昨年展示会で出ていたアレ。
32:9のウルトラワイド
オランダのPhilips社から、Dual QHD(5,120×1,440ドット)解像度に対応する曲面ウルトラワイド液晶ディスプレイ「499P9H」が正式発表された。この「499P9H」は、昨年の9月に実施されたIFA 2018にも出展されていたもので、それがほぼそのまま正式発表された形になる。
特徴は言うまでもなく5,120×1,440ドットという超横長の解像度に対応したそのパネルにあり、アスペクト比は32:9とシネマスコープよりも遙かに長い横長スタイルを持つ。
横解像度が5,120ドットもあるので、当然複数デバイス映像を同時表示する機能「MultiView」を持ち、それに合せて本ディスプレイ1台に対して同じキーボード、マウスを異なるPCで使い分ける機能「KVM機能」を持つ。
他にも有線LAN、USBハブ、充電機能を備えたUSB Type-C接続のドッキングステーションを持ち、さらにはモニタ上面にWindows Hello対応のウェブカメラも持つ。
インターフェースとしては、DisplayPort1.4×1、HDMI2.0b×2、USB3.1 Gen.2 Type-C×1を持ち、この液晶をあらゆる接続のポートハプとして利用する事ができる。
パネルのスペックとしては、曲率1800R、応答速度5ms、輝度450cd/平方、コントラスト比3000:1、表示色1,670万色、視野角178度と、一般的な性能以上のものを持ち、色域はNTSC 103%、sRGB 121%、Adobe RGB 91%、他にVESA認定のDisplayHDR 400に対応する。
また垂直同期技術である「Adaptive Sync」、ちらつき抑制の「Flickr-Free」、ブルーライト抑制の「LowBlueモード」に対応する。
LG製とどちらが良いのか?
まだ詳細は全くわからないので、基本的なスペックだけで判断する事は当然できない話なのだが、使用している液晶パネルがあまりにも特殊なので、先日LGがCES 2019で出展した「49WL95C-W」とおそらく使用しているパネルは同等ではないかと予想される。
もちろん、パネルは同じでもコントローラーが異なれば表示品質が変わるので、メーカーの特色はでるだろうし、バックライトシステムが変わればHDRへの対応も変わる。
なので製品としては全くと言って良いほど別モノになると思うが、問題はどちらの製品が良いのか? という事である。
Windows Hello対応のカメラが付いている事で、ログイン等の利便性を高めているのがPhilipsだが、LGは代わりに2画面利用の機能で利便性を向上させているので、どちらにも一長一短はある。
そうした機能以外の画質という面で違いを見た場合だと、LGの方が表示品質は期待できる可能性は高い。
もちろん、この判断は私の独断と偏見によるものなので、実際には両方の製品を見比べる必要があるのだが、LGの「49WL95C-W」が具体的にいつ正式発表されるかがまだ見えていないので、しばらくはどちらの製品も評価待ち、といった所ではないかと思う。
ただ、現時点では両者の価格はともに10万円を優に超える可能性があるので、安い買い物にはならないだろうと思われる。
個人的には…
私としては、こうした特殊パネルのモニタであっても、確実にHDR10に対応したり、またティアリング対応の為に「FreeSync」に対応したりしてくれればと思っている。
ゲーミングモニタじゃないから、という理由で機能が制限されてしまったりというのは、イマドキの製品ではないように思える。
また、使用するビデオカード限定の機能とかも出来る限りなくし、業界標準と呼べる機能を搭載して欲しいと思っている。
そろそろ、いろんな分野でHDRやデジタルモニタ=60Hzという壁を打ち破って欲しいと思っているところで、2019年はそうした流れになっていくといいなと思っている。
というか、パネルメーカーのほとんどが国外になってしまった今となっては、こうした事もあまり期待できない状況なのだが、iPhone不振で低迷しているJDIあたりで汎用モニタのパネルを作ってくれたりしないものだろうか?
…ってか元が取れないから駄目か(-_-;)