全般的に高速化?
メジャーアップデート
AppleがiOSの最新版である「iOS 12」の提供を開始した。
対応機種は、iPhone 5s以降とiPad Air以降、iPad mini2以降、iPad Pro以降、第6世代iPod Touchとなる。追加される機能としてはAR機能の強化、アニ文字キャラの追加と独自アバターを作成できる「ミー文字」の追加など、新たに追加される機能と共に、従来機能の高速化が盛り込まれている。
例えばカメラアプリは軌道で最大70%、キーボードは表示で最大50%高速化し、これらは旧機種でもパフォーマンスが向上しているという。
その他、従来アプリでも機能の改良が行われていたり、標準アプリの一部でデザインが変更されたりと、メジャーアップデートらしい見た目にも変化のあるアップデートとなっている。
なお、以前から案内されていた最大32人での通話が可能になる「グループFaceTime」の提供は延期となり、現時点では追加されないが、後日のアップデートで追加するとしている。
また、通知の管理機能も大幅に強化されていて、通知をスタックしてひとまとめにできるようになったり、通知の頻度を下げる「目立たない形で配信」という表現が追加された。
いろいろ細かい条件を設定できるようになった事で、頻度として通知を上手くコントロールできるようになったと言える。
その他にも、ARKitがARKit2へとアップグレードし、複数ユーザーでAR体験を共有できるようになったり、カメラ越しに物体の大きさを測定できるようになったりと、ARまわりも強化されている。
セキュリティ強化
また、今回のiOS 12では、セキュリティの脆弱性も修正されている。
情報漏洩、任意コードの実行、スプーフィング(所謂なりすまし)などにつながる脆弱性にも対策が入り、Apple側としては早いアップデートを促している。
iPhoneは全世界でもかなりの普及数があるため、こうしたセキュリティへの対策も非常に重要になってくるが、今回のiOS 12では、このあたりにかなり力を入れているように見られる。
スマホもPCと同じようにプログラムが動作する以上、悪意あるコードを野放しにはできないし、スマホはそういう観点で言えばPC以上に危険な存在でもある。何しろ個人情報の塊みたいなものなのだから。
Appleもまた、Microsoftと同じように今後は世のある悪意あるコードと戦い続けるメーカーにならざるを得ない、といった感じである。
なお、このiOSのアップデートに先立って「iTunes 12.9 for Windows」が公開されている。
結構なデザイン変更も視野に入れたアップデートで、脆弱性の修正も行われたものになっている。
実はiOSに関しても、定額制音楽配信サービスであるApple Musicのメンバー向けにいくつかの機能が追加されていて、歌詞の検索機能や世界各国のデイリートップ100を再生できるワールドチャートが利用可能となったり、友達をフォローして新しいプレイリストを発見できるようになっていたりと、いろいろな閲覧性が向上している。
セキュリティ合せてiTunes含めた見直しが行われているので、人によっては大改訂になっていると言える。
問題は…
さて…セキュリティ関係があるため、今回のiOS 12に関しては、即座に導入したいところではあるのだが…問題は導入して大丈夫か? というところ。
事前にパブリックベータ等で動作検証はしている事は知っているが、メジャーアップデートは大がかりな刷新でもあるので、一度問題が起きると取り返しの付かない事態に陥る。
なので、Windowsなどは大型アップデートはある程度期間を空けてから行うのが通例だったりするのだが、さて、今回のiOS 12は、どのタイミングで入れるべきか。
セキュリティの事を考えれば、すぐに入れた方がいいだろうし、安全性を考えれば、しばらく様子見した方がいいだろうし…。
スマホの中に入っている情報の大きさを考えると、この判断は結構難しい。悩ましい事である。