8/18にPS3の価格改定が行われる。
内容的には、容量320GBのHDD搭載モデルが34,980円(税込)から29,980円(税込)に、容量160GBのHDD搭載モデルが29,980円(税込)から24,980円(税込)の新価格となる。
これにより、既に9/8に発売が決まっている“テイルズ オブ エクシリア”の本体同梱パック“TALES OF XILLIA X Edition”の価格も、37,980円(税込)から32,980円(税込)に変更される。
また、本体カラーが“クラシック・ホワイト”で型番が最新モデルであるCECH-3000となるPS3(容量160GBのHDD搭載モデル)も、9/8に同価格の24,980円で発売される予定となる。
さて…この24,980円という価格だが、これで今年年末に発売予定となっているPS Vita(Wi-Fi非搭載タイプ)と同価格という事になった。
この価格改定を考えると、つまるところ今PS3を持っていない人は今年年末にPS Vitaを買う事ができる金額でPS3を選択する事も可能となったという事を意味する。
もちろん、そういう人はPS Vitaを買う事になるとは思うが、少なくとも選択肢の幅は広がった事になる。
そしてPS3とPS Vitaの両方を同時に買おうとしても、価格的に50,000円内に収まるという、初代PS3の60GBモデルよりも安い状況となった。時代の変化と言ってしまえばそれまでだが、随分と安くなったものである。
PS3の価格がここまで下がってきたのは、偏にPS3のコストダウン策が続いていた事を意味する。本体の各部品の減価償却が進み、当初狙っていた価格帯へと進行していった証でもある。
その結果がPS Vitaと同価格というのも、実に皮肉と言うしかないワケだが、同じメーカーのモバイルデバイスが据置デバイスと同価格という時代がやってきた事は、個人的には時代の変化を感じずにはいられない。
だが、この価格設定はPS Vitaのスペックを考えれば納得できるものである事に違いない。
PS VITAのメインメモリの搭載量がPS3の3倍となっているのである。
スペックそのものがモバイルデバイスとしてはかなり高級な仕様になっている事がよくわかる。コアがARMの4コアA9シリーズという汎用コアになってはいるものの、このスペックは現時点では他モバイルデバイスの中ではトップクラスになる。
元々、PS Vita発表時には価格が3万円を超え5万円近くになるのではないか? とも言われていたが、それを24,980円に抑えてくる事も驚きだったワケで、今回のPS3との同価格設定というのは、時代を反映したものと言わざるを得ないし、何より据置機がゲームデバイスのトップハードの座から引きずり下ろされる時代がやってきた事を示唆しているのではないかと、私などは思ってしまう。
PS VITAが据置機と決定的に違うのは、画面解像度だけかもしれないが、これも有機ELパネルの精細さでかなりカバーできている。
もちろん、有機ELパネルの技術的問題(焼きつき問題など)も依然残っているわけだが、それでもこういう動画を見てしまうと、モバイルデバイスが据置機を乗り越えていく時代がやってくる可能性を感じずにはいられない。
この流れは言うまでもなくスマートフォンの躍進が招いた事だ。
ニンテンドー3DSも同じような危機感を持って登場したが、PS Vitaはその危機感を完全具現化したことによって生まれたデバイスに見えてくる。そしてその結果がPS3との同価格という事なのだと思う。