テレビはオワコンなのか?
nasne、生産停止
先日、Sonyから発売されているnasneか生産停止になるという発表があった。
もう7年近く新しい型が発売されない製品で、終わるのではないか? という予想も結構前から出ていたりもしたのだが、ずっと現行バージョンで売られていたので、私自身も結構安心しきっていたのだが、イキナリの生産中止で、巷では多少値上がり傾向にあるという情報もある。
あれほど便利なものがなくなるなんて…という声もあったり、今後の修理はどうなるの? というような話もあったりして、人それぞれいろんな思惑があるとは思うが、よく聞く話として、nasneの番組表のアクセスの良さは絶賛される事が非常に多い。
これはtorneの頃からもそうなのだが、とにかく番組表の表示速度が非常に速く、キビキビと動くため、ストレスなく番組情報を見ることができる事を高評価としている人が多い。そんな環境動作の速さがウリであるnasneがなくなる。
テレビなどを録画して好きなときに見ていた人からすると、nasneの消失は思いのほか大きいのかもしれない。
このnasneの生産停止が象徴するように、ここ最近テレビ関係のものがどんどんと亡くなりつつある。全くなくなってしまうというよりは、今まではいくらでもあった選択肢が、ここ最近は減ってきた、という感じである。
そういう状況を考えると、テレビという媒体そのものが、そろそろオワコン(終わってしまうコンテンツ)になってきているとも言えるのかも知れない。
いや、そうじゃない
かつて2chという匿名巨大掲示板を作った西村博之氏の会社である、未来検索ブラジルが、このテレビの分野に進出するが如く、PC用テレビチューナーボード「MiyouTuner」をクラウドファンディングのMakuakeで開始した。
この「MiyouTuner」は、デスクトップOCでテレビ放送を視聴・録画する事ができるようにする拡張ボードで、PCI Express x1スロットに挿して使用するものである。
特徴は、地上波8チャンネルに加え、BS/CS放送の2チャンネルの合計10チャンネルを同時に受信・録画する事ができるという事。組み合わせるソフトウェアは、同じく未来検索ブラジルから提供される「MiyouTV」というソフトで、このソフトを使用する事で、5ch(現在2chではなく5chになっている)の実況スレのコメントを画面上に流しながら視聴できる。
支援プランは1枚ずつのプランと、2枚のプラン、PCとセットになったプランなどあるが、どれも共通していえるのが、B-CASカードは附属しないという事である。
クラウドファンディングの目標価格設定は1,165万5,000円で、チューナーカードを777枚で達成できる金額らしい。
西村博之氏は「テレビ番組をリアルタイムに見るのは、面白くなかったら時間の無駄。空き時間に面白い番組を見られるのが理想。それを実現する仕組みがようやくできた」とコメントしており、テレビという媒体が終わったのではなく、付き合い方が変わった、と言っているようである。
Makuake
https://www.makuake.com/project/miyoutuner/
8K時代を考えると…
今回、このクラウドファンディングが開始された「MiyouTuner」だが、実際に8Kの試験放送などを受信した時にはちゃんと受信出来たりするのだろうか?
少なくとも、そう遠くない内に8K放送などの準備が進んでいく事は既に言われていることなのだが、このチューナーはその準備に関しては何も触れられてはいない。
もともと、チューナーカードはそう息の長いアイテムではないので、おそらく今回の「MiyouTuner」も8Kの受信などにはまだ対応してきれていないように思える。
長く使って行くならば、そうした今後の仕様も策定に入れてあるとよかったが、そこまでは小回りを想定していなかった可能性はある。
それでも、現行の録画機器の中でもかなり優秀な部類に入るアイテムなので、PT3などを中古で購入する事を考えるなら、今回のクラウドファンディングに乗るというのも悪くないのかも知れない。