アフターバーナーというゲームが登場したのは1987年の事。
当時、まだSEGAが大型筐体をリリースしていた全盛期の作品で、前年の1986年に公開された映画「トップガン」の影響もあって世界的ヒットを記録したゲームだった。
当時はまだ家庭用ゲーム機とアーケードゲーム筐体との性能差が著しい時代だったため、このアフターバーナーが家庭用ゲーム機に移植されるという話が出ただけで話題となった。
そんなアフターバーナーの登場から20年。
続編とも言えるアフターバーナークライマックスというゲームが登場した。
ゲームの内容はほとんど同じという、昨今のゲームとしてはかなりシンプルな内容で、基本的には迫ってくる敵を撃墜するだけ。
前作と違うのは、自機をF-14Dスーパートムキャットだけでなく、F-15EストライクイーグルとF/A-18Eスーパーホーネットの3機から選ぶ事ができるようになり、またダメージ制へとルールも変更、クライマックスモードという得点を稼ぐ事ができる特殊モードを発動できるようになったり、また途中で緊急ミッションが発動したりと、細かい部分でいろいろ変更はされている。
しかし、自機を選べるようになったとは言ったものの、性能に差があるわけではなく、またクライマックスモードも単純にスローモーションになってミサイル無制限、スコア2倍という味付け程度。基本的な部分はやはり何も変わっていないとすら言える。
そんなアフターバーナークライマックスが今年の4月21日にPS3とXbox360にソフトウェア配信され、家庭でも遊べるようになった。このBlogでも以前記事にした事がある。
で、ずっと気にはしていた。
アフターバーナーというタイトルそのものにも深い思い入れもあるし、ここ最近のゲームは単純さを失いつつあった事もあって、ゲームというものを手軽に遊ぶという事から遠ざかっていた反動もあったため、一念発起、PlayStation Storeで購入してみた。
で、やってみた感じとしては…
PS3版はコントローラーのアナログスティックで操作するのだが(Xbox360版も多分同じ)、これがまた結構難しい。
アナログスティックをぐっと力を入れて操作すると、自機が大きく挙動変化するため、敵機をなかなかロックオンできないのである。
まぁ、私の慣れの部分でもあるのだが、アフターバーナーというゲームは基本的には先手必勝のゲームであるため、狙ってロックオンができないという時点でかなり難易度が上がってしまう。
撃たれたミサイルを旋回しながら回避し、すれ違いざまにバルカンで落とす…なんか自分で言うのもなんだがかなりみすぼらしい戦い方である。
まぁ慣れてしまえばミサイルでの撃墜もある程度はできるが、1ステージクリア後の撃墜率を見ると7割を超える事がかなり少ないのにちょっと衝撃を受けたりする。
ただ、意外にも楽しいというのも事実で、避けられないと思えるミサイルの弾幕をフルスロットルで駆け抜けたりする感覚は、ある意味ストレス解消にもなったりする。
これで900円なのだから安い買い物なのかもしれない。
PS3版のアフターバーナークライマックスで一つ苦言を言うならば、オリジナルモードでも良いので、3機の自機に性能差を付けて欲しかった。
個人的にはF/A-18Eスーパーホーネットがお気に入りだったりするが、各機の個性がまるでないのは悲しい限りである。
オリジナルのアーケード版でも機体差が無かったため、差がないのが当たり前なのだが、せめて家庭用バージョンではそういう個性があっても良かったのではないかと思ったりする。
何はともあれ、昨今の凝りまくったゲームに疲れている人にはなかなか楽しめるゲームではないかと思う。
深く考えてはいけない。このゲームは設定含めて矛盾が満載だが、そうした矛盾すら解放して爽快感を味わうゲームとしては最高の部類に入るような気がする。
PS3を持っている人にはちょっとオススメできるタイトルである。