この記事の内容のほぼ全てを理解できるという事。
夢は夢だから楽しい
4gamerのとある記事を読んでいて、タイトルのような事が決して楽しいだけじゃないという事を改めて思い出した。
そのとある記事というのが、以下の記事。
4gamer 第6回「原田が斬る!」
http://www.4gamer.net/games/360/G036007/20180224003/
鉄拳シリーズのプロデューサー原田氏と、スクエニのFF14のプロデューサー兼ディレクターの吉田氏の対談記事だが、共にゲームというエンターテインメントを作る側として活躍している二人の対談は、好きなゲームを作る事を仕事とした二人が、既存のゲームを知り、そしてどのように悩み、仕事としてゲームを制作しているかなど、実に興味深い話が語られている。
かつて私もこの二人とほぼ同じレールの上に立った事のある身だが、当時、私は周辺からは「好きな事を仕事にできるのはとても幸せな事」と言われたものである。
実際、そうした現実を生きる人の中には、幸せに感じる人もいるかもしれないが、好きな事を仕事にするという事の重みは、そんな簡単なものではない。
時に、好きな事を仕事にしているからこそ、辛く苦しい事もあり、好きな事を好きでなくなってしまう事すらある。
実際、私もそれを感じた事もあったし、最終的に私は自分の意思ではないにしても、私はその自分が好きな道を脱した者であるから、この記事の二人のような結論に至った者ではないのだが、一度そういう経験をした事がある私からすると、好きな事は趣味だから好きなのであって、それを仕事にした時から、趣味では済まされない状況に身を置くという事という覚悟が必要である。
もちろん、その覚悟を堅苦しいものと構える必要は無いが、簡単に諦められなくなるという事実は常について回るようになる、という事に違いはない。
この記事を読むと、この二人は口にこそしていないが、この覚悟を確実に感じているというのが読み取れる。
ケチのついたものを再生する
私が特にこの記事で覚悟のある人は違うなと思ったのは、FF14という一度はケチのついたプロジェクトを再生させる際に、よくこの仕事を引き受けたな、という事である。
単純に言えば、マイナススタートを覚悟しなければならないという事。
引き受ける側のメンタリティとして考えれば、もし私なら多分その覚悟を維持できないだろうと思う。
それが出来たからこそ、今の新生FF14があるのであり、プレイヤーがいろいろ叩く事も多いFF14ではあるが、未だビジネスとしては成功しているのだろうと思う。
サービスを享受する側としては、いくらでも文句は言える。だが、そうした叩きを受けてでも、周囲の声を聞き、それを収益という形で成立させてしまっている事実は受け入れなければならない。もし、本当にダメなら、プレイヤー人口は減り続け、サービスを継続する事などできないのだから、それが続けられているという時点で、タイトルとしては成功しているハズである。
そう考えると、吉田Pは「ああ、できる人なんだな」と。
そして私は「できなかった人だった」と。
いや、「できていない人」と現在進行形で言ってもいいかもしれない。
ロジックで物事を考える事だけでなく、メンタリティでもモチベーションを維持し続ける事、そして状況に適応できるという事ができるからこそ、FF14は再生する事ができたのだろうと思う。
私は…それらが出来ないから、今の状況に身を置くことしかできなかったのだろう。
それても一人では無理
この記事を読んで、自分の考えを改めなければならない事も理解できたが、もう一つ、一人ではどうにもならないという事も見えた。
ゲーム制作もそうだが、一人で全てできるわけではない以上、何かを完遂するには、周辺状況も必要だという事である。どんなに優秀な人であっても、一人で全てを処理できない以上、周りの能力や環境そのものの支援がなければどうにもならない。
しかし、その周辺状況を自らの望むものにしていくのは、やはり自分自身である。
自分という存在が、周辺のお膳立てをできなければ、達成できる事など限られてくるのは当たり前の事である。
この記事を読んで、自らの今に当てはめたとき、果たして私はどれだけの事か出来ているのだろうと。
一度は同じベクトルのレールに乗った自分としては、この差はとても大きく感じられ、今こそ道を違えたものの、それでも今の自分はどこまで出来ているのか? と振り返ったとき、やはり私は「できなかった人」であり「できていない人」だな、と。
志した最初と、当初の経験が似ているだけに、この差は人として大きいなぁと、改めて感じた。
ま、それが実際の生きる道での結論に繋がっているわけで、致し方ない部分もある。
困難も楽しめてしまえる…ある意味、そういうモノの捉え方ができる人だからこそ、それが成功に繋がるのかもしれない。
私には…到底できそうな気もしないが。
たった数ページの記事だが、成せる人とそうでない人の差を垣間見たような感じである。