左右分離イヤフォンはまだまだ進化する?
Appleと最高の相性保障
Beats by Dr. Dreが、左右分離イヤフォン「Powerbeats Pro」を5月より発売する。価格は24,800円で、取扱店舗はApple StoreとBeats正規販売店となる。
この「Powerbeats Pro」は、フィットネスイヤフォン「Powerbeats」を左右分離型にしたワイヤレスイヤフォンで、カラーはアイボリー、ブラック、ネイビー、モスグリーンの4色が用意される。Appleが開発したH1チップを搭載しており、iPhoneなどのiOSDeviceとワンステップでBluetooth接続が可能になっている。
クラス1のBluetoothテクノロジーを採用しており、広範囲な通信距離と複数デバイスとの安定接続を可能としていて、音の途切れを抑制しているという。
また、内蔵センサーでイヤフォンと耳の接触を感知できるようになっており、音楽再生と停止の操作が自動で行われる。
本体にはビームフォーミングマイクや直接操作できるハードウェアボタンも備えており、さらに特別な操作なしに「Hey Siri」と呼びかけると、連携しているiOSデバイスのSiriを呼び出すことができるようになっている。
また、耐汗、防沫仕様となっていて、スポーツでの利用も可能となっている。
持続力はある
この「Powerbeats Pro」だが、バッテリーの持続時間は9時間となっている。
マグネット開閉式の充電ケースと組み合わせる事で、最大24時間再生が可能で、さらに急速充電機能も持っている。5分の充電で最大1時間半、15分の充電で最大4時間半の再生が可能なほどの急速充電性能である。
最近のワイヤレスイヤフォンはほとんどのものが結構な持続時間を持つようになった。
充電機能を持つケースと合せれば、それこそ15時間とか24時間とか、ほぼ困る事のない時間の利用が可能になってきている。
それだけに、以前よりはずっと使いやすいといえる。
また、左右分離型という事で気になるのはその左右の通信の途切れだが、ここ最近のものは処理能力が高まっている事もあって、比較的途切れる事がない。
Qualcommのチップを使っているものは、左右それぞれが大元のデバイスと通信する事で途切れがなくなる仕様だし、Appleのものについても、コントローラーとなるチップの新開発品で、そうした途切れに強い性能を持つに至った。
ただ、左右がそれぞれ大元のデバイスと通信するタイプは、大元のデバイスで2つのイヤフォンを認識するので、Bluetoothで通信しているデバイスが2つ登録される事になる。個人的にはちょっと違和感を感じる部分ではある。
AppleのH1チップを搭載したモデルは、どのような認識で動作するかは未確認なのでわからないが、わかりやすい見た目である事を祈りたいところである。
左右の音の途切れに関しては、従来通り片側のユニットが大元のデバイスと通信し、その後もう片方のユニットと通信して音声データを送受信するタイプがもっともスタンダードだが、問題はユニット同士の通信が頭を間に挟んで行われる為、大量の水分によって通信を阻害されるところにある。人間の頭というのは思いのほか水分量が多いのである。
この問題を解決する為に、医療系の通信波であるNFMIを使うという手もあるが、パテントの問題で別方式を探った結果が、Qualcommの方式だと思われる。
ま、使う側からすればどちらでも問題はないのだが、それぞれの技術は一長一短なので、今の所最適解がないのが現状である。
そろそろ買い時
左右分離型のワイヤレスイヤフォンは、この「Powerbeats Pro」も含めて、最近はめっぽう通信に強くなったので、今はまさに買い時になったと思う。
音質に関しても、現状で最高のハイレゾ音楽を外で求めるという人でない限りは満足できるものだと思う。
外でもハイレゾの音楽を楽しみたい、という人は、もう有線からは離れられないと思う。
一応、ワイヤレスでもハイレゾを聞けるというコーデック等も存在はするが、こちらが全てに対応するのはまだまだ先だと思う。権利的な問題もあるだろうし、そもそも通信ビットレートの問題もあるので、解決が難しい。
だが、実際の音質はそうしたビットレートだけの問題ではないので、最近の各社はドライバーユニットの改良によって音質向上を狙っているように思える。
BOSEなどは、未だにコーデックとしてSBCを採用しているレベルである事を考えると、通信コーデックにはあまり拘りがないとすら見える。
なので、最上級を求めない限りは今の左右分離型ワイヤレスイヤフォンでもワリと良い音は聴くことができるので、今まで買おうかどうしようか迷っている人は、買い時になったと思っても差し支えないと思う。
一度ワイヤレスを経験すると、この便利さは何ものにも代えがたいと思うようになる。
一度試してみる事である。