超小型PCの一環としてGIGABYTEから発売されていたBRIXシリーズの中でも、多少の拡張性と処理能力を持たせたBRIX Proから派生したBRIX Gamingだが、ようやくNVIDIA製ビデオチップ搭載型が出た。
黄緑色の筐体をした凄いヤツ
BRIX Gamingは、発表時はAMDのAPUである「A8-5557M」と同じくAMD製のビデオチップ「Radeon R9 M275X」を搭載したモデルが発表され、海外では発売されていたらしい(国内未確認)。
その時の筐体は赤と黒をベースとした、AMDカラーで発表されたのだが、今回登場したのは黒と黄緑色というカラーリングだった。もちろん、このカラーリングはNVIDIAを意識したものである事は言う迄も無い。
今回発表されたのは、CPUにIntelの「Core i7-4710HQ」もしくは「Core i5-4200H」が搭載され、ビデオチップにNVIDIA製「GeForce GTX 760」を搭載したモデルになるようだ。
このNVIDIAモデルは、7mm厚もしくは9.5mm厚の2.5インチHDDもしくはSSDを1基内蔵可能となっていて、メインメモリ用スロットは、DDR3L対応のSO-DIMMスロットが2スロット用意される。残念ながら現時点では最大搭載メモリ量は不明だが、おそらく8GBもしくは16GBを搭載できるものと思われる。
搭載するインタフェースは、1000BASE-T LANとIEEE 802.11a/g/n/ac準拠の無線LAN、そしてBluetooth 4.0と、ネットワーク関係は実に充実している。
また他に、前後合わせて4基のUSB 3.0ポートを備えており、ビデオ出力はmini DisplayPortを1ポート、HDMI Mini Type C(1.4)が2ポートで、3画面同時出力が可能らしい。この小さな筐体でかなりの事ができる事になりそうだ。
搭載するビデオ性能を考えると…
搭載するビデオチップがGeForce GTX 760である事から、大凡の性能は予測できる。
ハッキリ言ってしまうと、私が現在所有するGeForce GTX 670とほぼ同等の性能を有すると言って過言ではない。
というのも使用するコアがGK104と同じで、稼働させている演算ユニット数がGeForce GTX 670の方が1基多いものの、動作クロックが同760の方が高く、総じて同程度の処理能力を有している、というワケなのだ。
こんな小さな筐体に、ウチと同程度のビデオ性能を詰め込んでいる…それだけでこのBRIX Gaming NVIDIAは詰め込み感がハンパないと言える。
ただ、それだけに問題もある。言うまでも無く熱問題だ。
GeForce GTX 670を使用するウチのPCは、タワー型であり、筐体内に相当な空調環境を用意しているために、熱も大した問題にはならないが、流石にBRIX Gamingの筐体サイズでは満足な空調も得られるハズもない。
しかも、GeForce GTX 670と違い、同760はクロックを上昇させての性能獲得であるため、もともとコアが発する熱量は同670より大きいと言える。
このBRIX GamingのAMDモデルも実は相当な熱を発するという事が、海外のサイトで言われていた。
今回のNVIDIAモデルもその熱問題は同じようで、そのまま使用する事をちょっと躊躇ってしまう感じがしないでもない。
もし、ストレージに与える影響があまりないのであれば、もう筐体をヒートシンクとして筐体そのものを冷やす作戦で使用するのも手かもしれない。
箱型筐体の上に大型ヒートシンクを載せて、それに空冷ファンを付けてみるというのも良いかもしれない。
熱は伝導するモノ全てに伝わるため、筐体が熱くなるのであれば筐体を冷やしてやれば全体の冷却化が図れる。
何かそういう手段を執れば、BRIX Gamingは小型かつ実用的な一台になるだろう。
ちなみに性能だが…このサイズのPCとして文句は付けようがないと言える。
フルHDの解像度でBattleField4がグリグリ動くのだから、実用域かどうかは言う迄も無い。
問題は熱。
それさえ何とかできれば、BRIX Gaming NVIDIAは小型で設置性の良いPCと言えるだろう。