気になるAppleの話

iPhone6の情報がいくらか噂され、9月には登場するような話もある反面、どうなるのか見えにくい話も見え隠れしている。

情報ガードが堅かったApple

昔から、Appleは新製品の情報に関するガードは異様なまでに堅かった。
しかし、近年のAppleはどうもそうした堅いガードというイメージがなくなりつつある。
噂話のレベルといいつつも、かなり信憑性の高い噂が行き交うようになり、画像の流出まで簡単に起きるようになってしまった。
それだけAppleの新製品が注目されている、という事でもあるが、同時に生産の大部分を中国生産メーカーに委託しているという現実が、情報漏洩をもたらしている可能性が高い。
もっとも、私としても根拠があって言っているわけではないから、事実はわからない。ただ、情報すら売買できる対象である事を考えるなら、中国を相手に機密を保とうとするのは難しい話ではないか、と思ってしまう。
スティーブ・ジョブズ亡き後、その機密漏れがより多くなったAppleではあるが、そんな噂される情報の中から、次期の新製品に関する情報で気になったモノをちょっとピックアップしてみる。

5.5インチiPhone6はiPhone Air？

これはiPhoneのケースを製造しているメーカーから漏れてきた情報のようだが、5.5インチ版のiPhone6はiPhone Airという名称になるらしい。
これは、大手ケースメーカーSpigenが公開した画像だが、画像には「THERE’S SOMETHING IN THE AIR」と記されている。この言い回しはジョブズがMacBook Airを発表する際に使った表現で、どちらかのiPhoneがiPhone Airという名称を採用する可能性を示している。まぁ、この場合、Airという名称から考えれば大きい方、つまり5.5インチ版だろう、という事になる。
ちなみにiPhone6は9月30日発売予定とSpigenは言っているようだ。
真実かどうかはまだ分からない。

iPhone6に採用されるフロントパネル

iPhone6に採用されるであろう、フロントパネルに関しての噂も漏洩している。
以前から、Appleはキズが付かないフロントパネルとして、サファイアガラスの研究を行っている、という噂が流れていた。
サファイアガラスとは、その名の通りサファイアをガラスのように薄くしてガラス状にしたものの事をいうが、こいつが異常に硬くてキズが全く点かないシロモノらしい。
Appleからすると、そうしたキズから製品を守るという意味でもこのサファイアガラスには注目していたようで、iPhone5sでもホームボタンの表面にサファイアガラスが採用されている。
しかし、このサファイアガラスをiPhone6ではフロントパネル全面に使用する可能性が示唆された。

動画は日本語ではないが、映像で大体どういう事を言っているのかはわかると思う。
サファイアガラスの強度の高さは、映像を観ればすぐにわかる。とにかく硬く、また粘りがある。
驚異的なのは、ナイフの先端でキズを付けても問題がないという事。
また、どんなに曲げようとしても折れたりしないというしなやかさもある。これで保護フィルムは不要になったと言えるかも知れない。
この映像に出てくるフロントパネルは、4.7インチ版iPhone6に採用されるであろうシロモノらしい。

iPad miniが消える？

台湾のある金融関係からの漏洩情報によると、iPad部品供給メーカーに対してAppleが9.7型「iPad Air」の新型に関して2014年第3四半期、新サイズとなる12型のiPadは2014年末にそれぞれ部品を出荷するよう通知したらしいが、7.9型のiPad、つまり「iPad mini」については情報を出していないというのである。
以前から12型のiPadが出てくるという噂は流れていたため、この噂に12型が含まれている事自体は不思議でも何でもないのだが、iPad miniの話が出てこないとなると、AppleはiPhoneをよりファブレット化する方向に持って行き、iPadはより現実的な紙サイズへと移行していくつもりなのかもしれない。
実際、薄くて軽くする事が可能になった現在では、iPadはもうちょっと大きくA4サイズくらいになるともっと使いやすくなる事は自明の理である。
Surface Pro3が12型、しかも3:2というサイズ比にしたのは、A4サイズにより近づける為であり、紙を意識したタブレッツ作りの結論である。
Appleは米国では教育機関にiPadを売り込み、実際に教材の一つとしてiPadを提示してきた関係から、より紙サイズに近いiPadへと移行させていく事を重要視している可能性も高い。
また、5.5インチのiPhone Air(仮)は、従来のiPhoneよりも大きく、iPad miniの使い勝手により近づけたモデルとも言えるわけで、考えようによっては今後は6インチ以上に移行させる可能性もあるように思える。
そして、これは私が想像する領域ではあるのだが、iWatchが通話を担当し、iPhoneはより小型な情報通信端末としての役割を担当、紙のデジタル化をiPadが担当する、という役割分担を模索している可能性もある。
通信回線そのものはiPhoneが持っていたとしても、通話部分のデバイスとしてiWatchが担当する可能性は十二分にあるのである。
私だって、ファブレットサイズのiPhoneがあればSOCIUSを通話端末として使用する事を考えているくらいである、Appleがそうした連携を考えないワケがない。

噂話ではあるのだが…

まぁ、これらはあくまでも噂レベルの話を持ち出したに過ぎない。
実際はもっと違う話になるかもしれない。
次期iPhoneに搭載されると噂されるコア「A8」に関して、TSMCの20nmプロセスで製造される予定で、2014年第2四半期に製造開始としていたが、そうなると既に製造が始まっている段階にあるわけで、安定して20nmプロセスの半導体が製造されているのか？ という話が全く見えていない。
現在では、このプロセスの微細化という問題は非常に大きな問題で、しかも容易に片付けられる問題ではない話になっている。
先日、Panasonicの半導体をIntelが製造する、という話が出てきたが、これはIntel製品だけではIntelの製造ラインを維持するのが難しくなってきているという反面、安定して22nm以下のTri-Gate(他社ではFinFETと呼称したりする)半導体を製造するならIntelが有力とPanasonicが判断した結果である。互いの利害が一致している為、相互協力という形になっているワケだが、こうした問題はIntelやPanasonicだけの問題ではなく、半導体メーカー、そして商品を開発するメーカー全てが抱える問題である。
Appleにしても、大量に製品を製造する関係上、安定供給が可能なハイレベル製造メーカーと提携する必要があるワケで、TSMCがコケた場合、他でそれを補う必要を考慮して製造するしかない。
問題が起きた、という噂がない以上、上手く行っていると言いたい所ではあるが、こればっかりは製品が登場するなり発表されるなりしないと、関係者でなければ解りようがない。
今は、事実が明らかになるまで待つしか無い、という事である。

とりあえず、私はiPhone Air(仮)を乗り換えデバイスとして考慮しているのだが、その情報がもう少し明確になるまでは、もう少しの時間が必要なようである。
それにしても…噂一つで大きな話題となるAppleは、流石…という所であろう。