超大型台風がやってくる。
雨か風か
現在、日本には台風19号という、超大型台風が関東を直撃するコースで近づいている。
おそらく被害がもっとも大きくなるのは、最接近する今夜21時ごろと見られるが、その6時間前から、既に大雨の被害が各地で起きている。
本日はケータイが避難の連絡をバンバン出してきていて、イキナリ大きな音が出る事で驚く事も多々あったワケだが、それも政府…というか国家が非常事態宣言を出しているような状況だからこそなのかもしれない。
私はケースでは、自分の住んでいる地域で今から9時間ほど前に周辺の国道が規定雨量を超え、通行止めとなった。同時にJRも運休、地元路線バスも運休となり、陸の孤島と化したわけだが、それらは雨による被害でそうなっただけで、風の被害というのは全くなかった。
それもこれも、まだ風の影響が出る位置に台風がいなかったから、という事なのだが、実は私の住んでいる地域は、比較的台風被害が小さい事が多い。
もちろん雨による被害がないわけではない。
都会から見れば山間部に属する場所だし、そうなると土砂災害が出るからだ。
だが、私はその山間部でも主要駅が近くにある場所に住んでいるので、土砂災害がよく起きる場所にいるわけではないので、比較的災害が少ないのである。
何故そうなのかというと、山間部であるため、暴風が周辺の山の尾根によって遮られ、直接の風が街に被害をもたらさないからである。
谷間の方向によっては、暴風がマトモに吹いてくるタイミングもあるのだろうが、その時間が圧倒的に短く、比較的風の被害が出ていないのが通例だったりする。
これはある意味幸運な事で、あとは雨の被害をどうにかできれば、台風はやり過ごせる…そんな感じではないかと思う。
海岸沿い
私は生まれが海岸沿いなので、台風が来るとどうなるかという事は小さい頃から知っている。
私の住んでいたところは、自宅のすぐ後ろが防風林だったため、台風が来るとその防風林が風を防いでくれていたおかげで自宅が守られていた。
しかしそれでもいざ台風が来るとなると、ものすごい風が周囲一帯を吹き荒れ、雨が加わればまさに暴風雨が襲ってきた。
その状況から比べれば、今の状況は恵まれている方かも知れない。
だが、恐らく私は今の海岸沿いの状況を本当の意味では理解していないかもしれない。
それは、純粋に台風の強さが昔と今とでは違うからだ。
最近、特に異常気象が増えてきたな、と感じる今の時代の台風は、その脅威が昔の台風とはレベルが全く異なるほどに脅威化している。
何故そうなのか?
私は会社で環境ISOであるISO14001の環境管理責任者を拝命しているので、環境に配慮する必要のある状況を社員に説明したりしなければならない事があり、調べたりするのだが、やはりこの異常気象の猛威化の背景には、間違いなくCO2増加による地球温暖化が関係している。
温暖化とは言うが
温室効果ガスの地球温暖化とは良く言うが、実はこれは単純に地球の気温が上昇している、というだけの問題ではない。
地球の部分的に高温になる部分と、その逆に低温になる部分がより明確になり、寒暖差を生む、という事でもある。
地球の大気活動は、常に大気が動いていて、そこに気温と水蒸気の関係から高気圧と低気圧が生まれる。
台風は海面が温められ、それによって気化した水蒸気がさらに温められることで上昇気流を生み出し、上昇した水蒸気が水滴となり雲を生み、その雲にさらに水蒸気から水滴へと変化した雲成分が追加され、徐々に熱帯低気圧を生む。その熱帯低気圧がさらに強まって台風が生まれるが、これは海面が熱せられて起きる自然災害の結果である。
では冬場に起きる「寒波」はどうなのか?
実は地球温暖化で世界が寒冷化する事が起こり得るのである。
2018年1月、北米で南部を寒波が襲った。この原因が地球最北端である北極圏の気温が上昇した事に起因していると言われている。当時、北極圏では他の地域の2倍の速度で気温が上昇したのだが、これが上層大気のジェット気流に影響を与え、各地に急激な寒波をもたらした。
つまり、温暖化は同時に寒冷化を引き起こす原因にもなりうるわけである。
寒冷化が起きると、人々は「地球は温暖化していないのではないか」と主張する人達が出てくるのだが、それは早計というものである。
大気は対流しているため、温暖化によって熱くなる地域もあれば、逆に寒冷化する地域もあるわけである。
今後は極端な気象へ
私はふと思うのだが、このまま地球温暖化が進んでいけば、天災と呼ばれる被害は今後より過激な結果を生むようになるだろう。
それこそ、今でいうところの熱波、寒波、という自然災害が当たり前のように起き、台風はより極端な強さで影響を及ぼすようになる。今までは常識と考えられていた範疇を超え、より巨大に、より猛威を振るう存在として襲ってくる。
だがこれは人類がCO2削減の活動を真剣に捉えていない事が理由に挙げられる。
日本は京都議定書等環境に配慮した活動が活発と言われているが、こと電力供給に関して言えば原子力発電を止めていく流れから、天然ガスを使用した火力発電が主力となっている。
その発電の内訳でいけば、天然ガスが42.1%と最大で、その他、石炭と石油を合せて83.8%が火力発電が占めている(経済産業省エルネギー庁「エネルギー白書2018」より)。
昨今はあらゆるものの省エネ化が進んだ事で、全体の発電量が2010年以降減少しているのだが、それでも火力発電によってCO2の排出が抑制されていない事実は変わらない。
環境大国と世界で言われてる日本の実態は、実は言うほどのCO2削減を実現していない事実がここにある(リサイクル分野では進んでいるのかもしれないが)。
再生可能エネルギー
国会では政治家達がくだらない討議をしている事がある。
もちろん重要な討議をしている事もあるので、全否定をするつもりはない。
だが、日本は災害をよく受ける国でもあるため、このエネルギー問題や環境問題は、もっと大きな視野に立って検討していかねばならないものではないかと私は真剣に思っている。
特に私は電気がないと生活できない事を昔から自ら公言している。
日本は、地熱、風力、波力、太陽光等々、もっと再生エネルギーの開発を進めていかねば、自らから災害によって潰れていく可能性がある事を考えねばならない。
私は自分が比較的災害の起きない場所にいるからと言って、これらを楽観視できるとは思っていない。
現に、最近は大雨や台風による被害が続出している事実がある。
これらが何故被害レベルで語られているのか、何故台風が大型化しているのかの背景を、もっと知り、対策を考えねばならない。
政治家の方々には、金、金、金、金、と、金の事も大事だが、国家が安定化する為の施策をもって考えて欲しい。
少なくとも、政治家のスキャンダルをねちねちと追求しているヒマなどないハズである(もっとも政治家が政治家たるに足りる存在かを問う事も必要とは思うが)。
台風19号の行く末を見ながら、ふと、そんな地球規模の事を考えてみた。
でもこれって必要な事じゃないのかなぁ…。