エントリー向けGPUのリプレース。
ローエンドもここまできた
GeForce GTX 1050シリーズが発表され、その評価が最近になって各所で行われている。
上位のGeForce GTX 1060とはコアとしては別の新規ダイ“GP107”を採用してエントリー向けに特化したモデルで、トランジスタ数は33億個、640基のCUDAコアと40基のテクスチャユニットを持つ。同じコアで一つ上位になるのがGeForce GTX 1050Tiで、こちらはコアは同じだが768基のCUDAコアと48基のテクスチャユニットを持っている。
どちらかというとGeForce GTX 1050Tiを製造上の歩留りでGeForce GTX 1050にするかGeForce GTX 1050Tiにするかという感じではないかと思う。
GeForce GTX 1050Tiはコア内で稼働するCUDAコア等が多い為、ベースクロックは1,290MHz、ブーストクロック1,392MHzで動作するが、GeForce GTX 1050はそれよりも高いクロック、ベースが1,354MHz、ブーストは1,455MHzで動作する。
動作クロックが違う為、この両者を単純に性能比較すると増加させているCUDAコア等の差と性能が完全比例する事はないが、GeForce GTX 1050Tiの性能はほぼGeForce GTX 960と同等かやや優勢というぐらいの性能である。
ライバルのRadeon RX 460と比較すると、大凡2~3割程度の差をつけてGeForce GTX 1050Tiが優勢…というのが、ベンチマークテストの結果である。
これが2万円台の価格で購入できるビデオカードの性能という事になるわけだが、正直2万円台半ばぐらいの製品だとするならば、個人的にはその上位であるGeForce GTX 1060シリーズを購入する方が幸せになれるのではないかと思うのだが、CPU内蔵GPUの性能で物足りない、しかし3万円台のGeForce GTX 1060を買う程でもない、という人に対しての製品になるのではないかと考えられる。
実際、このGeForce GTX 1050シリーズの性能も決してバカにはできないものがある。
単純に考えても、GeForce GTX 650の3倍ほどの性能を持ちながら、その消費電力は75Wで補助電源いらずのGeForce GTX 1050シリーズは、数年前では考えられないワットパフォーマンスを発揮している。
価格こそ前世代の据え置きかもしれないが、その中身は一つ前世代の性能を凌駕する製品である。
個人的には…
だが、私としてはこのビデオカードを購入する事は多分ない。
私が求める性能は、これよりもずっと上のレンジにあるからだ。今現在のGeForce GTX 970と同等の性能を持つのがGeForce GTX 1060だし、そうなると私からするとGeForce GTX 1060を購入する意味はあまりない。
となると、狙いはその上、つまりGeForce GTX 1070クラス以上でないと、私の要求は満たされることはない。
まぁ…価格も価格なのでそうそう簡単に入れ替えという事はできないが、要求性能を考えれば、GeForce GTX 1050シリーズが私の狙うレンジの製品には決してならない。
ただ、最近のビデオカード性能は確実に底上げされていて、普通に使う分にはGeForce GTX 1050シリーズでも十二分な性能を持っていると言える。
ちょっとした動画編集や音声編集、画像編集やそのほかデジタル編集をする上でも、GeForce GTX 1050シリーズは何ら問題のない性能を持つ製品とも言える。
PCゲームでハイエンドな映像で楽しみたい、というような要求がなければ、必要十分な製品であり、内蔵GPUでは物足りない、という人でも満足できる製品ではないかと思う。