ゲームといえばDirect Xと言葉が出てくるのは、PCゲームをプレイする人だと思う。いや、Xbox系のゲームユーザーもそうかもしれない。
そんな長年ゲームユーザーと共に歩み続けてきたDirect Xの新版12が正式発表された。
Qualcommも参加している
今回のDirect X12の発表において一番驚きなのは、そのパートナーの中にQualcommが含まれているという事だ。NVIDIAやAMD、Intelがパートナーに入っていても、いつもの事と流してしまえるが、Qualcommが入っているという事実は、そこに従来のDirect Xとは異なるものを即座に連想させる。
Qualcommが持つコアは、SnapdragonというARM系コアであり、主としてスマホやタブレットのSoC(System on a Chip)である。
それを持つQualcommがパートナーにいるという事は、SnapdragonでもDirect X系でアプリケーションを走らせる事を想定する、という事でもある。
となると、Direct X12はWindows版だけでなく、Android版等も今後可能性がある、という事なのかもしれない。
もっとも、Android OSの仕様でDirectXのようなAPIをどう取り扱うかを私は知らないので、意味として違う使用方法もあるのかもしれない。
どちらにしても、パートナーにQualcommが加わっているのは興味深い。
Direct X11対応もまだまだなのに
Windows版に限って言えばの話だが、Direct X11の対応すらまだの作品も多い。
まずはその当たりをどうにかしてホシイところだが、これは即ち、WindowsXPの力が強かった事を物語っているように思える。
WindowsXPも長寿OSだが、そのWindowsXPが全盛期の時登場したDirect X9も同じようにものすごい長いスパンで使われている。
Vistaで搭載された(登場した)Direct X10はあっという間にWindows7に搭載された(登場した)Direct X11にその座を追われたようなところもあるが、それでも今現状でDirect X9で動作しているPCゲームもまたまだ多い。
この状況下でDirect X12が登場したら、今後Direct X11対応のアプリケーションはあまり登場しないように思える。
というのは、前述した通りDirect X12はQualcommが参加している通り、スマホやタブレットで使用される事が想定される以上、ほとんどの開発サイドはDirect X11を選ぶよりはDirect X12を選択し、最終的な開発物の選択肢を広げてくる可能性が高い。
となると、まさにDirect X10やDirect X11は不遇のまま過去の遺物となるように思えてならない。
まぁ…それがDirect Xの定めだ…という人もいるかもしれないが、開発者にフィードバックされない仕様が存在しているという事実に、APIを提供する側はもっと敏感になるべきだと思うのだが…。
Mantleがそういう状況にならない事を祈る限りである。
何はともあれ、新しい仕様で新しい事が可能になり、それで負荷が軽減されるのであれば、それに越したとはない。
開発サイドには、消費者が享受する事ができる最高のパフォーマンスをぜひお願いしたいところである。