オリンパス版レンズスタイルカメラ。多分それがわかりやすい表現。
思ったよりも価格が安い
CP+2015のオリンパスブースで実機が公開された“OLYMPUS Air A01”だが、公式オンラインショップで予約注文が始まっている。
価格は本体のみのもので36,504円、14-42mmEZレンズ同梱のもので53,784円という、m4/3レンズを持っている人であれば思ったよりは高くない製品であった。私的にはもっと高いのかと思っていただけに、ちょっと嬉しい誤算である。価格が安いだけでダメなカメラかというとそうでもなく、撮像素子は有効画素1,605万と、実は最新機種のE-M5 Mark IIと同じだったりする。
ただ、本体内に手ブレ補正がないため、撮影にはかなり気をつけないといけない。この辺り、おそらく素手でそのまま撮影する事を想定しておらず、本体に三脚穴があるため、それで固定しろ、という事なのかもしれない。
本体には大きなシャッターボタンがあり、記録カードスロットもあるため、本体とレンズを組み合わせればそのままで撮影は可能である。ただし、この状態では何をレンズで写しているか等の情報は確認できない。何しろ、ファインダーもなければ背面液晶もないからである。
この“OLYMPUS Air A01”は、スマートフォンと組み合わせて使う事を大前提としていると言い切っても良いのは、まさにこのファインダー部分をスマートフォンに依存しているから、と言える。
この考え方自体が、Sonyのレンズスタイルカメラ「DSC-QX1」と同じだから、まさにオリンパス版レンズスタイルカメラと言えるのである。
撮影の仕方で使い勝手も変わるが…
前述したようにOLYMPUS Air A01には手ブレ補正機能がない。だからこそ、本体が交換レンズくらいの大きさに収まっているのだが、この手ブレ補正機能がない事でかなり気をつけて撮影しないとプレブレの写真が撮れてしまう。本体が小さい分、どうしてもブレが大きくなってしまうからだ。
もし、スマートフォンと連携しないで使おうとすれば、本体の左右傾きも感覚で理解するしかない。とりあえず三脚穴の位置でどこがカメラの天面にあたるのかを感覚的に把握するしかないのだ。
ただ、レンズをパンフォーカスで撮影できるように設定しておけば、本体だけでピントが合った撮影はできる。何かしらのグリップを三脚穴に取り付けて撮影すれば即撮影可能、という意味では本体だけでの撮影もアリかもしれない。
やはりOLYMPUS Air A01はアプリとの連動でリモート撮影ができる事を考えれば、三脚穴にミニ三脚や普通サイズの三脚、また固定できるものを取り付けての撮影というのが基本になるものと考えられる。
ただ、そうして固定で撮影する事を想定している割に、充電しながらの撮影ができる仕様になっていない。一度電源をOFFにしないと充電しないという事であれば、定置撮影するにしても毎回電源のON/OFFが必要になる。それをアプリでコントロールしろ、という事なのかもしれないが、利便性を考えるとあまり現実的ではない。という事は、そもそも定置固定撮影を想定していない、という事なのか?
接続は2つの通信で
OLYMPUS Air A01の面白いところは、スマートフォンとの接続にBluetoothと無線LANを使用するところである。
基本的には無線LANでの通信が主ではあるが、Bluetoothの低電力下接続が常時行われていれば、スマートフォンのアプリを起動した時に即座にOLYMPUS Air A01を起動させたりする事ができる。
リモート撮影時はこうした自動起動は非常に便利である。
また、スマートフォンでのアプリと連動すると、いろいろな機能を使った撮影が可能になる。
単にスマートフォンはファインダー替わりという事ではなく、従来OM-DシリーズやPENシリーズの本体が持っていた機能が、アプリとしてソフトウェア化した、と考えると良いかもしれない。
そのため、アプリを利用すればアートフィルターを通した画像を得る事もできる。そればかりか、OLYMPUS Air A01の撮影設定、つまりP/A/S/Mといったモードを変える事ができ、シャッタースピードや絞り値をスマートフォンのタッチパネルでコントロールする事ができる。
但し、アプリそのものは複数に別れているため、それぞれのアプリで可能な事、できない事などが存在する。そこだけは要注意である。
オープンプラットフォームカメラ
OLYMPUS Air A01はオープンプラットフォームを謳っている。
これはカメラの仕様を公開している、という事であり、スマートフォンアプリのベンダーが手軽にアプリ開発が可能という事を意味している。
さらに、本体形状等に関しても情報を公開していて、3Dプリンタを使ってOLYMPUS Air A01のアクセサリ等を作る事も想定されている。
そうした自由な発想でこのOLYMPUS Air A01の使い方を見つけていく事をオリンパスは想定しているわけで、実に自由度が高いと言える。
だが、自由度が高い割にスマートフォンと連携させて使う事に縛られているとみられる部分もある。
前述した通りOLYMPUS Air A01は撮影と充電を同時に行えない。
つまり、定置固定撮影という使い方をしようと思った場合、スマートフォンで毎回電源のON/OFFをしなければならない。通信させてON/OFFだから問題ない、とも言えるが面倒と言えば面倒でもある。
また、本体内に一定のプログラムを忍ばせる事ができるともっと良かったように思う。
例えば、数分毎に自動的に撮影する、というプログラムをOLYMPUS Air A01に登録しておき、定置固定撮影させるといった事も可能性的に面白いと思う。その場合、スマートフォンがなくても撮影はできるわけで、そうなると撮影中に充電できない、という問題が足枷になる。
やはり基本的に充電と撮影が両立できないと遠隔撮影という行為に問題が出る事になる事が予想されるため、この辺りは改善されると良いポイントかもしれない。
どちらにしても、今の時点でSonyのレンズスタイルカメラ「DSC-QX1」よりはずっと可能性を感じるカメラだと思う。
オリンパスも一般に仕様を公開して幅広い展開を望んでいる節もあるため、今後の面白い使い方の登場と弱点が克服される事を期待しよう。
このカメラ、やはりオープンプラットフォームと言うところに可能性を感じます。
先だって発売されたSONYのレンズスタイルカメラは面白い製品だと思ったけれど、使い道が限定されていたのが残念なところ。
対してこちらは仕様が公開されてるし、素子サイズが小さい(だが必要十分)のでシステム全体が小型化できるのもメリットになりそうですね。
個人的には、CP+で参考出展されていたようなガンタイプカメラの様に、カメラの常識を覆すデザインの製品が出てくることを期待したいです。
でも多分、私は安くてもこのままの状態では買わないだろうなー。
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このままの状態が気に入らなければ、このOLYMPUS Air A01をベースに好みのカメラを作ればイイジャナイ!(爆)
それができるからこそオープンプラットフォームなんですよw
3Dプリンタを買って、昔凝っていたモデリング技術を使ってパーツを作ってみては?w
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