5月10日~11日、中野サンプラザで「春のヘッドフォン祭2014」が開催される。
ヘッドフォン祭というぐらいだから、当然ヘッドフォン中心の祭なのだが…。
平面駆動にハイレゾ
この「春のヘッドフォン祭2014」内で、フォステクスが平面駆動型ヘッドフォン「TH500RP」を発表するようだ。
通常、ダイナミック型ヘッドホンドライバーは、スピーカーと同様にボイスコイルが接続された振動板と、その背面にあるマグネットから構成されるが、平面駆動型は、2枚のマグネット板に挟まれた形で振動板を配置して振動板全体を均一に振動させる。その事で最大出力付近でもほとんど歪が発生しないというメリットがあるそうで、最近カナル型の進化が著しく激しいヘッドホン界に新しい旋風を巻き起こす可能性のあるヘッドフォンである。
ま、実は全く新しい方式というわけでは無く、違う技術では結構以前から存在していたようだが、他方式の進化が著しかったことで、あまり表に出てきていなかった感がある方式。
技術的に行き詰まっている今のヘッドフォン界を、これでひっかきまわして欲しいところである。
この他、ハイレゾ関係の製品が非常に多く展示される。
今が旬というのもあるが、ポータブルプレーヤーやDAC等々、ハイレゾ提供音楽が増える中、それらを再生できる機器がいろいろと登場するようである。
impress AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140509_647545.html
ハイレゾ以前に
最近ちょっと思う事がある。
世間はハイレゾ音楽を推進しようと、いろいろなサービスを開始し、また機器メーカーは対応機器を発表しているが、聞き手であるユーザーサイドはハイレゾ音楽をドコまで知っているのだろうか?
まぁ、知るよりも音を聞いたときにそれがハイレゾの音である事をちゃんと理解する事ができる事の方が重要なのだが、その違いをちゃんと認識できる耳を、ユーザーが持っているだろうか?
メーカーは新製品として投入したい思惑があるだろうし、ユーザー側も従来の音楽と異なるという意識の元、変化を求めてハイレゾを訴求する事になるが、そこにちゃんと聞き分ける耳があって始めてその意味が出てくるわけで、時事的にハイレゾという言葉がトレンドだから流れに乗っている…という側面があるように見えて仕方が無いのである。
一定の音質以上になると、もう人の耳では感覚的な部分でしか判断できない事になっていたりする事もあり、それはもうプロでも似たような状況があったりもする。まぁプロは流石に素人よりは音質判断に長けているとは思うが、今やその素人がハイレゾを手にする時代が来たのだから、このギャップをユーザーがどう認識し、感じるか? という所に焦点が当てられる時代に来たと言える。
まぁ、ココでそれを論じてどうにかできるとは思わないから、結果的にはハイレゾ音楽がもっと一般的になり、人々が耳にする音の大部分がハイレゾになったとき、過去の音と比較して「昔の音は良くないな」と言える日がくれば、ハイレゾへの変遷は成功した、と言えるのだろうが、どうも私にはその日が想像できないでいる。
ま、気にしない人は気にしないだろうから、取り越し苦労にしかならない事は分かっているが、折角ハイレゾという良い音へと切り替わっていく流れなのだから、そこはちゃんと知って欲しい、と願うばかりである。