この土日に第1期から第2期まで一気に見た。
高視聴率番組
第1期の時も平均視聴率が20%を超え、そして第2期に入ってもその勢いが全く衰えなかった人気ドラマ「半沢直樹」だが、実は私は今までこのドラマを全く見ていなかった。
面白いという事は世間の情報から知ってはいたが、なかなか見る機会に恵まれず、今まで一切見ていなかったのだ。
それが、ふとした事で見る機会に恵まれ、この土日に一気に第1期10話、第2期10話の計20話を見る事となった。
人気作をここまで連続で見ると、ストーリーの繋がりがハッキリ認識でき、ハマり具合が尋常でない状況になる…という事は予想はしていたが、もう途中でどこで見るのを止めていいのかわからなくなるぐらいのハマり具合で一気に20話を完走した。
なるほど、人気が出るのがよく分かる作品だと、見て初めて納得した。
それと同時に、テレビがオワコンだ、と言われている状況は、実はそうではないという事も見えてきた。
人々はテレビ離れをしたのではなく、引き込まれるコンテンツに出会えていなかったのではないか? と、クリエイターにはちょいと都合の悪い感想を持った。
何しろ、この「半沢直樹」という作品は今の状況にあって平均視聴率22%以上という数字を叩き出したのだから、テレビでもそれだけの視聴率を得られるという事を証明してしまっている。
「半沢直樹」に出来た事が、他作品で出来ないとなると、それはテレビ離れしている世の中が問題なのではなく、作品に問題があるのではないか? と疑わざるを得ないからだ。
確かに、人々の娯楽に使う時間の奪い合いは、昔よりも選択肢が増えた分、テレビの視聴率を上げる事は難しくなっている。だが、一方でその状況下でありながら視聴率を取っている作品があるのである。
クリエイターに取っては何とも頭の痛い事実ではないだろうか。
パターンの美学
よく、ワンパターンという言葉がつまらなさを象徴する言葉として使われる事がある。
だが、このパターンに当てはまってしまう作品は、案外と視聴率が高かったりする。
ワンパターンを嫌い、とにかくパターンに陥らない作品を作ると、新鮮味はあるものの、面白さが伝わるかどうかが結構微妙になる事が多いが、パターンに填まる作品は、オチが見えているにも拘わらず、人気作となる事が多い。
問題は、このワンパターンな流れに入るまでの過程に予想を裏切るような、或いは予想できない仕掛けが施されていれば、或いは予想を裏切る見せ方があると、人々はワンパターンを嫌う事なく、その作品にハマっていくという事である。
半沢直樹など、よく見なくてもパターンの連続である。主人公が何かしらの罠にハマり結果危機に陥り、そこから罠の仕組みを紐解き、最終的には倍返し…これがパターンである。
だが、ほとんどの人は半沢直樹のストーリーの流れをワンパターンと認識していない。いや、認識しているかもしれないが、パターンだからツマラナイ、としていないのである。
見せ方の工夫とオチにひっぱりこむ手法で、ワンパターンがワンパターンに見えていない。少なくとも、20話連続で見た私はそう感じた。
スピンオフ作品
非常に高い視聴率を維持した半沢直樹だが、既に続編とスピンオフ作品の制作が決まっているようである。
続編となると、中野渡元頭取(作中には退任している)や大和田常務(こちらも退任している)がいない作品を作る事になる。ある意味、半沢直樹という作品の牽引役がいなくなるワケだが、新たな難問を与えることで従来と同じような路線にする事はできる。あとはキャストの問題であり、続編そのものに大きな問題があるとは考えにくい。
だが、スピンオフ作品となると結構博打的な要素を持つのではないかと思ってしまう。
誰を主役とするのか?
この主役の据え方で、作品のイメージは大きく代わり、善悪の概念すら一変する。
大和田常務のスピンオフ作品になるのではないか? などとも言われているが、その作品を上手く作り込むのは、相当に大変だろうと思う。
ま、今の時点では決まっている事などほとんどないだろうから、静かに続報を待つしかないのだが、人気作に連なるものだけに、非常に気になる。
スタッフは大変だろうが、視聴者を飽きさせないものにしてもらいたいものである。