入手困難なニンテンドーファミリーコンピュータクラシックミニ。
需要はまちがいなくある
発売されたニンテンドーファミリーコンピュータクラシックミニ(以下NFCミニと略)だが、各所で売り切れ続出しているそうで、Amazon.co.jpなど一部では異常な高騰に見舞われているようである。
もともと、コノ手のレトロゲームの需要はあった、と私は見ていて、NFCミニはそれなりに売れるだろうと思っていたが、その予想を遙かに超える需要だったようである。
このNFCミニと似たような時期に、海外でもNESクラシックミニ(以下NESCミニと略)が発売され、Amazon.co.jp等で瞬殺されるという事案がある。
今の映像媒体では当時の接続端子であるRFコンバータによる接続ができない為、メカに強い人達の一部では強引にコンポジット出力にしたり、或いはツインファミコン(シャープ製のディスクシステム内蔵型。コンポジット出力を標準で持っていた)を何とか入手してプレイしている、というツワモノもいるようだが、メーカーが直にHDMI端子をもった機器を発売すれば、そうした需要はもっと広い層にまで届くわけで、需要は一気に拡大しても不思議ではない。
その結果が、NFCミニやNESCミニの爆発的ヒットなワケだが、当の任天堂はこれを予測できていたのだろうか?実際に販売した台数がどれほどのものかはわからないが、何となく、需要に対しての供給量が少なかったように思えて仕方が無い。
国内と海外で違う
NFCミニは、オリジナルの60%ほどのサイズに収まっている。これは以前にもBlogに書いた事だが、この本体の大きさそものは問題にはならない。実際に当時のカートリッジを挿せない仕様だから、これは致し方がない。しかし、問題なのはそれに付随するコントローラーもオリジナルの60%のサイズに収まってしまっていることで、それによって非常にプレイしづらい環境になってしまっている。ところが、これがNESCミニだとコントローラーはなんと専用端子による取り外しが可能で、しかも付属するコントローラーはオリジナルサイズと同じになっていたりする。
本体はNFCミニと同じく小型化されている。だが、このコントローラーの違いは如何ともし難い操作感の違いを生んでいるのである。
何故にNFCミニは取り外しもできず、しかもサイズも60%なのか?
おそらくはミニチュア感を出す方が日本人好みになるだろう、という判断からサイズは本体に合わせられたのだろうが、それならばせめてUSB端子による取り外しを可能にし、USB接続よる別コントローラーの利用を想定するとか、或いはWii用コントローラーの利用を可能にするとかしてくれればよかったのに…と思わざるを得ない。
おそらく、各所でコストダウンする必要からそうした取り外すというギミックそのものを想定していないのだろうが、それなら海外版だって同じことが言える。海外版ではできていて、国内版ではできない…というのもオカシな話で、どう考えても日本市場をナメているようにしか見えない…というのは言い過ぎだろうか?
分解すればわかる
かつてファミコンを飽きるほどプレイしていた今の大人たちの中には、今回のNFCミニに関して私と同じ不満を持った人もいたようで、実際に分解してその構造から改造するという手段に出た人もいる。
「まず分解」さんのサイトでは、細かな分解情報が書かれている。これを見れば大体の人は分解まではできるだろう。
また「kako blog」さんの所では、さらに一歩踏み出ていて、NFCミニのコントローラ制御チップがWiiの制御チップと同じである事を突き止めていて、制御基板を接続、そのままWiiやスーファミのコントローラーを使用できる事を実証している。
…いやぁ、かつてファミコンで遊んでいた大人たちの中には、猛者もいるもんだな(爆)
おそらくだが、これだけのNFCミニの需要があると改造キットがどこかしらで作られ、販売されるのではないかという気すらしてくる。
また、これらの情報から、無線コントローラーの接続も可能なのではないかという情報を掲載するサイトもあり、ハードウェアですら遊んでしまおうという人達がいるという事実もある。
これぐらいの人達がいるという事実からしても、そもそも需要が相当あったと見るべきで、個人的にはこのNFCミニのソフトウェアの追加であったり、今後に発展するものを検討すべきだったように私は思う。
今のままでは、このハードウェアはコレ単体で終結してしまっているので、実に持っていないハードになってしまっている。
中身は高性能
実は今回発売されたNFCミニもNESCミニも、中身は実に高性能なハードウェアを実装している。
CPUはARMのCortex-A7クアッドコア、GPUにMali400デュアルコアを搭載した、ALLWINNER社のALLWINNER R16というものを搭載している。スマートフォンなどでも使用されているものであるから、かつてのファミコンソフトを動作させるなど造作もない能力を持っている。
また、メモリもSK hynix社H5TQ2G63GFRという、256MBのDDR3 SDRAMを搭載している。この容量から考えてもファミコン時代のソフトでは有り余る広大なメモリ空間と言える。
そして30種のソフトが格納されているのは、MACRONIX社のMX30LF4G18ACという512MBのSLC NAND Flashメモリ。Flashメモリという事を考えれば書き換え可能かもしれない。まぁ…実際に書き換えできるかどうかはわからないし、実際問題現状でどれほどの容量を使っていてどれほど余っているのかもわからないが、もし余っているようであれば(多分余っているハズ…)、ソフトの追加も可能かもしれない。
おそらくだが、この部分はNFCミニもNESCミニも同じ基盤のハズである。内蔵しているソフトに違いがある関係から、ソフトの格納メモリがFlashメモリになっているのだろうと思うが、個人的にはソフトはROMで焼いて欲しかったところ。ROMであっても、ROMライターを使えば書き換える事は可能なわけで、恒久的なハードウェアと位置付ければ、Flashメモリというのはちょっと不安が残るのは否めない。
他社も続いて欲しい
まぁ…他社といっても、もう残るはセガくらいしか残らないのだが、ぜひとも、セガからもマークⅢやメガドライブで同じようなコンセプト製品を出してくれないかな、と思う。
海外ではどちらかというとこちらの方が需要があるだけろうし、たしか南米ではメガドライブが未だ現役で、つい最近新型メガドライブが発売されたとかいう話があったような…。
どちらにしても、最近の複雑化したゲームよりも昔の単純明快なものが良いという風潮は、意外と低い年齢層からも需要がある、という調査を各メーカーはやってみると良いかもしれない。
そうすれば、昨今のスマホゲームが何故売れたのか、という理由も見えてくるだろうし、逆にコンシューマ用でも何に注力すれば魅力あるソフトになるのかが見えてくるかも知れない。