続いてRyzen 5シリーズ発表。
4月に発売
8コア16スレッドのRyzen 7シリーズが発売され、その後の製品は後ろにずれ込むという話だったが、早速Ryzen 5シリーズの発売が発表された。
4月11日に発売されると公式に発表があったワケだが、おそらくこれは現地時間での話なので、日本では4月12日に発売される事になるだろうと思われる。
Ryzen 5シリーズは全部で4種類が発売され、1600X、1600、1500X、1400のモデルナンバーが割り当てられている。
この4製品すべてが倍率ロック解除仕様になるあたりがIntel製品と異なるところで、設定でより高性能に追い込む事ができるのがAMD製品の面白いところと言えるだろう。
当初、2017年第二四半期と言われていたところに4月発売となった背景には、いろいろな理由があるのだろうと思う。
ここからは私の邪推だが、どうして前倒しになったのかを考えて見たい。
歩留りの関係か?
Ryzenは物理4コアを一つのまとまり(これはCCXと呼んでいる)として構成されていて、Ryzen 7シリーズはこのCCXが2個で構成されている。
これら2個のCCXが同じシリコンダイに載っているのかどうかはわからないが、おそらくRyzen 5の6コア12スレッド製品は、一つのCCXの中の4コアの内、1コアが潰れたもの(あるいは潰したもの)を2つ、つまり3コアCCXを2個使用して6コア12スレッドを実現している製品ではないかと考えられる。
また、4コア8スレッド製品に関しては、一つのCCXの中の4コアの内、2コアが潰れたもの(あるいは潰したもの)を2つ、つまり2コアCCXを2個使用して4コア8スレッドを実現している製品と考えられる。
つまり、歩留りにより、上手く動作しないコアが存在するCCXの再利用でRyzen 5を製品として準備すれば、Ryzen 7シリーズの製造で落ちた部材で作れてしまうわけである。
当初、4コア8スレッドのRyzen 5は、CCXが1つで構成される非常に小さなコアになるのかと思っていたが、歩留りを考えれば2コア+2コアで構成する方が生産性は上がる。
この歩留り上Ryzen 7になりきれなかった製品をRyzen 5とすれば、確かに4月発売にこぎ着ける事は可能だろう。
4コアは2種類ある?
この予測を裏付けるような話もある。
いつも私の情報源になっている「北森瓦版」にも記事になっているのだが、フランスのCanard PCのツイートによると「最初のRyzenの4コア製品は3.2GHzを超えられず、予想より低い周波数に留まる」というのである。
もし、これが4月に登場するRyzen 5の話だとすると、今回の発表と食い違いが出てくるわけで、真実とは思えない。だとすると、この話題でいうところの4コア製品は、CCXが1つで構成されるRyzenシリーズと予想できる。
という事は、Ryzen 3シリーズはCCXが1つで構成されるものになり、それ故に発売が2017年後半にズレ込むという事ではなかろうか?
また、おそらくこのCCXが1つで構成されるZenアーキテクチャは、GPUのVegaアーキテクチャと組み合わせてAPU“Raven Ridge”として登場すると思われる。その“Raven Ridge”は、Zen 4コア+Vega GPU 11CUという構成になると予想されている。登場は2018年と言われているが、構成を見る限りCCXを1つ搭載し、それにVegaのGPUユニットを混載すれば、APUのサイズとしても妥当なダイサイズに収まるのではないかと思われる。
とりあえず、今の所いろんな情報が錯綜しているところもあり、何が正しくて何が間違っているのかもハッキリしていない。
ただ一つ確実なのは、Ryzen 5シリーズは4月11日(日本時間4月12日)に発売され、思っていたよりも早い時期に登場する、という事である。
そしてその翌週ぐらいに、Radeon RX 580、570がローンチされ、一度メイン製品が落ち着くという事である。
だが、自作PCマニアはRadeon RX 580ではなく、Vegaを注視しているハズだし、Ryzenに関しても7シリーズの今後を見据えているケースが多いと思う。
こちらにしても、マザーボードの安定性などまだまだ改善できる部分は多く、今よりも性能的に伸び代が期待できるだけに、AMDフィーバーは続きそうである。