2020年もあと僅かで終わろうとしている。今年はいろんな意味で激動だった年のように思う。
新型コロナの影響で
2020年がもうすぐ終わる。
3月ごろからコロナの影響で社会情勢が大きく変わり、人によっては人生そのものが変わってしまったという人もいるだろう。
幸いにして、私は仕事としてはあまり変わらず、毎日の生活の中でマスクが必須アイテムになった、という程度で済んだが、年末にきて肩の調子から体調面で激動を迎えようとする年となった。
現実的な話をすれば、人と人との距離感が大きく変わったワケであり、これによって接客業や観光業、飲食業は激動という言葉に集約するにはあまりにも大きな痛手を被ったと言える。
逆にこういう状況だからこそ、ドラッグストアやホームセンター、スーパーなどはその必要性が高まり、またその必要性から人が集まったときの対策を講じる必要が出てきた。
ビジネスとして厳しい状況を迎えた企業もあれば、この状況変化から需要を大きく伸ばした産業もある。そう考えると、産業革命…とまでは言わないが、産業改革が行われた感がどこかにある。
人と人の距離感が変わった事で、通信というものの重要性が高まり、そこに政府から通信費の値下げを実施する政策が出されたのも変化といえば変化だろう。
今までの常識が常識でなくなった。そういう意味で激動という言葉は適確ではないかと思っている。
x86も激動に飲み込まれた
そして私が今年もっとも転換点を迎えたかな、と思ったのは、x86アーキテクチャである。
Appleが「Apple Silicon」と呼ばれる、Armアーキテクチャを採用した自社SoCを搭載したMacを投入した事で、世の中のPC界隈には激震が走った。
もし、Apple Siliconの性能が大した結果を残すようなものではなかったとしたら、激動でも何でもなかったのだが、その性能が凄まじかった。
いや、実際にはその性能を達成した背景にはいくつかの理由があって、x86アーキテクチャ勢はその理由故に性能的に弱くなってしまったところはある。唯一5nmという製造プロセスで作られたApple Siliconは、その内蔵するトランジスタ数を見ても圧倒的な強さを誇っても不思議ではない。
だが、そうした理由があったとしても、世間に与えているインパクトの大きさはそう簡単に覆すことはできない。
世の中のコンピュータ処理のトレンドが大きく変わろうとしている転換点かもしれないのだ。
そして年末にかけて、Qualcommが新型のSnapdragonを出してきた事で、Armアーキテクチャの強さをまた披露した。このままではx86アーキテクチャはArmに飲み込まれてしまう…というのは流石にないとは思うが、WindowsもArm版が一気に進化する土台が出来たし、それ故にマイクロソフトがまたしても自前のArmコアの開発を行う事を明確にした。
今年はそうしたトレンドが大きく変化した年でなかったかと思う。
PlayStation5
そしてもう一つ、世間にインパクトだけを与えて、その実大きな変化はあまり与えていないというものがある。
それがPlayStation5(PS5)である。
PS5は、その性能は実はそう大したものではない。ただ、8コア16スレッドという、PCでもミドルハイに近いマルチコア性能を持つに至り、超高速なSSDを搭載した事で、従来のコンシューマ機を凌駕したに過ぎない。
だが、一番問題なのは性能的には過去機種を凌駕したとしても、普及数に関しては全くダメな状況を改善する事が出来ずにいる。
潤沢に出回れるだけの製造数を確保してからの発売ならよかったものの、ライバルの発売日との関係から大幅に前倒しして発売した感がどうしても拭えず、今だ普及率は最低である。
流石にここまで購入できないとなると、当初買いたいと思っていた層も諦めムードが漂い始め、私の周辺では最近あまり騒がなくなった。
私もとりあえずいくつかの抽選には申し込んでいるが、積極的に買いに言っているかというとそうでもない。買えれば買うか、という程度の話である。
そういう意味で、SIEは売り時を失っているように思えてならない。PS5発売というビッグウェーブに乗り、ユーザーが熱狂している時にバンバン売りさばかないと、次第に売れなくなってくる。その波が過ぎ去ってしまったならば、次の波を起こさないとユーザーは積極的に買おうとはしないだろう。私と同じく、買えれば買うか…という程度では、本体に合せてソフトを多数買うという動機に繋がらない。まして、PS5は本体価格を相当に下げての発売である。
この状況、SIEはどのように見ているのだろうか?
とまぁ、2020年もいろいろとあった。
個人的な話で言えば体の不調で不穏な状態で終えてしまうわけだが、来年はそうした状況から脱せる年になると良いなと思っている。