どちらもArmアーキテクチャなのだから、可能性はあるハズ。
Apple Silicon上でSwitchが動く?
Sera Tonin Brociousと名乗る開発者がTwitterで、M1 Mac上で実行されているSwitch用「スーパーマリオオデッセイ」の動画を公開した。
これは高性能グラフィックAPIであるVulkanを使用したオープンソースのエミュレータ「yuzu」を介して達成されたもので、Apple純正のMetalグラフィックフレームワークにVulkanをマッピングするランタイムライブラリ「MoltenVK」を使っているという。
そしてMoltenVKの制約で現時点では動作は完璧ではなく、途中で終了してしまうようだ。
https://twitter.com/daeken/status/1340802622547214338?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1340802622547214338%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fjapanese.engadget.com%2Fm1mac-nintendo-switch-emulation-062025302.html
このTwitterの動画では、まずエミュレータを起動させ「スーパーマリオオデッセイ」のROMデータを選択、Joy-Conの確認を含めたいくつかの確認オプションが表示され、さぁ起動、というところでエミュレータが終了というものになる。結果的にはゲームプレイまでは確認できないものの、Switchの起動シークエンスの途中までは動作していると考えられるとなると、最終的にはM1 Mac上で動作する可能性が高い。
Switchは、NVIDIAのTegra X1ペースを搭載しているので、M1 Macと同様のArmアーキテクチャで動いている。動作が不安定な部分はいろいろな調整が必要なのだろうが、エミュレーションできる可能性はとても高いと思われる。
Arm関係はとても多い
今回はNintendo Switchがエミュレーションで動作した、という話だが、Armアーキテクチャで動作しているシステムは世界中でとても多い事を考えると、権利的な部分がクリアにさえなり、エミュレータの基礎技術が確立すれば、かなり多くのシステムがM1 Macの上で動作可能と考えられる。
Android OSだってArmで動作しているのだから、M1 Macの上で動作させる事は比較的容易ではないかと思う。そう考えるとM1 Macは、ハードを直接制御するハイパーバイザ型の仮想化フレームワークさえ利用できれば、エミュレータの移植そのものも比較的容易ではないかと思われる。
もちろん、出来るという事とやっていいという事には雲泥の差があるワケだが、Apple Siliconの可能性は相当に広いという事が言えるのではないかと思う。
Arm版Windows10
そしてM1 Macと言えばもう一つ、Arm版Windows10の動作の話があるが、Macの仮想化ソフトを開発しているParallelsとマイクロソフトが正式に協力して問題解決に動いているのではないか、という話が浮上している。
情報の出所はTwitterで、マイクロソフトのOneDrive担当プログラムマネジメントディレクターであるOmar Shahine氏が、M1 MacでArm版Windowsが動作したという事の素晴らしさを発信し、Parallelsとマイクロソフトの公式アカウントに向けて感謝の意を示したというのである。
ここでポイントなのは、マイクロソフトの幹部であるShahine氏がParallelsとマイクロソフトを対等に扱っているという事。可能性として、Arm版Windows10単体を入手できるような可能性がココから見えてくるのではないか? と期待する動きが出るのも仕方のない話かもしれない。
また、別の話では、マイクロソフトが本格的にSoCを自社開発する動きを見せ始めているという話もある。もともとSurface Pro Xに搭載したSQ1もマイクロソフトがQualcommと共に開発したSoCだが、Apple Siliconの性能を見せられて、より高性能なSoCを開発する事を決めたのかもしれない。
この動きがある事を考えると、マイクロソフトそのものがArm版Windows10の立ち位置の変更を考えている可能性も見えてくる。もっとも、OEMに供給できれば目的は達成できるので、OSのみの提供をするかどうかはハッキリとは言えないのだが。
移行はスムーズ
11月17日から発売開始されたM1 Macだが、そのアーキテクチャの移行そのものは、とてもスムーズに進んでいるように見える。
実際、Rosetta2経由であっても、x86プログラムが予想以上にスムーズに動作するし、主要なソフトはネイティブ化も進んでいる状況だ。
Appleは当初2年で移行、という話をしていたが、数ヶ月で今の状況と考えると1年もあればほぼ移行してしまえる状況なのかもしれない。
この状況をさらに加速させるとするなら、やはりM1以降のApple Siliconの登場だろう。
現在はThunderbolt3が2ラインしか出す事ができない状況であり、またメモリに関しても最大16GBまでしか搭載できない、dGPUが利用できないなど、制限がとても多いが、これらを拡大、または追加、可能にするApple Siliconが登場すれば、今よりも加速して普及するように思える。所謂、上位MacのApple Silicon化である。
これによって、より上位のMacがApple Silicon化すれば、OS BigSurも問題が潰されていくので、Apple的には移行は恙無く終了といった所ではないかと思う。
問題は…BigSurをインストールした文鎮化したMacの対応だが…あれって問題無く終結したんだろうか?
どちらかというと、今後はIntel Macの方が、トラブルは多くなるのかもしれない。
M1 Macの登場前、私は相当に警戒していた事もあり、Intel Macの購入に踏み切った。だが、結果はM1 Mac大正解という感じで、私としては微妙な感じではある。
Arm版Windows10の件もまさかここまでスムーズに行くとも思っていなかったので、私の思惑は完全に外れた感じである。