個人的に衝撃を受けた記事を見つけた。
いや…ホントの意味で衝撃的だった。まさかのまさか。
何もGで実験しなくても…
Gとはガンダムではない。
ここでいうGとは、昆虫綱ゴキブリ目のうちシロアリ以外のものの総称の事を言うが…まぁ、ようするにゴキブリである。
全世界に4,000種もいるゴキブリのウチ、どの種類を使ったのかはわからないが、何と、ゴキブリが8bitコンピュータに匹敵する演算能力を発揮する媒体になるというから驚きである。
やじうまPC Watch
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20140411_643902.html
同記事によると、イスラエル バル・イラン大学の研究チームが、生きたゴキブリの体内で、任意の場所に薬を投与するナノボットを開発したとNewsScientist誌が8日付けで報じているようだ。
DNAの特徴を利用した方法で、特定物質によって鎖を解き、ナノボットが特定の場所に薬を投与するようだ。
しかも、生きたゴキブリにさまざまな種類のナノボットを投与して、送出および制御精度をコンピュータシステムと同レベルにまで高めたというから凄い。
結果、このナノボットを利用してゴキブリ体内で8bitコンピュータに匹敵する演算性能を実現することすらできるという。
まぁ、デジタルという事は「0」と「1」を再現できれば良いわけで、その値を読み取る事ができれば、事実上演算する事は可能だから、言っている意味は別段間違っていないと思う。
一応、このイスラエルの研究チームはゴキブリ型コンピュータを開発しているのではなく、免疫反応を回避しながら、特定のがん細胞にだけ的確に投薬できる技術の確立を目指したものという事だから、ゴキブリ型コンピュータが作られる事はまずない。
8bitコンピュータ
8bitコンピュータと言えば、前記事にも登場したコモドール64やAtari 800の他に、PC-6000、PC-8800、FM-7、X1、MZシリーズなど、コンピュータ黎明期に数多くのコンピュータが存在していた。
ちなみに同時期に発売された“ぴゅう太”という、超高級言語を扱える家庭用コンピュータがトミー工業から発売されたが、コイツは16bit機である。ちなみに超高級言語とは、日本語による日本語ベーシック言語で、コマンドを数字以外は全て日本語で記述する言語だった。
コンピュータ言語とは、人間が理解できるほど高級であり、コンピュータが理解できるほど低級とされるため、ぴゅう太のベーシック言語は超高級言語と言わざるを得ない。
話を戻すが、8bitコンピュータの中でも幅広く普及したのは、マイクロソフトとアスキーが提唱した統一規格パソコンMSXではないかと思う。
MSXは、上記の有名8bitコンピュータとは別路線で、数多くの総合家電メーカーから発売された。
Sonyや日立、カシオ、松下電器、三菱電機、YAMAHA、Victor、三洋、東芝と、錚々たる日本メーカーが参画し、対応機器を発売していた。
総合家電メーカーから発売された事もあって、その販路は実に広く、家電製品という扱いだけでなく玩具として扱われ、販売されるケースも多かった。それ故、価格も(他PCと比較して)安かった事からかなりの普及率だったと言える。
もちろん、国内メーカーだけでなく海外メーカーからも発売されていたが、中でも松下電器は最後の最後までMSX規格のパソコンを発売していた。
MSXもMSX2やMSX2+、そしてMSX2 turbo Rと上位規格が生まれたが、ラストのMSX2 turbo Rは松下電器製のものしか発売されなかった。というのも、MSXという規格で動作するコンピュータは、徐々にゲーム機として見なされる事が多くなり、巨大なライバルの登場と共にその人気は下火になっていったからだ。実際、MSX2+の製品も日本国内メーカーからしか発売されておらず、海外メーカーはMSX2の時点で撤退している。
いろいろな機種が発売されたが、8bitコンピュータは言うまでも無く今のコンピュータの立役者であり、この存在がなければ今日のコンピュータはあり得ない。この8bitコンピュータの時代に後に主流となるいろいろなデバイスや規格が生まれ、精査されていったのだから。
8bitゲーム機
前述のMSXが衰退した理由は、8bitプロセッサを搭載したゲーム機が登場したから…と私は思っている。
ゲーム専用機として設計されているから、価格も安くできるし、さらに後発という事もあって、その表現力もMSXよりはずっと上だった事が、人々の目が8bitゲーム機へと向いた理由ではないかと思う。
有名な8bitゲーム機の筆頭はなんといっても任天堂から発売された“ファミリーコンピュータ”である。通称ファミコン。任天堂が巨大玩具メーカーとして君臨する事となるキッカケである。
ちなみに、ファミコンはゲーム機としては第三世代に部類されるもので、もちろん前世代が存在している。ただ、日本ではあまり有名な第二世代ゲーム機は存在しておらず、唯一名前がとどろいていたのは、エポック社のカセットビジョンくらいではないだろうか。
ファミコンは日本での地位を確立した後に北米でNintendo Entertainment System(通称NES)として発売され、こちらも瞬く間に広まっていった。ちなみに今のゲームコントローラーの基礎を確立したのはこのファミコンのコントローラーである。信じがたいかもしれないが、十字キーという存在はファミコンが広めたのである。当初の欧米の基本的なゲームコントローラーはほぼすべてスティックタイプだった。
この十字キー、最初に搭載されたのはファミコンではないものの、開発したのは任天堂在籍だった横井軍平氏である。今では当たり前のように見る十字キーだが、任天堂は今でも当初と変わらず「十字ボタン」とマニュアルにも記載している。
余談だが、8bitゲーム機で当時ファミコンに性能で対抗できたのはセガ マークIIIではないかと私は思っている。ま、私見ではあるが。
ちなみにこのファミコンの後に出てきたPCエンジンは同じ8bitゲーム機ではあるものの、世代的には第四世代になる。
第四世代になると、交換メディアがROMだけでなくCD-ROMが登場するが、その内蔵された演算機は16bitへと移行していく。
8bitゲーム機の成功が16bitゲーム機へと移り変わっていくワケだが、セガのみ32bitを謳うメガドライブを発売している。
余談だが、メガドライブがどうして32bitなのかというと、メガドライブがメインコアとして搭載していたMC68000というコアは、内部バスが32bitで外部バスが16bitだったからだ。つまり、内部演算は32bitバスを利用して高速演算し、必要な情報を外部に出す際に16bitバスで出力していた(あまりにも簡単に説明しているため語弊があるかも…)という事である。こうする事でコアの価格を安く抑えていた、とも言える。
ま、時代は16bit主流になり、1990年代中盤に入った頃には8bitゲーム機は姿を徐々に消していく。だが、登場したゲーム機の名前を見て分かる通り、8bitゲーム機は現在のゲーム機市場の基礎をかなり強固に固めたと言える。
8bitGが実用化されたら…
あんまり考えたくないが、今回イスラエルの研究チームが開発した副産物のゴキブリPCだが、もしこれが実用化されたら、ある意味とても凄い資源活用になるように思えてならない。
何しろ世間的に嫌われ続けているGを利用するワケで、しかもこのGは絶対に絶滅しないとまで言われている生きた化石である。
簡単な制御に使われる8bit演算機として、Gが手軽に使われる時代…ま、まぁ考えたくもない時代だが、それはそれで資源有効活用の時代なのではないかと思ったりする。
というか、実用化するならもっと別のもので実用化するのが良いのかも知れないが、手軽に交換できる有機的8bit演算機としてお茶の間に定着…したらイヤだなぁ(爆)
性能が欲しい時には複数のGを使って並列処理…とか、考えればイロイロ出てくる。
…出てくるだけで実用化して欲しいワケではないが、こういうバカげた考えが明日の未来を切り開くかも知れない。
誰か冗談でやってくれないだろうか?
もう、イグ・ノーベル賞間違いなしだと思うのだが(核爆)