MacBook Proの異変が治らない。それならばと思い切って行動に出てみた。
一か八かの賭け
MacBook Proの動作が重く、またParallels Desktop16の上のWindows10の動きもどうもオカシイ…。これらが一向に解決に向かわないので、ネットでいろいろと情報を探っていくと、妙な情報に行き当たった。
Big Surの不具合の報告に併せて、その前のOS、つまりCatalinaの動作まで遅くなった、などという書き込みを見つけたのである。
詳細はわからないが、Appleが各Macの起動アプリケーションの状況を把握するため、一部のデータを特定のサーバに吸い上げている、という噂があるらしい。で、今回のBig Surの不具合によって、それらのサーバへのアクセス負荷が高まり、Mac全体の動作が重くなっているような話があるというのである。
正直、俄には信じられない話だが、確かに私のMacBook Proの動作が重くなったと感じるようになったのは、Big Sur公開前後くらいからで、こうした事態は今回のBig Surだけでなく以前にもあった、というのである。
こうなると、何をやってもダメじゃないか、という事になるわけだが、こうした情報の中に紛れて、Big Surにアッブデートした後に、今までより軽快にアプリケーションが動作した、という報告も混ざっていたのである。
相反する情報が混在するぐらいに混迷している今のMacの状況にあると、一度沈静化するまで待つというのも一つの方法なのだが、もう一つの方法としては、状況が好転したという情報に乗っかってしまうというのもある。待つという消極的な方法も良いが、能動的な方法で活路を見出すという方法は、危険もあるが早く状況を好転させる可能性もあるので、ここは思い切ってBig SurにOSをアッブデートしてみる事にした。
Big Surまでの道のり
Catalinaがインストールされている私のMacBook Proは、起動すると毎回のようにOSのアップデートをするよう薦めてくる。今まではこの情報を完全スルーしていたのだが、アップデートを決めたので、思い切ってこの情報からOSのアッブデートを実行してみた。
一つ、注意しなければならないのは、基本的にはデータのバックアップを取っておいた方が良いという事である。私はそもそもMacBook Pro内に入れている自分のデータがメール以外はほぼ存在しないので、ここで思い切ってアッブデートを開始したが、TimeMachine等を使用してデータのバックアップをとる事を私は強くオススメする。私の様なやり方はあまりにも無謀である。
CatalinaからBig Surへとアッブデートする際、パスワードの入力等を求められるが、基本的にはパスワードの入力くらいしかやることはない。ほとんどは次に進めるクリックを数回行うだけだが、これが実に不安を感じる行為だったりする。
というのも、Big Surのデータをダウンロードしている間は良いのだが、いざインストールが開始された後は、真っ黒な画面の中央に表示された白いリンゴマークを目の前にして、進捗バーを眺めるだけになるからだ。
しかもこの進捗バーの進みが極端に遅い。全体の30%くらい進んだ所で、結構長時間に渡って止まったままの状態が続くのである。
正直、固まったか? とさえ思える状況になるが、ここはグッとこらえて静かに進捗するのを待つ必要がある。
その後、何度か再起動をして、総計すれば約30分ほどでアップデートは終了する。
終了した後は、Big Surが起動した直後という事もあり、何かしようとすると全てに対してアクセス許可を求めてくる。特にシステムに関係するようなアプリケーションを実行しようとすると、顕著にアクセス許可を求めてくる。OSが完全に新しくなったことを実感する。ここにきて、ようやく無事にBig Surに切り替わったと感じるだろう。
思いがけない罠
調べたなかった私が悪いのだが、Big Surにアップデートした事でセキュリティに問題が発生した。
正確には、OS的には問題はないのだが、インストールしていたESET CYBER SECURITYがまだBig Surに対応していなかったのである。一応11月下旬には対応版が出てくるという事らしい。
他にBig Surに対応していないソフトは今の所見つかってはいないが、Appleの基本ソフトのいくつかはアップデートを要求している。iMovieなどがそれに当たる。これらはアッブデートしてやればBig Surに対応するので特に困る事はないだろう。
そして私が業務で使用する事になるParallels Desktop16だが、このBigSurにアップデートした後に起動させると、アッブデートが必要と出てくる。Parallels Desktop16はBig Surに対応したバージョンと言われていたが、いくつかアップデートがあったようだ。
このアップデートを終わらせ、いよいよWindows10を起動してみると、たしかに以前よりは早く起動するようになったと言えるが、まだ馴染んでいないのか、いくつかツールのアッブデートが実行される。その後、Windows10として扱う事ができたので、いろいろテストしてみたが、Office365のファイル起動失敗は発生しなった。どうやら不具合解決が見えてきたようである。
エイリアス作り直し
一通りのテストをしてみたが、Big Surの動作は良好で、たしかにCatalinaよりも動作は軽快に感じる。おそらく、AppleもBig Surに関しては基本的なところから見直しをしているのだろう。全体的な動作は軽くなったと言って差し支えないのかもしれない。
ただ、一つ理解できないのは、デスクトップ上に作ったフォルダ内に入れていたエイリアス…Windows的な言葉でいうなら、ショートカットのアイコンが全て白紙ファイルのものになっていて、未分類のファイルとして認識されていた、という事である。
エイリアスそのものは、今までのものと何も変わらないハズなのだが、OS上では別モノと判断したのか、新たに作り直さないとエイリアスと認識していないようであった。おそらくBig Surによってアイコンデータを一新した事から、従来のエイリアスと異なるもの、と判断されているのかもしれない。
このエイリアスの作り直しという問題はあったが、それ以外ではESETが未対応だったぐらいで、その他に問題は今の所見当たらない。
思った以上にBig Surは使い勝手が良い事がわかったが、これは今年発売されたMacだから言える事であり、未だ過去のMacにBig Surをインストールして無事に動作するかどうかはやってみないとわからないという問題か顕在している。
私は、このBig Surのアップデート問題の中心には、AppleのT2チップが関与しているのではないかと予想しているが、T2チップを搭載しているMacにも問題は発生している事例もあるようなので、必ずしもT2チップだけの問題とは言えないのかもしれない。
Appleとしても、鳴り物入りで全面改修したOSとしてBig Surを打ち出した以上、早いところ諸問題を解決して沈静化させて欲しいものである。