最後のあがきともとれるがやってみる。
コマンドプロンプトからの復帰
メインPCのシステムが動かなくなり、もうすぐ2週間が経過しようとしている。
ハッキリ言って、今までこんなにメインPCが稼働しなかった時間はない。
何故なら、今まではトラブルが起きても失うデータが大したデータではなかったからだが、今回はIRSTによって疑似RAID化したドライブに今まで蓄積してきたデータを入れていたという事もあり、その疑似RAIDを解除しない状態でシステムが稼働できなくなった事で、蓄積してきたデータを失う可能性が濃厚になった事で慎重にならざるを得なくなった。
いろいろIRSTの強制解除の方法など調べて回ったが、結局自分のシステムでは「Ctrl+I」というIRSTのROMをPost時に読み込むコマンドが使えない(本来は使えるらしいが、どうも上手く働かない)という事から、あわよくばUEFI BIOSから強制解除してシステムの再構築をする必要があるかもしれないという覚悟を決めたが、やはりそこは長年蓄積したデータが人質なので、今一つ踏ん切りが付かなかった。
そこで、ネットでいろいろ調べた最後の手段として、コマンドプロンプトによるシステム復帰を試してみる事にした。
具体的には、Windows10のシステム自動回復の画面を出して、そこからコマンドプロンプトでの起動を選んで、そこから直接コマンドを入力して修復を試みるという手段だが、使えるコマンドがいくつかある。
そこで「sfc /scannow」というコマンドを使ってみる事にした。
これは「システムフォルダ内に不正なファイル書き換えが見つかった場合、この機能で元に戻す試みをする」というコマンドである。すると…何と、一部ではあるが修復できたファイルがあるらしい。言い方としては「破損したファイルを見つけたが、それらの一部は修復できなかった」という事らしいが、多少なり望みは出たのではないかと勝手に良い方に解釈した。
実際に使用したコマンドは「sfc /scannow /offbootdir=c:\ /offwindir=d:\windows」というコマンドではあるのだが、これを何度か繰り返した後、もう一度再起動してみると事にした。
奇跡は起きた
このコマンドプロンプトの修復を実施した後、再起動してみたところ、いつもと違う挙動になった。
今までずっと白い点がくるくるまわるだけの起動画面が、真っ青になったのである。…いや、ブルースクリーンだったらそれはそれで問題なのだが、ちょっと違うのは、左下に時刻が表示されているのである。コレ…ひょっとして起動画面じゃないのか?
というワケで、恐る恐るキー入力してみたら、パスワードPINの入力画面に突入した!
完全ではないものの、一部の機能が回復し、エクスプローラー等の機能が実行され、部分起動している事が判明した。実際、スタートメニューのキーを押しても何も起きないので、ほぼエクスプローラーと一部のサービスプログラムが起動した、というだけだったのかもしれない。
スタートメニューが表示されないので、プログラム起動はファイルから直接起動ファイルを指定して実行するしかない。
そこで「IntelSmartResponseTechnology」のフォルダを探し出し、UIの起動プログラムを立ち上げてみた。キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
画面がモアレだらけではあるが、IRSTの管理画面が立ち上がり、そこで高速化していた(RAID構成になっていた)ドライブの無効化が実行できたのである!
ここまでくればデータは助かる
というわけで、このままIRSTによる高速化を解除し、無事、それぞれのドライブが単体で稼働する状態に何とか持っていく事ができた。
このまま再起動するも、結局システムそのものは正常復帰はできずじまいだったので、あとは起動ドライブをクリーンインストールすれば、無事システムの再構築が可能となる。
設定ファイルを作り直したりするのは確かに面倒ではあるのだが、とにかくデータが守られたのが非常に大きい。
これがなければ、私のシステムはほぼゼロの状態から再構築しなければならず、全てのサービスの設定なども失う事になっていた。
それはもう復帰とかそういう問題ではなく、自分が今まで積み上げてきたものを全て崩してしまい、また新たな茨の道を進んでいくぐらいの道のりになったに違いない。
ホント、最後まで諦めなかった事そものが、まさに僥倖という感じである。
教訓
今回のシステム起動不可状態から、いくつか学んだ事がある。
それは、新しい技術を導入する上で、データの保全性がどれだけ保たれるのかは最重要項目として扱う必要がある、という事。
そして、速度を稼ぐためとは言え、危うい技術に飛びついてはいけないという事。
そして、重要なデータは最もローテクな方法で守りに入った方が最終的には救われるという事、などである。
また、やはり最強の修復方法はコマンドプロンプトによる直接命令である、という事だ。
自作PCは今までも何度も組んできたが、今回のトラブルは特別難解だったし、危険度が高かった。
何とか克服できたので言える事ではあるが、諦めなかった事で一部でもシステムが稼働し、不完全ながらも手を入れられたのは奇跡としか言いようがない。
普通なら、さっさと諦めて新しいシステムの構築に走ってしまいがちだが、失うものの大きさから今回はそれが出来なかった。こうした事態を生む事そのものが問題であり、重要データのバックアップ等はやはり最大の防御策だと感じた。
分かっていた事ではあるが、いざその窮地に立つと、今までの認識は実に甘かったと言わざるを得ない。
ホント、良い教訓になったと言える。
さて、あとはシステムの再構築をするワケだが…今回の事で、いろいろとPCの構成も変える事にした。
速さを求めたい部分と安定を求めたい部分の鬩ぎ合いから、それら構成を再検討して、組み上げていきたいと思う。