やはり存在していた。
16コア/32スレッドのRyzen
5月27日の記事にも書いたが、AMDは7月7日に7nmプロセスで製造したZen2アーキテクチャの第3世代Ryzenを発売する。
その際、最上位モデルは12コア/24スレッドのRyzen9 3900Xとなると書いたが、16コア/32スレッドのRyzen9が登場しても不思議ではないというような事も書いた。
理由は単純で、CPU Chipletが2個搭載されていて、それらが全て有効化されているコアであれば16コア/32スレッドのモデルになるからである。
当初、歩留りの影響を考えて12コア/24スレッドの3900Xを最上位にしていたのかもしれないが、もし歩留りが良ければ、或いは良くなっていけば、必然的にその上位モデルが登場しても何ら不思議ではないわけである。
私がそう思うくらいだから、おそらく世界中のこうした分野に生きている人も想定していたのだろうと思うが、やはり、Ryzen9 3950Xという16コア/32スレッドモデルが正式に発表された。
クロックは下回る
発表によると、Ryzen9 3950Xは、16コア/32スレッドを実装しながらも、その定格周波数は3.5GHzに留まり、Boost周波数が4.7GHzになる。搭載しているキャッシュメモリ量、TDP、対応メモリは全て3900Xと同等なので、単純に搭載コアとスレッド数が増え、動作周波数が搭載コア数を考慮して低めに変更しているような形だ。
ただ、動作させているコア数が増えれば、当然消費電力も増加するのが普通である。にもかかわらず、今の所TDPは105Wと3900Xと同等とされているところは、やや不思議に思える部分でもある。
また、動作コアが密集する状況でありながら、Boost周波数が100MHz高い4.7GHzに設定されているのも、少し変な違和感を感じる。
恐らく、発売された後にワットチェッカーなどで調べれば、105Wは越えていくように思えるのだが、とりあえずシートスペックではこのような設定になっている。
決め手はIntelの動向か?
このRyzen9 3950Xだが、私は当初、その登場はIntelの動向次第ではないか? と考えていた。
というのも、Intelがある程度高性能なCPUを投入してきたときのカウンター用製品として過去にも最上位版をラインナップした事があるからだ。
また、既存のThreadripperとの棲み分けという問題も出てくる。ThreadripperはRyzenよりさらに上の層を狙ったデスクトップ版CPUだが、第2世代Ryzenまでは16コアはThreadripperの領域である。
だから、ライバルたるIntelがRyzen9 3900Xより上位の高性能CPUをAMDにぶつけてこなければ、AMD側としては慌ててさらなる高性能CPUの投入をする必要が無い、と考えた。
しかし、AMDは私の様な考え方ではなかったようだ。
「技術的にはフルスペック版Ryzen9の製造は可能」というその理由の通り、最上位版をぶつけてきた。
ある意味、Intelから何が出てきても対応できる、という自信の表れが、Ryzen9 3950Xに込められているように思える。
また、Windows10 May 2019 updateから、Zen系CPUアーキテクチャへの最適化がされるそうで、スレッド割り当てがCCX(Zen系CPUコアの最小単位)を意識したふるまいをするなどの拡張が行なわれる。これにより、Zen系の多コアCPUではより効率的に処理が出来る様になるわけで、今まで以上に高性能に感じる事ができるようになるだろう。
ココまで来ると、Ryzenを使わない手はない、と思えてしまう。
今後のAMDはもっと期待できるのではないだろうか?


最近のコメント