ベンチマークでわかるその性能。
三連ファンが到着
2月22日にAmazon.co.jpで注文したビデオカード「PowerColor製のRadeon VII」が本日届いた。
昨日、ヤマト運輸のクロネコメンバーズからメールが来て、荷物が届くという情報が先行していたので、本日到着する事はわかっていた為、午前着の予定に変更し、何時届いても良い準備だけはしていた。
荷受けした箱を即座に開け、中身を確認してみると、そこには象徴的な三連ファンが。ん~、見た感じ、この三連ファンがなければVega 64とあまり変わらない感じだなぁ、というのが正直な感想。
実際、Vega 64と大きさを比較すると、厚みと長さは変わらないものの、横幅は若干大きくなった感じ。重さも若干重くなったとは言え、手で持った感じではあまりかわった感じはしなかった。
光るRadeon
早速PCの側面を開いて取り付ける。
1kgを超える重量があるので、ビデオカードを支えるパーツがないと結構キツイ感じがするというのもVega 64と同じだが、装着するとさらに違いが分からないぐらい。赤く光るRadeonの文字と角にある光るRマークも全く同じである。ま、細かい事を言えばディップスイッチはなくなっているし、より簡易的になったと言えるかも知れないが、余計な機能は不要と、よりスパルタン(というかストイック)なイメージに変わったという言い方もできる。
リファレンスモデルは直方体スタイルなので、ソリッド感満載のビデオカードが取り付く事になるが、実にスッキリしていて個人的にはこのスタイルは好きである。
変にゴテゴテしているより、ずっと良いと思う。
ま、見た目でビデオカードの性能が変わるわけではないが、魅せるPCを構築している人は、そういう所も気にするものである。
…私は静音ケースなので完全クローズだけど(爆)
さてその性能は?
今回、Radeon VIIの購入を決めたのは、その性能がどうこうという問題ではなく、純粋に実用域での省電力化が目的だった。
だが、いざ購入してみるとやはり性能は気になるものである。
なので今回は何時もよりちゃんとベンチマークを録ってみたい。
既に各サイトでレビューされているので、私が行うのは私の環境に完全特化させた評価である。
なので、他の人にはあまり参考にならないかもしれないが、相対性能は解るのではないかと思う。
まずビデオカード以外のスペックを晒してみる。
・CPU:Core i7-8700K(どノーマル)
・マザーボード:AsRock Fatal1ty Z370 Professional Gaming i7
・メモリ:2666MHz駆動32GB
・モニタ:3440×1440 60Hz & 2560×1440 60Hz
関係ありそうなスペックで言うとこんな感じ。
今回はこれでRadeon RX Vega64とRadeon VIIのFF14のベンチマークで比較してみたい。
ちなみにFF14は3440×1440のモニタでフルスクリーン表示、画質設定として表示能力を抑制する機能(見えないところは簡易表示するなど)は全てOFF、設定できる表示は全て最高という条件である。
ちなみにドライバ上でも、使える機能は全てONにし、一番負荷がかかる設定にしている。
もう一つの特徴としてデュアルディスプレイ環境であるという事。
2560×1440ドットの解像度を持つ27インチ液晶モニタも稼働させながら3440×1440ドットの34インチメインモニタでFF14ベンチという構成である。
実測してみると
さて、FF14のベンチマークソフトは、全部で4種あるのだが、一番最初期のベンチマークプログラムは紛失してしまったので、私がテストできるのは新生FF14の「キャラクター編」、そして「蒼天のイシュガルド」、最後に「紅蓮のリベレーター」の3種である。
「キャラクター編」のみ、DirectX 9.0Cで稼働している。
さらにその他の条件だが、Vega 64では2017年12月に採ったデータがあったので、そちらを表示した。それぞれドライバのビルドナンバーで違いがわかるようにしている。
まずはその「キャラクター編」から。一番上の山吹色のグラフがRadeon VIIである。
その下の灰色のグラフだが…実はこれもRadeon VIIになる。
何故こんなに低い数値かというと、これは私の考えの甘さからくる結果である。
詳しく説明すると、当初、私はRadeon VIIも同じVegaアーキテクチャなので、ハードウェアの載せ替えだけで十分機能するだろう、と考え、Vega64で使用していたドライバのまま計測したのだが、思いのほか性能が出ず、これは流石にオカシイという事でその後ドライバを最新のものにクリーンインストールして測り直したのである。その計り直したものが山吹色のグラフである。
なので、この灰色のグラフはあくまでも参考値であり、Radeon VIIの本当の性能ではない事に注意である。
青色のグラフと橙色のグラフはともにRadeon RX Vega64のものだが、ドライバの更新を1年続けていると、これだけの性能向上になったという結果である。
Radeon VIIがVega64比で、116.9%に性能向上している事がわかる。
DirectX 11では?
続いて「蒼天のイシュガルド」の結果である。DirectX 11での比較という意味では、ココからが本番である。
スコアでも132.9%の向上、平均フレームレートでも134.1%の向上と、AMDの説明どおり30%ほどの性能向上が見て取れる。
3440×1440という通常よりずっと大きな解像度での結果であり、これがもしフルHDでの比較だと、もっと性能の伸びは小さなものになるだろうと予想される。
次に「紅蓮のリベレーター」だが、こんな感じ。Vega64だと、実は平均フレームレートで60fpsが出ていないという結果である。ま、分かってたけどね。
ところがこれがRadeon VIIになると確実に60fpsを超えてくる。
ちなみにコレ、事前説明した通り、セカンドディスプレイとして2560×1440のモニタも表示させての話。Radeon VIIは着実に性能を伸ばしていると言える。
「紅蓮のリベレーター」でも、Vega64比でスコア137.2%、平均フレームレート137.1%と、AMDの情報よりも高い性能上昇率である。
やはり16GBという広大なメモリのおかげで、広いデスクトップを表示させていてもメモリアクセスにストレスがかからないという事なのかもしれない。
ドライバは入れ直そう
他のゲームでも比較すれば良いのかも知れないが、大凡似たような上昇率を見せる事になるだろうと思う。少なくともVega64と比較した場合、ほぼ順当に3割の性能アップというのは間違ってはいないようである。
他社比較として、GeForce RTX 2080との比較だとRadeon VIIの弱さが見えてくるのかも知れないが、少なくともドライバの熟成でまだ性能が伸びそうな感じはする。
今後の課題としては、16GBというメモリ容量をどう上手く使って行くかという事と、クロックをどのように制御して性能を落としにくい状態にするかという事である。
つまり、ドライバによって性能が確実に変わるという事である。
今回、それを特に感じたのが、Vega64からドライバの更新をしないでRadeon VIIに交換した結果である。同じVegaアーキテクチャなのに、ドライバを合せた(入れ直した)だけで確実に性能が出るようになるという事が明確になった。
ドライバを入れ直していない事はわかってはいたものの、性能が全然出てないというのにちょっと焦ったのは言うまでもない。
それだけ、性能を引き出すためにはドライバは重要であり、そのチューニング次第で性能がかなり変わってくるという事である。
なので、あまりベンチマークを採らない人にあえて言うが、パーツを交換したら、出来る限りドライバは入れ直した方がいい。
ま、入れ替えない人の方が特殊なのかもしれないが(爆)
実際体験してみる
で、このRadeon VIIで実際にFF14をプレイしてみたのだが、今までちょっとちらついた感じのあったフレームレートが確実に安定した事かわかった。
突っかかる感じもないし、実に滑らかに動く。また負荷がかかってもそれをものともせず確実な表示をするというのが印象的であった。
ま、私のプレイ解像度が高すぎるのかもしれないが、これだけのモニタを持っていると、やはり広く表示させたいのが人情である。
これなら4Kでも結構イケそうな感じ。夢は広がるというものである。
これだけの性能を持ちながら、それでいてFluid Motionなども使え、モニタさえ対応すればFreeSync2でHDR映像を高フレームレートで扱えるのだから、私としてはGeForce RTX 2080よりは良い買い物かなと思っている。
さて、手元に取り外したVega64があるが…コレ、どうしようかな?w