NVIDIAの新型GPUが既に出回り始めている。
いつもならハイエンド製品から登場するハズのGPU業界としては珍しく、Maxwellはミドルレンジから登場した。何故そういう流れになったのだろうか?
Kepler比200%のワットパフォーマンス
Keplerはもともと電力当たりの性能を高める事ができる設計で作られていたが、今回のMaxwellではさらにその効率を高める設計が採られた。
Keplerでは192基のStream Processor(SP)を束ねて1つのユニットを構成するよう設計されていたが、Maxwellではロジックスケジュールの効率を見直ししつつ、32基のSPを4つ束ねたものを1つのユニットとして構成する形を採った。

なぜ192基から32基と細かく分割し、また4ユニット構成にしたのかはわからないが、この新しい構成だと、Keplerから比べても全体のSP数は66%に減じている。
減じているから、当然消費電力も少なくなっているわけだが、普通に考えればこれで演算能力も減ってしまう事になる。
しかし、Maxwellでは66%比のSP数でありながらKepler比で性能は35%向上している為、結果的に電力効率が2倍に達した。
なんとも不思議な話である。
ちなみにもっとわかりやすい例で考えると、GeForce GTX 480と同じ性能を、60wのTDPで達成出来るという事である。実際、今回投入された新製品であるGeForce GTX 750Tiは補助電源が不要で、大きな冷却機構を持たずともかなりの処理を任せられるGPUになったと言える。
今回投入されたGeForce GTX 750Tiは、SP数640基、ベースクロック1,020MHz、ブーストクロック1,085MHz、テクスチャユニット数40基、ROP数16基という構成で、一昔前ならミドルハイの名を通り越して第一線級のビデオカードと言える仕様だ。ただし、メモリは128bit接続で5,400MHz駆動のGDDR5 2GB搭載となっていて、メモリアクセスに関して多少ボトルネックがあると言える。ただそれでもこの構成てTDP60wはとても優秀な結果と言える。
なぜミドルレンジから?
ココからは私が単純に考えている予測の話をする。
今回のMaxwellがなぜミドルレンジから発売されたのかという事を考える上で、決して無視してはいけない存在がAMDの専用APIであるMantleではないかと思っている。
Mantleは、GNCを採用したRadeonで実現可能な専用APIで、Radeonの為のAPIというよりは、AMDのAPUとRadeonを組み合わせて使った時のグラフィック分散処理をより効率化したもの、というものだが、それによって最大45%近く性能が向上すると謳われた。このインパクトはとてつもなく大きく、一般消費者に訴求する上ではとても強力な武器になっている。ともすれば、NVIDIAも何とか大衆を味方に付ける必要があるワケで、最初にミドルレンジ製品を投入してきた…という可能性が考えられる。
今までと価格据置で性能が2倍近くになるのだから、従来ユーザーの中でも気になっている人は多いのではないかと思う。
ただ、やはり自作PCユーザーからすると、そのメーカーのハイエンド製品がいち早く知りたいわけで、そこで競合他社とどれだけの差がでるかが気になるところ。
しかし、現時点でMaxwellのハイエンド仕様はまだ発売されるという話が表立って出ておらず、ようやく出てきたのは、GeForce GTX Titan Blackという、GK110コアの全てのSMXを有効化した製品だった。
これは残念な話ではあるものの、実の所現在のKeplerであっても、ライバルのRadeon R9 290Xよりはワットパフォーマンスは高いため、NVIDIA的にはMaxwellでなくても問題はないとしているのかもしれない。
但し、このワットパフォーマンスはMantleを使用しての比較ではないため、Mantleで最大のパフォーマンスを発揮できる状態だと、同程度のワットパフォーマンスになるのかもしれない。


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