今年のGWは随分と暑い日が続き、良い天気…というのを通り越していたように思う。
高速道路の渋滞ぶりを考えると、エコを騒いでいる時代にエンジンを駆動させた車が延々と長蛇の列を作るのは全然エコじゃないなと思ったりするのだが、政府はそういうのを見越した上で料金1,000円というのを考えたのだろうか?
まぁ、その高速料金1,000円というのはどうも今回がラストという事で、次からはそうした高速料金目当てで普段車に乗らない人が無理して車で行楽地に向かうという事態は減っていきそうな感じ。
…引篭もりの私が、電車使う方がよほどエコだと思う、というのも説得力のない話だが、世の中電気を使う方がエコに繋がるようで、そうしたところにこそ政府の予算をつぎ込むべきなのではないかと考えたりする。
事業仕分け、そういうところに目を向けて欲しいワケである。
さて、そのエコと遠いところでつながりのある普天間基地問題。
鳩山総理大臣が沖縄まで出張って行って「県外移設はない」宣言をした訳だが、考え方によっては当たり前の事だったのではないかと思う。
そもそも、公約そのものがいい加減であったと言わざるを得ない。
自民の石破氏がコメントしていたが、部分的に徳之島へと移設なんて言っている事そのものが、そもそも海兵隊を理解していないのではないかと思える話だと思う。
米軍海兵隊は通称“殴り込み部隊”と言われたりする、米軍の中でも外征専門という実に特殊な部隊であり、現在沖縄に展開している部隊の構成や性格を考えれば、基地を分割する事が現実的でない事は容易に分かる。
沖縄の人々のいう生活負担ももちろん理解するが、もし普天間から移設するならば、もうそれは全部隊の移設を是とする話になるのではないかと思う。
米軍も滑走路や基地施設の占める面積などの負担を考えていないワケでなく、VTOL機やSTOL機(主としてV-22オスプレイなど)への転換を進めている。だが、私が思うに、沖縄県民の負担のほとんどは、米軍兵との生活衝突ではないかと思えてならない。真実はどうかわからんが…。
日本に点在する米軍基地周辺で起きる、米軍兵が絡んだ犯罪の扱いが、住民たちにとっての最も大きな問題なのではないかと私は考える。
たしかに日常訓練の騒音の問題もあるだろうし、もっと他の問題もいろいろあるとは思うが、周辺住民が最も恐れるのは、米軍兵が起こす犯罪・事件の顛末において、被害者側となる住民側が正当に扱われる事があまりにも少なく、逆に米軍兵に有利な状況しか聞こえてこない事にその問題があるように思う。
Wikipediaの「在日米軍」の項目に記載されている「日本の安全保障と国内問題」のところに書かれている情報だと“1985年から2004年までに在日米軍の起こした事件・事故で軍法会議にかけられた者は1名”とある。
年間通してかなりの事件数があるにも関わらず、まして死亡事件まであるにも関わらず、軍法会議にかけられた者が1名である。これでは周辺住民が問題視するのは当たり前の事である。
私は、この普天間米軍基地の問題の大部分の問題は、まさしくこの犯罪とのからみにあるのではないかと思えてならない。
何を今更…という人もいるかもしれないが、多分日本国民のほとんどは、そのことに気付いていないのではないかと思う。実際、自分がその環境下で生活しないとわからない事の一つなのではないかと。
今の政府は、今回の普天間基地問題を語るとき「沖縄住民の負担」という言葉で説明しているが、その負担というのは何をもって負担とするのかの中身について言及していないように思う。
生活の中にある軍用機の騒音も生活負担ならば、そうした事件に巻き込まれるかもしれないという不安も負担と言える。
その負担を考慮して…という言葉を使うならば、まずその負担の中身を分析し、もっとも重大な問題と考えられる部分を除外する方向を模索する方が建設的な話になりはしまいか?
もちろん、前述したWikipedia内に書かれている情報の通り、米国との間に交わされている日米安全保障の中身に触れる事であり、密約と言われている裁判権の放棄とも繋がる話にはなるが、1958年に行われた日米安全保障条約の改定の内容は、2010年の現在、もう見直されなければならない時期に来ていると思う。
そもそも、日米安全保障条約そのものが今の時代にどれだけの意味があるのか、また必要としても中身としてどこまでの事が必要なのか、そうした背景も考えねばならない。何しろ今は冷戦すら存在しないのだから。
この事を深く掘り下げると、とんでもないぐらい大きな話題になる為、この程度の内容にしておくが、軍隊の意味と安全保障の意味、そして国際社会における日本の現在の立場というものを総合的に考えて、そもそもの根源を再検討する時期に来ているのではないかと私は考える。
多分、こういう話は政治家が最も触れたくない話の一つではないかと思うが、国民を騙し続ける政治家が後を絶たないようでは日本はもう終わりである。
少なくとも、私はそう思っている。