公開されたiOS7の実際

 iOS7がiPhone5sに先立って公開された。
 私のiPhone5も、既に設定のところにアップデート可能な注記が表示されていて、いつでもスタンバイOKという状態になっているが、まだアップデートしていない。
 同じく、第3世代iPadもアップデート可能だがまだ未実施だ。
 何故私がiOS7の領域に立ち入っていないかというと、あまりにも未知なものだからだ。

 周囲の評判をネットで見てみてもその評価は今まで以上に割れているという感じ。
 スッキリしたデザインで良いという人がいたかと思えば、かっこよさが逆行しているという人もいる。一つ共通した印象があるとすれば、Androidみたいなデザインになったかもしれないという事。本来ならリーディングカンパニーであったAppleが、スティーブ・ジョブズがいなくなっただけで追われる立場から追う立場になったという事なのか?
 事実は分からないが、少なくともiOS7のスクリーンショットを見ていると、Windows8っぽいデザイン(フラットデザインだから当たり前だが)は個人的に好きではないな、という印象しかない。
 この印象がアップデートしない一つの理由になっているのは確かだ。ただ、私はいつもならアップデートは比較的早急に行っている事が多いのだが、今回のメジャーアップデートはある理由から、かなり慎重になっている。
 それが、iPhone5sが64bitアーキテクチャであり、iOS7がネイティブで64bitに対応しているという部分にある。

 もちろん、ネイティブ64bit対応と言っても、現時点での主力プログラムが32bitでまだ健在だという事はわかる。だが、64bitと32bitが混在しているという状況でどんな不具合がでるか未知数だ。そういう理由から今回はアップデートに慎重にならざるを得ない。今はそう考えている。
 多分、1週間もしないウチに熱が冷め、一気にiOS7をインストールする事になると思うが、それまでは勇敢な人柱たちの奮闘を見ていこうと思う。

 ただ、iOS7の機能は目を見張るものがある。
 問題は、それら機能が直感的に扱えるかどうかはまた別の問題だという事。高機能になればなるほど、できる事が増えるワケで、それを直感的に扱える事と逆行して行くことになる。
 その為、iOS7ではフラットデザインの中に組み込む文字をあらゆる所でタップ出来る様にして、少しでも直感的に扱えるようにしている。ただ、この方法はAppleのスタイリッシュさを損なう可能性もあり、デザイン性をとるか直感性をとるかで悩んだのではないかと思う。
 こうなると、ユーザーの希望とデザイナーの希望のぶつかり合いである。

 デザインの方向性はファッションと同じで、誰かが仕掛け人となり、そのベクトルを操っている。それが悪い事とは言わないが、私はAppleという企業はそうした流れに乗るのではなく、あくまでも独自路線で動く企業であって欲しいと思っている。
 前述したが、元AppleCEOのスティーブ・ジョブズは自分達が欲しいと思ったアイテムを作ってきた人達だ。つまり、この考え方自体がリーディングカンパニーである事であり、今のAppleはそれを失いつつある様にしか見えない。
 Appleの価値とは?
 おそらく、今それを一番考えなければならないのは、Apple自身ではないのかと思う。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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