先日から当BlogでもネタにしてきたRyzen 5000シリーズが遂に発売された。
上位種は即完売の様子
11月6日の19時に、遂にRyzen 5000シリーズが販売開始となり、秋葉原を中心に行列などができた。各技術系サイトでもカウントダウン配信などを行ったりして、発売と同時にその性能をレビューしたりして、その性能の高さを公開している。
単にテストレビューという事よりも、生配信によって実際に動作させているところをリアルタイムに配信した事で、その性能の高さが明確にわかったわけだが、事前レビューと同様に、ほぼIntelの同格CPUと同等からそれ以上の性能をSingle、Multiともに発揮する事が明確になった。
特徴的なのは、負荷が高くなればなるほどRyzen 5000シリーズが有利になるという事。Singleスレッドの性能もIntelを超えている事もあってか、特に複雑な演算でその性能差が顕著に表れるという結果となった。
もちろん、各種のテストでそれぞれ得手不得手は存在するが、今回の5000シリーズのIPCが高いという事が事実である事はどのテストを見てもわかる結果だったと言える。
これなら、ゲーム用途でもIntelからAMDに乗り換えてもいいかもしれない。
特に私が驚いたのは、Intelの処理が確実に有利に出ると言われてきたFF14のベンチマークテストにおいて、Ryzen 5000シリーズがIntelコアを確実に上回ってきたという事。これだけでも今回のRyzen 5000シリーズがゲーム用途でも強いという事をよく表していると思う。
間違いなく、今回のRyzen 5000シリーズはPCの乗り換えに関して最適なCPUと言えると思う。
各メーカーの現状
今回のRyzen 5000シリーズが発売された事で、各PCパーツメーカーもいろいろな製品を再アピールするタイミングとなった。
というのも、今回のRyzen 5000シリーズは従来のマザーボードのチップセットがBIOSのアップデートで利用可能になり、新シリーズのチップセットの公開がないからだ。
そんなワケで、各社アピールしたいポイントが異なっていて、とあるメーカーは既存製品の再アピール、あるメーカーはこのタイミングで既存チップセットの新製品を出したりと、実にいろいろ事情が異なる。
そんなワケで、impressではそうしたメーカーの声を発信しつつ、Ryzen 5000シリーズのカウントダウンの記念特番配信を行った。
impress Watch AMD HEROES WORLD 番外編
この動画、3時間40分を超えるものだが、各社の製品の特徴なども知れて意外と面白かったと思っている。限られた基本互換性の中で、如何に便利に、如何に特徴のある製品を生み出していくのかなど、見所も多かった様に思う。
あと、動画の2時間5分ごろから始まる、AMD HEROES WORLDに出演中の鈴木咲女史が自作PCに挑戦するというのも面白かった。イマドキのPCを自作するという点でも初心者には参考になるのではないかと思う。
熱処理の難しさ
今回のRyzen 5000シリーズでは、CPUクーラーの能力において、Ryzen9 5900XよりもRyzen7 5800Xの方が高い冷却能力を持つものを必要とするというのも興味深い話である。
これは、内部の構成による違いで、Ryzen7 5800Xは1つのCCXで8コアを構成しているので、その1つのCCXがフル稼働する関係から熱が集中するため、発熱量が増大する傾向にある。もちろんこれは逆を言えば確実な仕事をしているという事の裏返しでもあり、その結果が高性能な結論に至っているわけだが、それを支える為には熱処理を確実に行う必要がある。性能が高めのCPUクーラーを用意した方がいいだろう。
Ryzen9 5900Xは、CCXが2つあるので、熱が2つのCCXに分散する関係から、発熱量も内部で分散するのか、最終的な温度上昇はRyzen7 5800Xほどにはならない。なので、高性能なクーラーを用意すればするほど性能を引き出す事ができるので、Ryzen9 5900XとRyzen7 5800Xの性能差は現実的にはもっと広がりやすいという言い方もできる。
性能が出るという事はそれだけ熱が出るという事でもあるので、発生する熱の処理の仕方で発揮できる性能に差が出るという事も知っておくとよいだろう。
発売されたばかりの今の段階では、Ryzen 5000シリーズは品薄な状態なので、上位モデルを中心に欲しくても買えないという状況だろうと思う。
すこし時間をおくことで、供給量も増えていくハズなので、じっくりと腰を据えて待つというのも良い方法ではないかと思う。
また、近々Radeon RX 6000シリーズも登場する事になるので、それに合せて購入という手もある。
私としてもメインPCの更新は今年、来年初めが良い時期なのかもしれない、と改めて実感している。