4.2と比較して速度2倍で範囲4倍。
最強の世界共通通信規格
Bluetoothと聞くと、従来は無線LANよりも速度が出ない、通信範囲は小さい、消費電力は無線LANより小さい、というイメージがあるかもしれない。
要するに通信規格としては比較的小規模なイメージだと思う。
そのイメージは半分当たっていて半分外れている。
どちらかというと、指向性のない省電力無線規格というのがBluetoothであり、通信速度は決して遅いという程遅くはない。但し、無線LANが既にGbit通信を可能にしている事を考えれば、やはり速度は遅いと言わざるを得ず、結果、手軽な通信規格という枠に収まっているというのが、現在のBluetoothである。
だが、このBluetoothという規格は、ある意味通信規格としては非常に安定している規格であり、いろんな機器に組み込んで使用する上では扱いやすい規格でもある。
何しろ、この規格に則っていれば、電波試験なども比較的簡易的なもので済んだり、国によっては非常に簡単に通信機器として登録できてしまう利便性がある。
これも、電波による影響が小さいが故の特徴なのだが、やっかいな事に通信周波数帯は無線LANと同じく2.4GHz帯を使用していて、同じ周波数を使用する無線LANと並行して使用していると、無線LAN側が干渉によって速度低下を引き起こすと言われている。
同じ2.4GHz帯を使用するBluetoothは、2.4GHz帯を79のチャンネルに分け、利用する周波数をランダムに変調していくホッピング通信を行うため、Bluetooth側には影響が出ないのかも知れない。
どちらにしても、ペアリングという比較的簡単な手続きによって双方の通信が可能であるため、利用する上でも、製品設計する側でも世界最強の通信規格と言えるのではないかと私は思っている。
便利に使える通信規格
Bluetoothは、小規模通信であるため、通信速度が遅いと思われがちだが、実はBluetooth3.0にバージョンが引き上がった段階で24Mbpsという速度が出る。ADSL時代を知っている人ならわかると思うが、24Mbpsという速度は決して遅いわけではない。
だが、Bluetoothは規格として無線LANとの棲み分けを考えたのか、Bluetooth4.0の段階でその通信速度を落としている。
具体的にはアプリケーションスループットで260kbps、データレートで1Mbpsという速度に規定し、4.2でもアプリケーションスループットを650kbpsに引き上げただけで、データレートは従来通りという速度に規定した。
恐らく、無線LANが5GHz帯を使用してどんどんと速度を引き上げたため、規格として同じような道を辿る事を避けたのではないかと思うが、その思惑は私としても間違っていないと思う。
そして今回、いよいよBluetooth5が立ち上がり、そのデータレートは最大2Mbpsに引き上げられた。
しかし、引き上げられたが消費電力は従来通りで、電波到達距離は2Mbpsで100m、125kbpsなら400mまでに拡大し、その利便性はさらに向上した規格となった。
このBluetoothという規格は、プロファイルによっていろんな使い方ができるのも強みだが、無線LANとは明らかに異なる使い方として、音声通話がある。
ハンズフリー機器にはほとんどがBluetoothが使われ、今ではハイレゾ音楽のコードレスヘッドフォンなどでも使われるに至った。もちろん、送受信が可能であるため、スマホなどの外部機器との接続にも使われ、これもプロファイルの切り替えによっていろいろな通信が可能になるという仕組み故の使い方である。
難しい手続きが不要でいろいろ便利に使える。それがBluetoothの最大の強みであり、今後も搭載機器は増え続けるであろうと思われる。
電波法
先程、製品設計に関しても比較的簡単に搭載可能、と書いたが、実は確かに他規格と比べれば簡単なのだが、それでも最近はこの電波法が高難度化し、製品設計が多少なり難しくなってきたと言える。
日本国内ではそうでもないのだが、EU圏ではRE Directiveと呼ばれる規制がこの6月から始まっており、新たな認証を受ける必要が出てきている。
Bluetoothそのものが認証を受けるのではなく、Bluetooth等の通信デバイスを内蔵した機器を流通させるにあたって、この規制をクリアする必要があるのである。
通信規格が高度化し、どんどんと便利になっている反面、それを搭載する機器に関してはより厳しい規制によってチェックする体制を作っている背景には、とにかく何でもありで製品を出し続ける「大陸国家」の存在が大きいと言われている。
ちゃんとした試験もせずに製品をばらまいたおかげで、ちゃんと試験をしている国が迷惑を被っているというのが現状なのだが、それにEU圏が敏感に反応し、今回のRE Directiveという規制になったようである。
但し、このRE DirectiveはあくまでもEUの規制であって、同じEUに所属する国々であっても、その国々が定めている固有の電波法はまた別に存在していて、その国に流通させるにはその国独自の電波法に準拠する必要がある。
これがEU圏とビジネスをする上でややこしい話になっている要因なのだが、とにかくEUとしての規制だけでなく、各国の国内法にも準拠する必要があるというバカげた規制のおかげで、新製品を設計開発する上では必要な手続きや準備が必要になる事は間違いない。
EU
ちょっと話は逸れるが、現在イギリスではEU離脱の機運が高まっていて、離脱と残留で国民投票が行われる事態に陥っている。
これはEUに所属している事で、イギリスの税金がかなりムダに使われているという話が持ち上がっていたり、難民受入で国民の仕事が難民に流れてしまっているといった国内問題が深刻になったり、またEUの規制が厳しすぎたり、その規制そのものにどんな意味があるのかが不明だ、という事で起きている。
実際、イギリスのとある町では既に住人の4人に1人が難民というところもあり、大規模農場の労働力として難民の賃金の安さから国民の仕事がなくなってきているという話があるようである。
難民問題に関しては、日本ではそうした難民の受入に関して世界でも稀に見ぬ厳しさのある国なので、あまり深く考えたことはないかもしれないが、日本は難民問題に関しては世界的に鎖国状態だという事は良く言われる話である。
一方、そうした日本の難民に対しての厳しさに関して、それを絶賛する人もいる。難民を受け入れる事によって、その国固有の文化が失わないまでも汚されたり、或いは労働力問題に発展したりといった事が起きるためである。
そもそも、難民が増えている現状の方が問題なのだが、世界では未だに戦地から逃れる為に流れている人々が多く、そうした人が巡り巡って欧州の各国、つまりEU圏に散らばって定住先を得ているという現実がある。
この難民受入は、一見人道的に見られるが、それによって本来守るべき自国の人々に問題を引き起こすというのは往々にして起きる事実であり、本来なら難民を受け入れるのではなく、そうした戦地に対して戦争終結に向けて働きかける方が本来の道筋である。もちろんこれが詭弁でしかない事は解るのだが、難民受入は根本解決にはならない事をもっと真剣に検討していく必要がある。
また、EU圏内での税金の使われ方だが…これは国でも同じことが言えるが、税金が集中するところでは、それをどれだけ効率良く運用できるかが、その組織(この場合EU圏本拠地や国家の中心)の善し悪しを決める。
残念ながらEU圏の本拠地ではEUの職員に対しての優遇が半端でなく、とても税金が効率良く運用されているとは言えない状況のようだ。巨大な職員専用のショッピングセンターが作られ、そこでは一般の人が一切立ち入る事ができないようになっていて、その豪華な施設と実際の運用が釣り合っていないといった状況が起きている。
これを見ればEU圏の人々の血税が特定の人たちだけに使われているように診られても仕方が無い話である。
まぁ…先般の東京都知事の件もそうだが、税金という纏まればとてつもなく巨額が集まる場所というのは、往々にしてその運用方法が重要になっていて、その方法を間違えると壮大なムダ使いが発生する。公職に就いている人というのは、そうした責任の名の下に仕事をしているという自覚を持たないと、本当の意味で良い組織(連邦や国家)にならない。
言葉で言うほど簡単な話ではないし、人は完全に他人の痛みは理解できないため、あくまでも人の良心に頼る部分はどうしても出てくるのだが、それが前提にないと根底が崩れる話である。
で、なぜ今回このような話をしたかというと、ちょっと先に触れた「EUの規制が厳しすぎたり、その規制そのものにどんな意味があるのかが不明」というところに、今回のRE Directiveが繋がるからである。
もちろん、全く無意味とはいわない。大陸国家が無制限にちゃんとしない製品を大量販売した事がその引き金になっている為、意味そのものはあるのだが、あまりにも規制が厳しいという面においてはEUの規制にどこまで意味があるのかという疑問はどうしても残ってしまう。
全世界でおそらくEUがもっとも規制に対して厳しい組織なのだが、8歳以下の子供が風船を一人で膨らましてはいけない、なんて規制があるような事に果たして意味はあるのか? と疑問を持つ人が現れるのも、理解できる話である。ちなみに風船の件は「あぶないから」という理由だそうである…。
普及が望まれる
Bluetooth5は、現時点で非常に有効な規格だという事は間違いない。
EU圏がどうこういう問題とは別にして、全世界において策定されればさらなる利便性が増すことは間違いない。
今の時点でWindows10でもBluetooth4.1まではOSで対応しているようだが、今後はもっとその対応を広げ、4.2、そして5の対応へと進んでいってもらいたいものである。
そうなると、今後はPCのオーディオ関係はほぼ全てがBluetooth接続による運用が当たり前になり、ハイレゾであってもBluetoothで対応可能、かつヘッドフォンのみならずマイクも可能、という今の技術のさらなる高速化・利便性アップに繋がっていくように思う。