定番ばかりだが、定番だからこそ使いやすい。
システム手帳として使うために
iPad Proを使い始めるにあたり、私はiPhoneの設定をそのままiPadに適用する事をしなかった。理由はiPhoneで使用しているアプリとは明確に異なるアプリで構成したかったからだ。今現在、iPhoneに入っているアプリの中で、使用しないアプリが必ずある…そう思って、あえて同一環境にしない道を選んだのである。
もちろん、同一のアプリをインストールする事はあり得る。それは選択した結果として同じアプリをインストールしているのであって、無条件にインストールしたものとは異なる。
というわけで、ゼロからiPad OSを使っていく上で必要と思うアプリを厳選しはじめた。
まず必要なアプリとして、スケジュール管理のアプリを選ぶ事にした。
最終的に選んだのは「Pencil Planner」というアプリ。
インストールは無料でできるが、お試し3日間を過ぎると年額2,100円かかるアプリである。最終的にコイツは年額を支払う価値があると判断し、サブスクリプション契約した。
「Pencil Planner」がとても良く出来たアプリだという事は、この動画を見ると解りやすいのではないかと思う。
平岡雄太氏という、iPadなどのデバイスをYouTubeで紹介している人のチャンネルで紹介されたのだが、これがわかりやすいのではないかと思う。
「Pencil Planner」の良い所は、iPadの標準カレンダーアプリを経由する事で、Googleカレンダーと連携して使えるのは当たり前、そこから、月単位のスケジュールにApple Pencilで手書き情報を書き込むと、その情報が週単位のスケジュールにも連動して表示されるという所。つまり、一度どこかに書けば、他のレイアウトにしても同じ内容が連動して表示されるのである。コレ、出来て当たり前では? と思うかも知れないが、実はできるアプリはほぼないのである。月単位に書いたものを週単位にも自分で書き足す必要があるのが普通なのである。ちなみに日単位にも連動して表示される。
その変わりできない事もある。それは月単位のレイアウトに、日をまたいで何かを書き足そうとしても、一日の枠の部分でしか書けないのである。つまり、日単位で手書き情報を管理しているというわけである。
その他にも日付やタグと紐付ける事ができるノートという機能があり、そのノートを上手く使えば、カレンダーとも紐付ける事もできるし、特定の項目を紐付ける事でタグのように纏めて管理する事ができたりする。
詳細は前述の動画に紹介されているので、そちらを見ていただければ良いと思うが、一つある欠点を除いてほぼ完璧なスケジュールアプリである
その一つの欠点とは…写真を貼り付けることができない、というもの。それができるようになると、いくつかのアプリが不要になる事間違いなしである。
今後のアップデートに期待したい。
ノートアプリ
何かの記録をとる際に使用するアプリとして、何を使うか考えた。
実はMacを使っている時から、標準のメモを使っていた。理由はiPhoneとiCloud経由で共有化できるので、確認したい時はiPhoneからサッと見る事ができるというのが便利だったからだ。
なのでそのまま標準のメモを使う事も考えたのだが、手書きという部分にもっと利便性を求めて違うノートアプリを検討した。
そこで見つけたのが、これもド定番の「Good Note5」である。価格は980円と有料なのだが、定番と言われるほど優れた手書き機能が魅力のノートアプリである。
機能などの説明は…先程の平岡氏の動画がわかりやすいだろう。
とにかく、手書きだけでなく活字テキストも含めて書き込める便利なノートアプリなのだが、私がこのGood Note5を購入したあと、無料で使えるツールを見つけてしまった。
それが「CollaNote」である。
Good Note5ほど高機能ではないが、手書きノートとして必要十分な機能を持つアプリなので、980円を支払うまでもないと思われる人はこちらを使ってみてはどうだろうか?
おそらく、最終的に複数のノートを取り始めるとGood Note5の方が便利になってくるとは思うが、使い方がそこまで高度な事を求めないのであればCollaNoteでも十分かもしれない。
…いや、その前に標準のメモアプリでも十分かもしれないが。
意外と便利な…
これら以外にももちろんいろんなアプリも視野に入れているが、その中でも特別便利かなと思っているのが「PDF余白調整」である。
機能は…アプリ名が示す通り、PDFに余白を作ったり逆に余白を削ったりする事のできるアプリである。
ほとんどのケースで考えられる用途は、PDFに余白を作るという機能で、余白を作ってそこに資料の補足とか修正指示とかを書き込むという使い方。
Wordとかだと、校閲機能としてコメントを入れて修正指示したり、疑問があればコメントを入れる、という使い方ができるが、その他の資料とかだと案外これが難しい。
PowerPointだと生データなら吹き出しとか入れてコメントする事も出来なくはないが、全体のスライドのバランスを崩す事にもなるので、イマイチ使い勝手が良くない。
だが、それらを一度PDFにしてしまい、この「PDF余白調整」を使って、元々の記事を縮小してPDFとして保存できれば、その余白にコメントや修正指示を“手書き”で入れて再びPDFとして保存、それを相手に送れば的確な内容で伝える事ができる。
はじめてこのアプリを知ったときには「ああ、なるほど」と本気で思ってしまった。
この手法が優れているのは、扱えるのがPDFだという事。PDFは読めない端末が現在はほぼないので、そのPDFを使えばどういった環境の人でも情報を伝えることができるので、これで意思表示できるという事がポイントなのである。
「PDF余白調整」は、元のPDF資料をそのまま縮小する事で余白を作るだけのアプリだが、その事がもっとも重要な事なので、それを簡単に提供してくれるというところが優れている。余計な機能は不要なのである。複数の人と資料のやり取りをする人は使ってみる事をお薦めしたい。
あと…これは本来ならAppleが次のiPad OSで標準機能にしてもらいたい機能なのだが、クリップボード拡張機能が今のiPad OSにはないので、そうしたアプリもあると便利かもしれない。
コピー&ペーストは、今の業務の中では比較的行われやすい動作だが、基本機能ではコピーできる情報は1つのみなので、何度も繰り返す必要があり、非常に面倒である。
だが、そのコピーを複数おこない、それらを履歴を遡って貼り付けられたらとても便利である。
それがクリップボード拡張機能というものなのだが、PCの場合は大凡これらの機能は標準的に備わっている機能である。…macOSには標準でないかもしれないが。
iPad OSの場合、いくつかアプリがあるのだが…正直決定的に「これ」と思えるものが見当たらない、というか、一つあるのだが、780円という有料なアプリになる。
価格的に見合っていないとはいわないが、本来OS側が持っていても良さそうな機能なので、ちょっと躊躇っている。
そのアプリというのが「Yoink」というアプリで、コイツをSlide Over(もしくはSplit View)で表示しておくと、他に起動しているアプリの中でコピーをとると、そのコピー内容をYoink内にコピーした内容が追加されていく。連続してコピーして次々とコピー内容を記録していき、今度は貼り付けたいアプリの上へ、そのコピーしたデータをドラッグして貼り付けてやれば、今までコピーしたものを遡って好きなところに貼り付ける事ができる。Windowsとかだと、ドラッグしてペーストという訳にはいかないが、iPad OSの場合はそれをドラッグ&ペーストで貼り付けられるのが直感的で素晴らしい。
これも平岡氏の紹介動画があるので参考までに。
PCの代わりにできるが勝手が違う
とまぁ、まだまだ追加しているアプリは多いし、まだ迷っているアプリも多い。
これらのアプリを上手く使いこなせば、確かにiPadはPCの代わりになる、と思えてくる。
ただ…どうしてもiPad OSではPCに叶わないところがある。
それがファイルマネジメントの部分である。OSが標準的にそれらの機能を持っていない事が原因で、iPadでは保存されるファイルデータは各アプリ内に紐付けられる。アプリによっては、アプリ内でCloud上にデータを保存できるものもあるが、アプリとファイル管理が基本的に別になっていないので、ファイルはアプリ内に保存される仕組みになっている。だから、もしデータを他に移動させたいと思ったなら、ファイルマネージャ…例えばiPad OS標準なら「ファイル」、アプリなら「Documents」のようなものを使うしかない。
ココがPCと唯一異なる部分であり、それ故にPCをメインで使っている人にはわかりにくい部分である。まぁ、一度概念を理解してしまえばそうでもない話なのだが、それ故にファイルを別に保存する際にひと手間以上の手間をかける必要がある。
コレのファイルのやりとりがPCと同じレベルになると…ノートPCとの差はまるっきりなくなる事になるので、今後どうなるかはわからないが、AppleはどこかのタイミングでmacOSとiPad OSの統合を行うかもしれない。
ハードウェア的に似通ったスタイルになったMacとiPadであれば、開発プログラムのリソースを考えれば統合する方が合理的だ。
どのような方向になっていくのか、ある意味楽しみである。
注:
本Blogに平岡氏の動画を紹介・引用させていただいたが、問題がある場合は削除します。平岡氏から許可を得たものではなく、単純に私が参考になると思って掲載した次第である。