私が勝手に思っている事だが、Windows Vistaが唯一XPより優れている機能は“SuperFetch”や“ReadyBoost”といった高速化技術である。
この二つの機能がなければ、Vistaは結局XPより使えないOSなんじゃないかと思う。実際に使えばそれなりに違うのかもしれないが。
ただ、この“SuperFetch”や“ReadyBoost”も、Vistaならではの機能とは言えなくなってしまった。
(株)コージェンメディアが“eBoostr”なる高速化ソフトの日本語版を発表した。
3,980円(税込み)のシェアウェアだが、過剰容量のメインメモリや大容量USBメモリなどを持っているのなら、価格以上の価値はあるのではないかと思う。
単純にRAMディスクとは違い、ソフトやファイルの利用頻度などで優先順位を決定したデータをメモリの空き領域にキャッシュするのが“SuperFetch”の機能である。
また“ReadyBoost”は“SuperFetch”で利用するメモリの空き領域にプラスして、USBメモリやメモリカードといった外付けの記憶デバイスをキャッシュとして利用できる技術を言う。だから単純にRAMディスクとは違うのである。
技術的な部分だけを考えると、決してXPでも不可能ではない技術と思っていたのだが、Vistaを浸透させたいMicrosoftからはそのようなアップデートはあり得ないと思っていたため、サードパーティからこのようなアプリケーションが出てきた事は実に喜ばしい事である。
唯一問題があるとするならば、このソフト、シェアウェアでもアップデート期間が1年と定められていること。
1年経てば再度ライセンスを買わねばならない。
1年後、Vistaに乗り換えれば不必要になるソフトだし、アップデートしなければその後もコストはかからない。
使い方次第だとは思うが、XPをまだまだ使い続けようと考えている人で、こういったアプリはアップデートが必須と考えている人は、コスト的にどうなのか微妙な所なのではないかと思う。
まぁ、お試しで1年間使ってみるというのも手である。
アップデートで増えていくかもしれない機能がいらないというのなら、案外初期投資額で期待以上の機能が得られるかもしれない。