ハイエンド?

 NVIDIAからハイエンドに位置するビデオカードが発表された。
 GeForce 9800 GTXと名付けられたその製品は、シングルコアでは最上位に位置する製品で、従来のGeForce 8800 GTS(メモリ512MB版)と同じG92コアを採用している。
 G80コアを搭載していたGeForce 8800 GTX(Ultra含む)との違いは、まずROP部クラスタが4基であるため、メモリインターフェイスは256bitになったという事。これはコアにG92を採用しているためであり、GeForce 8800 GT等と全く同じ構成。つまり、このメモリインターフェイスだけはGeForce 8800 GTXからダウングレードしてしまっている事になる。
 しかしながら、PureVideo HDを搭載しているという部分においては間違いなく進化しているワケで、高クロックで動作する事でメモリインターフェイスのマイナス面をカバーしているとも言える。
 製造プロセスは90nmから65nmに微細化した事で消費電力は低くなっており、扱いやすさも改善されている。
 だが、最も消費者に優しいのは、その価格設定。
 今までNVIDIAのハイエンドといえば7万円~10万円超という価格設定だったが、今回のGeForce 9800 GTXは4万円台前後から。この部分は大きく評価できるが、問題はその性能だと私は思っている。
 性能だけで言えば、実にNVIDIAらしくない。
 GeForce 8800 GTXが初めて発表されたときのインパクトが強すぎたのかもしれないが、今回のGeForce 9800 GTXは、本当にこれがハイエンドか?と疑いたくなるような性能でしかない。
 単純にクロック分だけGeForce 8800 GTS(メモリ512MB版)よりも高速に動作する…というだけの製品でしかないのでは、NVIDIAのハイエンドと名乗るのは何か違うような気がしてならない。
 逆に新製品がこの後に控えているんじゃないか?とさえ思えてくる。
 真実はどうかはわからない。
 とりあえず手に届きやすいハイエンドという事でそれなりに人気は得られそうな気がするが、個人的には随分と下に降りてきたハイエンドだな…と思わざるを得ない。
 GPUの時代もやはりマルチコアへと進みつつある前兆なのかもしれない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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