NUCという小型PCプラットフォームが登場し、小型PCも随分と高性能&高機能化したモデルがいろいろ出そろってきた。
そして今、更なる小型PCが登場しようとしている。
その名はLIVA
ECS(日本エリートグループ)という会社がある。
主としてマザーボードやビデオカード、最近ではノートPCなども手がける企業だが、そのECSがオリジナル基盤を採用し、NUCよりも小さなPCを4月下旬頃に発売する。
その名をLIVAといい、幅118mm×奥行き70mm×高さ56mm、重量190gというNUCを遙かに下回る小型ボディで登場する。
採用しているコアはIntelのBay Trail-MのSoCで、搭載メモリは2GバイトのDDR3Lメモリーになる。それに32Gバイトもしくは64GバイトのeMMCストレージを接続し、Gigabit EthernetとIEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN&Bluetooth 4.0をM.2インターフェースで接続している。他、基板にはUSB 3.0ポート、USB 2.0ポートを各1基、D-Sub15ピンとHDMI端子を備えている。
フロントにはヘッドホン端子もあるため、サウンド周りはこの端子から外部に出すしか方法がない。
これだけ小さくても、最低限必要なものは全て揃えていて、当然Windows8.1をフルでインストールする事ができる。
基板はファンレス
中に内包されている基板はファンレス動作可能なもので、実によく考えられている。
持っている手でその基板の大きさがよく分かると思う。
こんなに小さくてもWindowsを動作させる全ての要素が含まれている。
M.2インターフェーススロットは基板裏に装着されているようだ。
ここにIEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LAN&Bluetooth 4.0の拡張カードを挿して無線LANとBluetoothを利用可能にする。このM.2スロットはこれから先いろいろなデバイスカードが登場する事が考えられる。SSDなどもあるため、無線LANやBluetoothが不要というなら、カードを差し替えてSSDストレージを接続する事もできるかもしれない。
対NUCの雄となれるか?
NUCというプラットフォームはIntelが提唱したものだが、今NUC規格に収まっている小型PC自体は実はそんなに多いわけではない。
GIGABYTEが展開しているBRIXシリーズは、厳密に言うとNUCプラットフォームとは異なる仕様になっている。もっともものすごく近似値的な存在ではあるが、IntelのNUCより部分的には小さく、部分的には大きいといった違いがある。
なのでNUCというプラットフォーム、という言葉そのものが実はヘンな話であり、単純に小型省電力PCがIntelを中心に展開されている、というのが実情だ。
なので、今回のECSはある意味、同じプラットフォームとも言えるかも知れない。ただ、今までのBRIXシリーズとは明らかに異種格闘技的な存在ではある。
ユーザー視点で見て考えれば、NUCぐらいの大きさが良いという人もいるだろうし、今回のLIVAぐらいの大きさの方が良いという人もいるだろう。
個人の好みに選択肢が増えた、という感覚で見てもよいかもしれない。
その個人の感覚を大きく左右する問題を、このLIVAは持っている。
それは価格であり、LIVAはキットではあるものの18,000円を下回る価格を想定しているという。
搭載しているコアがIntelのBay Trail-M SoCシリーズだから、コアの価格は全然安いのかも知れないが、それでも従来のNUCが搭載するCore i5、もしくはCore i3クラスの性能を必要としないならば、今回のLIVAで十分であり、その分を電力パフォーマンスに持って行った、と考えれば、この製品の立ち位置がとてもわかりやすいかもしれない。
用途として満足な性能を考えて、何の問題もないという結論が出るのなら、このLIVAを選択する意味は十分ある。検討されたし。