Windows 10 Anniversary Updateがやってきた。
順当な機能拡張
Windows10はMicrosoftのOSにおいて、今後メジャーリリースがなくなると言われているOSナンバーである。
それだけに、時折大きなアップデートが来る。それが従来のServicePackのような扱いになったり、場合によってはメジャーアッブデートになるのだが、米国時間の8月2日に、以前より予告されていたWindows 10 Anniversary Updateというアッブデートが実施された。
内容はというと、大きな所で言えば以下のような機能が強化された。
・「Windows Ink」が追加されペン入力による手書きが強化。
・Cortanaの情報の保存や呼び出し方法が拡張され、デバイス間の同期をサポート。
・Edgeの省電力性強化。
・生体認証やストア経由での機能拡張対応。
・他、セキュリティ強化
機能的にはこんな感じだが、今回のアップデートでもっとも大きなトピックは、何と言ってもOSのアクティベーション関係の改善である。
DPS版ユーザー万歳
OSのアクティベーション関係が改善される事によって、Windows7等のDSP版からアッブデートしたユーザーが一番メリットを享受する事になるかもしれない。
仕組みとしては、ライセンス情報がMicrosoftアカウントと紐付けられる事によって、PCのハードウェア構成を変更しても容易に再認証できるようになったというのである。
これはDSP版からアッブデートした人からすると相当な利点で、従来だとできなかったハードウェア変更による引き継ぎが可能になるという事を意味する。
場合によっては、全てを新しいハードウェアに変更した後に、最新buildのWindows10を旧DSP版のプロダクトコードを使ってクリーンインストールし、その後Microsoftアカウントでログインする事によって、乗り換えられる事になる。
本当にそれが可能なのかどうかはやってみないとわからないが、説明を読む限りではできそうな雰囲気ではある。もしこれが可能なら、旧DSP版のプロダクトコードがあれば、その後はOSを再購入する必要がない事を意味する。
…Microsoft、売上は大丈夫か?(爆)
ビジネスモデルの変化
もし、前述した事が可能になると、Microsoftの売上は激減する可能性があるのだが、おそらくこれはMicrosoftのビジネスモデルが大きく変化してきた事による結果ではないかと考える。
先日、とあるサイトで見たのだが、MicrosoftのOffice365が相当に好調だという事らしい。
つまり、サブスクリプションモデルになった事で、従来だとコピー商品が数多く出回っていたOffice製品において、安い月額(もしくは一定の年額)によって全てのOfficeスイートが利用できるようになるメリットを考えて、そちらのサービスへ加入したユーザーが激増した、という事のようだ。
Adobe製品も今ではサブスクリプションによるサービスへとシフトしているが、結構好調だという話を聞く。時代はサブスクリプションによる定額継続サービスなのかもしれない。
サブスクリプションサービスの最大のメリットは、バージョンアップ毎に製品を購入しなくてもよい、という事と、月額等安い価格で常に最新版が使えるという事にある。今まではある程度纏まった金額で製品を購入していたものが、月額1,000円以下の金額で最新のソフトウェアが使えるのだから、結構なメリットである。
Microsoftは、従来全くコストに貢献してこなかったコピーユーザーが、サブスクリプションに加入してくれただけで、今まで回収できなかったものを回収する事ができるのだから、売上が激増するのは当たり前。
しかもそれが継続的に売上として計上されるのだから、好調なのも頷ける。
また、先日もMini-STXの話題の時に書いたが、Enterprise版のWindows10において、サブスクリプションによる提供が開始される話があるが、OSすらも場合によって今後はサブスクリプションに移行するつもりのようである。
こういう事から考えて、Microsoftがビジネスモデルを大きく変化させるという事は、当たり前の流れであり、DSP版ユーザーにOSライセンスを下ろす事は、そう大きな痛手にはならないのかもしれない。
Windows 10 Anniversary UpdateによってアップデートされたWindows10は、バージョンが1607、build番号は14393となる。
この一つ前がバージョン1511でbuild番号10586だったので、まだこのバージョン及びbuildの人は、今回のアッブデートをすぐにでも適用するのが良いだろう。