月刊Stereo 2013年8月号の付録スピーカーをバックロードホーンエンクロージャに昨日組み込んだワケだが、そのスピーカーで実際に聞いてみた。
普段、私が使用している環境と比べて…というよりは、純粋に音としてどんな印象か? という事を中心に書いてみたい。
とりあえず普段はVictorのウッドコーン“SX-WD30”を使用している。9cmのフルレンジだが、コーン紙ではなく木材で作られたコーンである事が特徴のスピーカーだ。
で、昨日作ったスピーカーをこんな感じに配置した。
接続したアンプはDigiFi No.7に付録として付いてきたOlasonic製のUSB DACで、音の良さは実証済み。価格の割に実にクリアでパワーのある音を出すアンプである。
スピーカーにクラフトテープが貼ったままだが…気にしないようにw
で、実際に音を出してみた感想だが…ハッキリ言うととても1つ1,500円以下のスピーカーユニットとは思えない音が出ている。
今回、Stereo 2013年8月号2,990円、エンクロージャキット3,990円と合計でも6,980円でこの1対のスピーカーが完成している。つまり1スピーカーあたり3,490円という事になるが、この音はとてもそんな価格の音ではない。
考えていたよりもずっと低音が出ていて、迫力ある音が得られている。おそらくバックロードホーンという構造がその低音を実現しているのだろうと思うが、強調のされかたが他の音域より明らかに強調されていて、とても5cmユニットからの音とは思えない音に豹変している。
ただ、この低音が強調される事によって、中音域から低音域にかけての音の存在感が薄くなっているのと、高音域も低音に圧されてしまっている感じがする。その事で音が丸みを帯びた感じがするのかもしれない。
そう考えるとここまで低音が主張しないハズの、もう一つのエンクロージャキットであるダブルバスレフ型なら、もっと聴き応えあるスピーカーになるのかもしれない。
このスピーカーをテストしていて思ったのは、音楽でなく映像を観ている時の方が感動を覚えるという事。
ガールズ&パンツァーは、戦車の音を実にリアルに再現しているが、その音がこのスピーカーではとても良く聞こえていて、また迫力ある音になっている事に気づいた。いつも使っているSX-WD30よりもこの点に関しては上回っている感じで、とんでもなく良い音になっている。
逆に言うと、そうした機械音はSX-WD30のウッドコーンは苦手としているのかもしれない。
ただ、全体的な解像感はSX-WD30の方が上回る。ま、2万円台後半のスピーカーと6,980円のスピーカーを比べるのも酷な事ではあるが、今回のスピーカーはコストパフォーマンスは抜群だという事に変わりはない。
前述した通り、このスピーカーが1対で6,980円という価格というのは、激安と言う他ない。
もちろん市販品にはもっと安いスピーカーもあるし、小型のスピーカーもある。だが、小型であればあるほど音は犠牲になるし、安ければ安いほど音は劣化する。
小型でかつ安い。その最小公倍数がこのスピーカーではないかと思う。
既に売り切れになっているかもしれないが、小型かつ良質なスピーカーが欲しいという人は、検討してみてもよいのではないかと思う。
自作エンクロージャにしても、バックロードホーン型はもうないかもしれないが、ダブルバスレフ型ならまだ入手できるのではないかと思う。
手軽に自作できるスピーカーでこの価格、そして性能なら他の人にもお勧めしたいスピーカーと言えよう。