現在あるMacBook Pro 2020 Intelを処分し、Windows11ノートPCにしようかと。
Intelに拘らない
当Blogにおいて、5月22日に「理想に近いノートPCを見つけた」と題し、DellのノートPCを挙げた記事を書いたが、その後、本当にそれで良いのかを再検証してみた。
というのも、私が異様にIntel第12世代に拘っているところがあり、普段AMD推しの私なのになぜこうも第12世代に拘るのか、と改めて自分を問い直したわけである。
Intel第12世代、つまりAlder Lakeを推すのは、BigLITTLE戦略にも通じる、高性能コア+高効率コアの組合せによる、タスク割り振りの最適化とそれによる省電力化が従来よりずっと進化しているからだ。ビジネス系ソフトを使う為に、高性能コアはほぼ不要で、高度な演算を必要とする時以外であれば、高効率なコアを多数動作させて処理させる方が動作光立が良いという事が分かっている。
だからIntelは高性能コア2コア+高効率コア8コアの計10コアを搭載したCore i7-1255UというCPUを15WレンジのCPUの頂点に用意した。
一方、AMDのRyzen 5000シリーズのモバイル版では、Ryzen7 5825Uという8コアのCPUを同じく15Wのレンジに持ってきた。AMDのRyzen7 5825Uは8コアではあるが、全てのコアでSimultaneous Multi Threading、つまりIntelでいうところのHyper-Threading機能が使えるため、最大16スレッドで命令を処理できる。
IntelのCore i7-1255Uでは、高性能コアである2コア分のみHyper-Threading機能が使えるため、高効率コア4スレッド+高効率コア8スレッドで最大12スレッドでの命令処理にしかならない。
だが、スレッド数が少ないからIntelが不利という事ではない。Intelはその分物理コア数が多いので、論理コアが苦手とする命令であっても、物理コアが効率良く処理するという寸法である。
つまり、Core i7-1255UとRyzen7 5825Uでは、高負荷へのアプローチが全く異なる性質のCPUなので、一概にどちらが高性能だ、とは言いにくい側面がある。
もっとも、シングルコアでの処理性能はIntelのAlder Lakeが優れている事は明白で、AMDはどうしてもマルチコア性能でしか優位性を語れない。
私が理想とした前述のDellの14インチノートPCは、このCore i7-1255Uを搭載したモデルとRyzen7 5825Uを搭載したモデルが存在しているのだが、今まではCore i7-1255Uを搭載したモデルしか観ていなかったのである。
ではRyzen7 5825Uを搭載したモデルはどうなのか?
CPUの違いがそのまま反映
Dellの今発売されている14インチノートPCは、Inspiron 14というシリーズなのだが、このシリーズには世代毎に番号が付けられている。
今のInspiron 14は5400シリーズで、Core i7-1255Uを搭載したモデルが5420という番号が付けられており、Ryzen7 5825Uを搭載したモデルは5425という番号が付けられている。
5420の価格から比べて、5425は2万円ほど安い設定になっている。Intelモデルの方だけがなぜかストレージが1TBという大容量モデルが用意されていて、AMDモデルはストレージは最大512GBまでという差はあるのだが、全般的にAMDモデルの方が圧倒的に価格は安い。
そして搭載しているCPUとストレージ量以外の差は何もない。詳しく見ていけば、当然マザーボードが異なるハズなので、仕様が違うとは思うが、使える機能としてのインターフェースはどちらも同じものを用意している。
なので、消費者サイドは単純にCore i7-1255Uが良いのか、それともRyzen7 5825Uが良いのかだけを判断して、価格優先で決めてしまうのか、それともブランドで決めてしまうのか、判断すれば良い、
実際、私がBTOしてみたのが以下である。
今回はストレージ量を同一の512GBに統一している。
Inspiron 14 Intel 115,823円(20%OFF価格)
https://dell.to/3aLdgGS
Inspiron 14 AMD 94,223円(20%OFF価格)
https://dell.to/3zxc7NE
こうして見ると、2万円安いAMDモデルで十分なのではないかという気になってくる。
どちらが良いとは言えない
ココからは考え方の違いで答えが変わる話なので、注意されたい。
先程の5420モデルと5425モデル、価格が安いAMDモデルの方が、断然お得なのではないかという考え方の基準は、マルチコア性能ではRyzen7 5825Uの方が上であり、実作業ではシングルコアのみの性能で利用する事はない、という前提に立った考え方である。
一方、2万円ほど高いCore i7-1255Uを搭載したモデルの方が最終的にはお買い得ではないか、という考え方の基準は、そもそもほとんどの処理は高効率コアで済んでしまい、重作業の時にシングルコアの性能の高さがモノを言う、という考え方にある。この事で、普段は高効率コアで省電力で動作し、重作業の時だけシングルコア性能の高い高性能コアで処理を行いパフォーマンスを発揮すれば良い、という事で、これならバッテリー持続時間も長くなり、使い勝手が向上する、という事になる。
だが、Windowsはマルチタスク処理を行うOSなので、結局はほとんどの時に複数のコアが同時に動いている。だからいつ如何なる時にもマルチスレッド処理が瞬時に発揮できる状態が望ましいと言えば、確かにその通りなのである。
AMDはこの事から、BigLITTLE戦略に則ったCPUではなく、全て同一コアを搭載したCPUの熱管理と電力管理をシビアに行う事で、省電力化と高性能化を達成させる事を考えている。
高性能と高効率を両立させるアプローチが異なるので、どちらが一概に良いかとは言いにくいところがある。
なので、これら両方の利点を知った上で、自分の好みのパターンで選ぶというのがもっとも良い判断かもしれない。
さらなる付加情報
あと、もう一つ情報を付け加えるなら、内蔵GPUの性能についてだが、これも機能的にはほぼ互角と言えるところがあるが、絶対性能をベンチマークで測ると、IntelのXe-LPの方が若干良いスコアとして計上される。ただ、AMDのRyzen7 5825Uに搭載されているのはVegaアーキテクチャのGPUなので、Fluid Motionがまだ使えるという点も判断材料になれば特徴と言える。
GPUまで含めた総合的性能で行くと、Intel Core i7-1255Uを搭載したモデルの方が若干高性能と言えるかも知れないが、おそらく気にするレベルの違いとは言えない程度である。
それこそ、重作業をさせれば…という事になるが、その重作業をさせると、AMDのRyzen7 5825Uの方がマルチコア性能は上なので、差が見えなくなってしまう。
実に悩ましい2台である。
というわけで、私の場合、AMDコア搭載の5425モデルでも問題ないのではないかと言える。
そうなると10万円以下で購入するコトができるので、場合によっては現在のMacBook Proの買い取り価格で大凡賄えてしまう可能性がある。
これはちょっと本格的に考えて見るか?