していれば、の話である。
ハイエンドだがコンパクト
実際の性能は、下記の動画等が参考になる。
他にも下記のサイトにもベンチマークされているので、参考にしてもらいたい。
impress PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1293393.html
性能的にはGeForce RTX 3090に若干及ばない感じではあるが、それで500ドル安いという事を考えればコストパフォーマンス的には十二分な性能かもしれない。
しかも、比較対象によってはGeForce RTX 3090を超えるスコアを出しているケースもあるので、もっとソフトウェア的に最適化が進めば、さらに性能は向上する可能性もある。
但し、以前から言われていたようにレイトレーシング性能に関しては専用ユニットを限定している関係からGeForce RTX 3090の半分くらいの性能しかないかもしれないが、そもそも対応ソフトもそんなに多くないので、価格的に考えれば現時点では十二分な性能ではないかとも言える。
さらに特筆すべきはその消費電力でGeForce RTX 3090よりは50~100wほど低い電力で動作させられる事である。それに伴い、製品自体もGeForce RTX 3090よりは小さく、ハイエンドと言いつつも標準品のような扱いができるのもメリットかもしれない。
ただ…どう考えてもRadeon RX 6800XTの方がよりコストパフォーマンスが良く、この性能差で6900XTと6800XTがあったなら、ほとんどの人は6800XTを選びそうな、そんな感じもする。
6900XTと6800XTの性能差が10%なら、その価格差も10%だと納得できるという人も多いのではないかと思うが…。
問題は入手性
Radeon RX 6900XTは、価格さえ許容できれば実に好ましい製品と言えるが、一つ問題があるとすると、それは入手性である。
AMDの関係する半導体は、全てが台湾TSMCの7nmプロセスで製造されているため、製造ラインが逼迫していると考えられる。Ryzen 5000シリーズ、PlayStation5、Xbox Series X/S、これらも同じであり、現時点で品薄状態になっている事は明らかである。
この中にRadeon RX 6000シリーズも加わるわけで、一体どこまで生産できるかを考えると、非常に難しい話になってくるように思われる。
最上位のRadeon RX 6900XTは、下位モデルであるRX 6800XT、6800と比較すると、その生産数はさらに少ないと考えられるので、より入手性は厳しいだろう。
私としては、そうした入手性がクリアになるのは、おそらく来年の3月くらいではないかと予想しているので、もし私の予想が当たるようであれば、PCを新たに組むのは来年3月ごろが良いのかも知れない。
ま、私の予想など当たって欲しくはないのだが…PS5のあの過熱ぶりを見ていると、そう思えてならない。
早い所、生産が安定する事に期待したい。