二週前ほどに入院した母親が本日退院となった。
感染症
二週ほど前に、腰の痛みで救急搬送となった母が即日入院となったが、その母親が本日退院となった。
入院計画を出された時には、既に退院計画の話をしているぐらい、今の病院への入院というのは、家族であっても院内に入ることができない状況なのだが、入院した理由は尿路の感染症によるものだった。
ベッドの上でしか生活する事のできない母は、膀胱にカテーテルを入れ、尿をバルーンで受けているのだが、そのカテーテルにわずかな雑菌が混ざったのか、尿の色がほぼ紫になり、そして尿の中にモヤッとした固形物が混ざり始め、その固形物がカテーテルを詰まらせ、そのまま膀胱に尿が溜まり、溜まった尿が排出されない事で今度は尿路に尿が流れず、腎臓を圧迫した事で、腰の痛みが発生したという事らしい。
この事も1月22日の記事に書いたのだが、尿管結石などを経験した事がある人であれば、その腰の痛みがどんなものかは想像が付くだろう。ハッキリ言って、歩ける人は歩く事ができずその場でうずくまるぐらいの痛みである。
そりゃ母も救急車を呼んでほしいという状況になるな、とこの状態を聞いて初めて理解した。他人の痛みが分からないという事は、こういう要介護者の痛みを理解できないという事であり、痛みを他人が理解できる医療機器がもっと高度化し、普及する事を望みたいと今回ほど思った事はない。
現状維持
ただ、そういう状況で入院し、検査、療養の後の退院で、その後の介護については、その内容は現状維持のままだった。
多少、リハビリ的な申し伝えはあるようで、指導要綱が出たが、大凡のところは変わっていない。
入院前から、体を動かした方が良いという事は言われていて、デイサービスを週2日から週3日へと増加し、介護ベッドを2モーター仕様から3モーター仕様、車椅子を肘掛け可動型へと変更している。
介護ヘッドを3モーターにする事で、背もたれ、ひざ下が可動するようになり、膝あたりが持ち上がるようになったので、多少曲がった膝をサポートはしやすくなったと言えるだろう。
介護ベッドと車椅子の入れ替えで、月々の設備費は600円程度増加したが、それぐらいで住むのなら安いものである。
問題はデイサービスを週3日にした事だが…これで月々の介護費は間違いなく5,000円程度は上がる事になる。
しかし、これで体を動かす機会が増えるのであれば、受け入れるしかない。
これが介護生活というものである。
考えてはならないこと
ただ…コレ、いつまでこの生活が続くんだろう?…とふと思ったりする事がある。
そんなの、要介護者が生きている間はずっと続くのが当たり前であり、自宅で私が対応している間はずっと続くもの、と考えるべき事であり、そもそもこういう事は考えてはいけないものである。
何故なら、介護生活からの脱却というのは、要介護者がいなくなる事でしか脱する事ができないからだ。
要介護者がいなくなるという事。その意味は言わずともわかるだろう。
だから、そもそもこんな事は考えてはならないのだ。
そして、これは親と同居していれば、似たような境遇の人達にも、可能性のある生活状況である。
あとは各家庭の生活環境の違いや資金運用面の違いがあるだけの事である。
ウチは資金なく、生活環境も比較的劣悪だったので、より工夫が必要であり、対応にも家族の努力が通常より必要というだけの事である。多かれ少なかれどの家庭でも何かしらの対応が必要になってくる事は間違いない。
今の世の中、ほぼ全ての家庭で、このような問題が発生する可能性を秘めている。
それが少子化時代であり、日本総国民高齢化社会の実情である。
実は、私の介護スタイルは、ある意味、私の勤め先のベンチマークになっている。
独り者の親の介護が必要になる、というケースは、可能性として他の社員にも十分考えられることから、会社側としてどのような対応が必要になるのか、またどのような支援ができるのか、という事を検討、試行錯誤しているという。
上手い具合にハマればよいが、正直、介護にかかる労力というのは、各家庭の状況で全く異なることなので、より幅広い対応を検討してくれるといいなと思っている。