今日の話題としてコレを挙げている人も多いのではないかと思うが、私も一応県内の人間として取り上げねばならないと思い、あえて今日はこの話題を取り上げることにする。
今日の朝8時頃、中央道笹子トンネル大月側1.7km奧ほどで、コンクリート製の天板が50~60mの間で崩落する、という事件が起きた。
天板は1枚1.2m×5m×8cmで重さは約1.2tというものだが、それらが約100枚に渡って崩落したとみられる。
問題は崩落しただけでなく、その下敷きになった車があったという事。県警や消防によると、車2台が下敷きになり、別の1台で火災が発生した。3台はレンタカーのワゴン車、トラック、軽自動車と見られ、ワゴン車に乗っていた女性が一人、自力で脱出してきているらしい。7人が行方不明の可能性アリという状態だったものの、崩落の危険性から救助を一時中断した、という報道も…。
詳しい状況は時系列での情報を見てもらった方が早いかもしれない。
以下の検索では載せられたニュースの時間も記録されているため、時系列で何が報道されたのかが分かる。
ANN テレ朝ニュース 笹子トンネル 検索結果
http://j.mp/Vd9QZr
少なくとも3人の焼死体が発見され、トンネル内に一人重体者がいるようだ。
ちなみに、以下が午後8時頃の報道(私が探した最新の動画)。
現在も依然として捜索活動を続けているという事だが、被害に遭われた方のご冥福をお祈りしたい。
この笹子トンネル、私は長い間疑問に思っていた事がある。
通常のトンネルと違い、天井がやたらと低いのである。普通、トンネルは丸く穴を掘っていく為、円形の天井をしているものだが、笹子トンネルは天井が真っ平ら、つまり天板が張り巡らされている。私はこの天板はトンネル側面にアンカー打ちなどで固定しているものと思っていたのだが、どうもそれは違っていて、さらに上の天井から吊していて、その上の空間は通風口として空洞になっているのだという。今回、その天井をふさいでいた天板が崩落したワケだが、何故このような構造をしていたのだろうか?
おそらく全長4.45kmにも渡る長さ故に、途中の換気を考えて道路と通気口を仕切ったのかもしれない。だが、それは同時に今回のような事故が起こるリスクは避けられない。全長が長ければ長いほど、あらゆる側面から考えてのリスクが増える事は間違いないが、構造的にこの方法しかなかったのかが気になる所だ。
私はかつて前々々職の時に、山梨リニア実験線の笹子トンネル建設の仕事をしていた事がある。だから当時のトンネルがどのように作られるかはある程度知っている。今はその工法と異なるさらに進化した工法のようだが、結局は岩盤質のトンネルは掘削機と発破(ダイナマイト)によって掘っていき、セントルと呼ばれる施工機でコンクリート施工していく事になる。
実はリニア実験線のトンネルを作っている時も、コンクリート天井が落下するという事故があった。ケガ人も出なかったし被害は最小限に留まったが、トンネルというものが如何に危険をはらんだ構造物かという事をまざまざと知る機会だった。
今回の笹子トンネルの事件によって、より安全なトンネルにしていく為に必要な措置がより研究され、今後同じような事故が起きない事を祈りたい。
あと余談になるが、私が笹子トンネルで今までかなり気になっていた事が一つある。
週末の夕方に中央道笹子トンネルはトンネル入口で車線規制を行い一車線にして、トンネル入ったすぐのところで二車線にするという事をしている。トンネル内で渋滞させない為の措置なのかもしれないが、この一車線の車線規制のおかげで中央道の勝沼ICから西にとてつもない渋滞が発生する。
だが、結局トンネル内も一車線にするワケでなく、トンネルに入った途端に二車線化している為、その事そのものに何の意味があるのか分からないのである。
単純にトンネル内に渋滞を作らない為なのか?
普通に考えればおそらくその意味が強いのだろうが、もしそういう意味ならば、長距離トンネルではほとんどがそうした措置が執られているハズだ。
だが…意味は異なるかもしれないが、私が知る限りトンネル前で規制を入れるのは同じく中央道の八王子近くにある小仏トンネルくらいである。ただ、この小仏トンネルの場合は、八王子ICの渋滞を防ぐ為の措置という考え方もできるし、圏央道が出来てからは車の流れが変わったため、以前ほどの渋滞になっていないのかもしれない。
私が思っているだけかもしれないが、笹子トンネルは謎がある。
隠しておきたい何かがあるのかもしれないし、今回の事故の原因がそれに関係しているのかもしれない。もっとも、私のタダの推測にしか過ぎない為、隠しておきたいものそのものがないのかもしれない。だが事件は起きた。これは紛れもない事実であり、その事件が起きた原因は究明されなければならない。
同様式で作られたトンネルの為にも、それらの事実と原因は必要な情報だと言える。