小型PCというジャンルは、私が昔ちょっとこだわっていたジャンルでもあるが、その時から比べて今はさらに小さく、そして高性能なPCが作れる時代になっている。
昔は、ちょっと小さくすると一気に性能は落ちるというのが普通だったが、今はハイエンドなCPUが搭載でき、しかもチップセットも実に豪華なものが用意されたマザーボードが存在する。
そんな高性能な小型PCを実現するためのマザーボード“MINIX”シリーズに最新版と言える製品が登場した。
MINIX 890GX-USB3という製品で、規格はMini-ITXサイズ。
名前から見て分かるとおり、AMDのハイエンドチップセットである890GXが搭載されている製品で、しかもUSB3.0、そして6Gbps SATAが搭載されている。
チップセットが890GXという事で、この製品にはオンボードVGAが利用可能だが、内包されているビデオ性能はRadeon HD 4290となっている。これはDirectX 10.1対応のもので、プログラマブルシェーダを40基搭載したもの。ちょっとしたゲームならこのオンボードVGAでも問題なく動作する。一応、VGA用のDDR3メモリを128MB搭載しているため、メインメモリからビデオメモリを割り当てないといけない…なんて事もない。
拡張スロットはPCI Express x16が1基用意されているが、裏面にmini PCIeスロットが1基存在する。このmini PCIeスロットにはIEEE 802.11b/g/nとBluetoothのコンボカードが装着済みで、単体で無線LANによるネットワークが構築可能となっている。
搭載できるCPUはTDPが95wまでという制約がつくものの、PhenomIIの6コアが搭載可能で、このマザーボードを基点に6コアPhenomIIとハイエンドビデオカードを装着すれば、小型PCでありながらハイエンド構成を採る事が可能となる。
実に単位面積あたりの性能が高いマザーボードと言える。
まぁ、ここまで高性能になると、使用する電源の方が心配で、Mini-ITXに接続できる大容量電源があるのか? とか、ハイエンドビデオカードが実装できるケースが存在するのか? いう所が心配な所。
そもそも、Mini-ITXで使用する電源といえば、いいところ150wとかそんなものが多いが、最近は300wクラスの電源を用意したケースなんてのも存在するため、そうした余裕のある電源とケースに組み合わせて使うのがいいのかもしれない。
個人的にはこの“MINIX 890GX-USB3”に6コアPhenomIIとRadeon HD 5850あたりを載せて使ってみたいなんて考えたりする。いや、もちろんRadeon HD 5870でもいいんだがw
ただ、その場合は2スロットの拡張カードを搭載できるケースを見つけないといけない。むしろこっちの方が問題になるだろう。
なにはともあれ、小型PCで結構面白いことができるマザーボードに違いない。
そのまま使っても高性能だが、さらなる高みを目指せるMini-ITXマザーボード。
小さくてもハイエンドなPCを求める人にはベターな製品と言える。