Qi2の充電器を使い始めたが、結構便利。
EPP規格とMPP規格
TDKがEPP規格とMPP規格の両方に無接点充電に対応する超薄型パターンコイルの開発を発表した。
なんのこっちゃと思うかもしれいないが、これらはQi規格で使われる充電規格の事である。
そもそも、QiはBPP(Baseline Power Profile)規格プロファイルがバージョン1.0及び1.1で使われ5Wでの充電が可能になったが、その後拡張規格としてEPP(ExtendedPowerProfile)規格プロファイルで15Wでの充電が可能になった。
それが今ではQi2となり磁力で接点を吸着する規格に進化し、それで使われるプロファイルがMPP(Magnetic Power Profile)となるが、問題はこのMPP規格で使用される磁石の関係で、EPPとMPPの両規格を同時に満たすためには、磁石の外側にもコイルを設置する必要があり、磁石が外側に配置されるコイルに影響して充電効率が下がってしまうという課題が従来存在していた。
なので、Qi2のみに対応した製品と、Qi対応製品と別で発売する事で、Qi2規格の性能を発揮させるという製品が大多数を占めるわけだが、今回のTDKの超薄型パターンコイルを使用すれば両規格に対応した製品を作る事ができる、という事になる。
このパターンコイルがあれば、規格の違いを意識せずに充電器を選ぶ事ができるようになるわけである。
Qi2規格の充電器
私もiPhone13 Proを使い始めたのと同時に、充電のためにQi2規格の製品を使い始めた。
今まではLightning端子にコードを接続して充電していたものが、充電器の上にポンと置くと、磁力で適切なところにくっついて15Wの出力で充電が始まるというのは、今まで感じる事のなかった便利さで、今ではスマホの充電となればQi2が当たり前、みたいな感じになっている。
そもそも、物理的にコードを繫ぐという事を繰り返していくと、その摩擦からコネクタの受け部が故障する。もちろん簡単には壊れないが、接触端子はみな同じ定めにある。
しかし無接点充電ならその心配はない。
なので、当初はQi2規格の充電器を使うかどうしようか考えたのだが、使ってみる事にしたのである。
購入したのはエレコム製の「EC-MA01SV」という型番のもの。
4,000円ほどの価格になるが、Qi2規格で15Wでの充電が可能だし、ちゃんと磁力でiPhoneの裏に張り付いてくれる。まぁ、規格で決まっていることだから当たり前といえば当たり前だが、これをUSB充電器経由で使用している。
この製品の唯一のマイナス点は、PCのiTunesでバックアップを取っている私からすると、PCと同期が充電と同時にできないという事が唯一のマイナス点である。
ま、そこまで頻繁にバックアップを取る必要が無いとなればこれでも問題はないのかもしれないが、充電するのにPCとの接続が不要になった、と逆に考えれば、Qi2での充電はとても便利なものと言えよう。
iPad Proは従来通り
このようにiPhone13 Proで無線充電になれてくると、今度はiPad Proに不満が出てくる。
コイツは普段、Magic keyboardと一緒に使っているので、Magic keyboard側のUSB Type-Cコネクタ経由で有線で充電している。
iPad系は公式には無線充電に対応していない。
PITAKAというメーカーの製品を使うと、iPadのカバー内にコイルを仕込んで擬似的に無線充電できるような形を取ることはできるが、公式には非対応である。
おそらく、AppleとしてはQi2規格がMagSafe規格をベースに固まったので、今後無線充電に乗り込んでくる可能性もあるが、案外iPadにMagSafeの磁力接点による充電を搭載して、MacBookと同じ手法による充電に対応してくる可能性もある。
コードを引っ掛けてデバイスをすっ飛ばすという事が無くなるという安全性を考えれば、MagSafeの磁力コネクタは魅力的なので、案外そういう手段の方がAppleらしいのかもしれない。
ただ、今度の新型iPad Proのあの薄さを考えると、磁力接点のMagSafeに対応させるよりも、Qi2に対応させる方が簡単かもしれない。…本体が薄すぎて搭載が難しいのはどっちになるのかはわからないが。
と言うわけで、実際にQi2による充電を使ってみて思ったのは、とても便利だという事である。
手持ちのワイヤレスイヤフォンであるSonyのWF-1000XM4もQiによる無線充電ができるので、それも合わせてとても便利になった事は言うまでも無い。